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ポジショニング戦略とは?事例をもとに策定方法を解説

#マーケティング

ポジショニング戦略を上手に行うことで、顧客にとって魅力的な価値を提供し、市場での競争力を高めることができます。この記事では、トヨタやユニクロ、セールスフォースなどの企業の具体例を使って、ポジショニング戦略の立て方を解説します。

ポジショニング戦略とは

ポジショニング戦略とは企業が市場において自社製品やサービスをどのように位置付けるかを決定するための戦略です。この戦略は、ターゲット市場に対して自社の提供物を他の競合製品と差別化し、特定の価値やメリットを強調することを目的としています。

STP分析との関係

ポジショニングを効果的に行うためには、市場を正しく理解し、ターゲットとなる顧客を明確に定めることが重要です。これらのプロセスを包括的に捉えるために用いられるフレームワークが、STP分析です。

 

STP分析

STP分析は「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」の頭文字を取ったもので、ポジショニングはこの分析の最後の段階、「P」に該当します。

 

ポジショニング戦略をさらに効果的にするためには、ターゲット顧客の詳細な理解が欠かせません。特にBtoBビジネスでは、ターゲット企業の特徴やニーズを正確に把握することが重要です。

 

営業におけるICP(Ideal Customer Profile)分析は、こうしたターゲティングを強化するための有力な手法です。詳しくは、過去記事「営業におけるICP分析とは?BtoB向けのペルソナ設定について解説!」をご覧ください。

ポジショニング戦略のステップ解説

ポジショニング戦略を策定する際には、ポジショニングマップを用いる方法が一般的です。ポジショニングマップを作成し、戦略を策定するための基本的な手順には、次の4つのステップがあります。ポジショニングマップを作成した上で、自社の強みを活かし、他社と差別化できる戦略を検討しましょう。

 

ポジショニング戦略のステップ解説

STEP1.市場セグメント化とターゲット選定

まず、市場を細かく分けて(セグメント化して)、異なる顧客グループを特定します。顧客グループごとに、ニーズや特性を把握します。その後、各セグメントの魅力度を評価し、自社にとって最も有望で利益を上げやすいターゲット市場を選びます。これにより、どの顧客グループに集中すべきかが明確になります。

 

【具体例】トヨタ自動車(TOYOTA)の市場セグメント化とターゲット選定

 

1.市場のセグメント化

市場のセグメント化

 

2.顧客ニーズと特性の把握(各セグメントごとに、顧客のニーズや特性を把握)

顧客ニーズと特性の把握

 

3.各セグメントの魅力度評価(各セグメントの市場規模、成長性、競争状況を評価)

各セグメントの魅力度評価

 

4.ターゲット市場の選定

ターゲット市場の選定

 

このように、トヨタは市場を細かく分けて各セグメントのニーズや特性を把握し、自社にとって最も有望で利益を上げやすいターゲット市場を選びました。これにより、効果的なマーケティング戦略を展開し、顧客満足度を高めることができました。

STEP2.ポジショニングマップの軸設定

次に、ポジショニングマップを作成するために、2つの評価軸を決定します。これらの軸は、顧客が製品やサービスを評価するための重要な基準です。

 

例えば、「価格」と「品質」、「機能性」と「デザイン」などが考えられます。適切な軸を選ぶことで、自社の製品やサービスが市場でどのように見られているかを視覚的に理解することができます。

 

STEP3.ポジショニングマップでの位置決め

選定した軸を使って、ポジショニングマップに市場内の競合他社の製品やサービスをプロットします。それぞれの競合がどの位置にあるかを確認した上で、自社の製品やサービスをどの位置に置くかを決定します。これにより、自社が市場の中でどのように位置付けられているのかを明確にし、他社との差別化ポイントを見つけることができます。

STEP.4差別化施策の検討

最後に、ポジショニングマップを参考にしながら、自社の強みを最大限に活かして他社と差別化するための具体的な施策を検討します。

 

例えば、製品の機能を強化する、価格戦略を見直す、プロモーション活動を強化するなどが考えられます。これにより、ターゲット市場に対して明確な価値を提供し、競争優位性を確立することができます。

 

これらの手順を踏むことで、効果的なポジショニング戦略を策定し、市場での成功を目指すことができます。

ポジショニングを成功させるポイント5選

ポジショニングを成功させるためのポイントを5つ紹介します。

「企業視点」ではなく「顧客視点」で考える

ポジショニングを行う際は、顧客の視点で自社製品やサービスを評価することが重要です。他社と比較して自社製品がどれだけ優れているかではなく、顧客がその製品やサービスをどれだけ魅力的で価値があると感じるかを考慮します。顧客のニーズや期待に応えることで、ポジショニングの効果が高まります。

ターゲット市場の規模を確認する

選んだ市場が自社にとって十分な利益をもたらす規模であるかを確認します。市場の規模が小さすぎたり、需要がほとんどない場合、事業として成り立たない可能性があります。市場の規模と成長性を評価することが重要です。

顧客に共感されるポジショニングを選ぶ

他社との差別化を図ることは重要ですが、それが顧客にとって魅力的でなければ意味がありません。顧客が自社製品やサービスに価値を感じ、共感できるポジションを選ぶことが成功のポイントとなります。

競合分析を継続する

市場や競合他社の動向は常に変化します。定期的に競合分析を行い、自社のポジションが競合他社に対してどう位置付けられているかを確認します。これにより、必要に応じて戦略を調整し、競争優位を維持することができます。

企業理念やポリシーとの整合性を保つ

選んだポジションが自社の企業理念やポリシーと整合性があるかを確認します。例えば、高品質を提供するという理念を掲げている企業が低価格帯のポジションを選ぶと、一貫性がなくなり、ブランドイメージに悪影響を与える可能性があります。企業の長期的なビジョンやブランド戦略と一致するポジションを選ぶことが大切です。

 

これらのポイントに注意してポジショニング戦略を策定することで、顧客にとって魅力的で信頼されるポジションを確立し、競争優位を築くことができます。

ポジショニング戦略の事例

ポジショニング戦略の事例を紹介します。他の企業はどのようなポジショニング戦略を行って成果を出したのかを見ることで、自社の戦略策定に役立ててください。

トヨタ自動車(TOYOTA)

 

トヨタ自動車は、高品質で信頼性の高い自動車を提供することで知られています。特にハイブリッド車の分野では、プリウスが代表例です。トヨタの車は燃費が良く、環境に優しいことが強みです。また、耐久性も高く、長く使えるため、多くの顧客に信頼されています。これにより、トヨタは「高品質・高信頼性」のポジションを確立しています。

ユニクロ(UNIQLO)

 

ユニクロは、「高品質・低価格」のカジュアルファッションブランドとして世界中で人気があります。シンプルで使いやすいデザインと、手頃な価格で提供することが特徴です。ユニクロは、素材や技術にこだわりながらも、コストを抑えることで、誰でも手に取りやすい商品を提供しています。これにより、多くの顧客に支持されています。

セールスフォース(Salesforce)

 

セールスフォースは、クラウドベースのCRM(顧客関係管理)ソフトウェアを提供する企業です。セールスフォースの強みは、その使いやすさと柔軟性にあります。企業はこのツールを使って、顧客情報を一元管理し、販売プロセスを効率化することができます。

 

また、セールスフォースは多くのアプリケーションと連携できるため、企業のニーズに合わせてカスタマイズが可能です。これにより、セールスフォースは「高機能・高柔軟性」のポジションを確立し、多くの企業に選ばれています。

パナソニック(Panasonic)

 

パナソニックは、家電製品の分野で「高品質・信頼性」のブランドイメージを確立しています。冷蔵庫や洗濯機、エアコンなど、家庭で必要な製品を多岐にわたって提供しています。パナソニックの製品は、長寿命で高性能なことが評価されており、多くの家庭で愛用されています。

任天堂(Nintendo)

 

任天堂は、革新的で楽しいゲームを提供することで知られています。特に、家庭用ゲーム機の「Nintendo Switch」は、その斬新なデザインと多様なゲームソフトで大ヒットしました。任天堂は「楽しさ」と「イノベーション」を強調し、他社と差別化を図っています。これにより、幅広い年齢層に支持されています。

本記事のまとめ

ポジショニング戦略は、企業が市場で自社製品やサービスをどのように位置付けるかを決定するための重要な戦略です。この戦略は、STP分析(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)を通じて効果的に実行されます。トヨタ、ユニクロ、セールスフォース、パナソニック、任天堂といった企業の事例を通じて、具体的なポジショニング戦略の策定方法を理解することができます。

 

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