採用活動をする上で、どの採用媒体を使うかは成功のカギを握ります。

求人サイトやハローワーク、最近ではダイレクトリクルーティングなど、さまざまな採用媒体が登場しています。それぞれに特徴があり、自社に合った媒体を選ぶことで、ほしい人材と出会える確率が大きく上がります。

この記事では、採用媒体の基本から種類、選び方、おすすめのサービスまでくわしく解説します。採用媒体選びに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

採用媒体とは？

採用媒体とは、企業が人材を募集する時に使うツールやサービスのことです。
求人を出したい企業と、仕事を探している人をつなぐ役割をします。昔は新聞の求人欄や情報誌が主流でしたが、今ではインターネットを使った採用媒体が中心になっています。

採用媒体の役割

採用媒体の一番の役割は、企業と求職者の出会いの場を作ることです。

企業は自社の魅力や仕事内容を伝え、求職者は自分に合った仕事を探します。採用媒体があることで、お互いが効率よく相手を見つけられるのです。

また、採用媒体によっては応募者の管理や、面接の日程調整などもサポートしてくれます。採用活動全体をスムーズに進めるための心強い味方といえるでしょう。

求人サイトとの違い

採用媒体と求人サイトは、ほぼ同じ意味で使われることが多いです。

ただし、採用媒体のほうが広い意味を持ちます。求人サイトはインターネット上のサービスを指しますが、採用媒体には紙の情報誌やハローワークなども含まれます。

つまり、求人サイトは採用媒体の一つの形といえます。この記事では、主にインターネットを使った採用媒体を中心に解説していきます。

最近の採用媒体のトレンド

最近の採用媒体は、企業から積極的にアプローチする「攻めの採用」が増えています。

従来の「応募を待つ」スタイルから、企業が直接スカウトする方法が注目されています。これをダイレクトリクルーティングと呼びます。

また、無料で使える採用媒体も増えており、予算が限られている中小企業でも気軽に利用できるようになりました。SNSを活用した採用活動も広がっており、採用媒体の選択肢は年々増えています。

採用媒体の種類

採用媒体には大きく分けて4つの種類があります。

それぞれに特徴があり、採用したい人材や予算によって使い分けることが大切です。ここでは、代表的な4つのタイプについて説明します。

Web型の採用媒体

Web型の採用媒体は、インターネット上で求人情報を掲載するサービスです。

代表的なものに、マイナビ転職、doda、エン転職などがあります。パソコンやスマートフォンから簡単に求人を見られるため、多くの求職者が利用しています。

Web型のメリットは、たくさんの人に情報が届くことです。写真や動画も使えるので、会社の雰囲気を伝えやすいのも特徴です。

料金は掲載期間や表示される位置によって変わり、月20万円から100万円程度が相場です。短期間で多くの応募を集めたい時に向いています。

紙型の採用媒体

紙型の採用媒体は、情報誌や新聞の折り込みチラシなどを使った方法です。

地域密着型の採用に強く、特定のエリアで働きたい人に効果的にアプローチできます。タウンワークやアイデムなどが有名です。

紙媒体の良いところは、インターネットをあまり使わない世代にも届くことです。50代以上の求職者や、地元で働きたい主婦層などにリーチしやすいのが特徴です。

料金は掲載サイズや配布エリアで変わり、2万円から50万円程度です。ただし、掲載後の修正ができないため、原稿作成は慎重に行う必要があります。

ダイレクトリクルーティング型

ダイレクトリクルーティング型は、企業が求職者に直接声をかける方法です。

ビズリーチやWantedlyなどが代表的なサービスです。登録している求職者のプロフィールを見て、自社に合いそうな人にスカウトメールを送ります。

この方法の良さは、転職を考え始めたばかりの人にもアプローチできることです。応募を待つだけでなく、積極的に動けるため、採用の可能性が広がります。

料金は月額制や成功報酬制など、サービスによってさまざまです。専門性の高い人材や管理職の採用に向いています。

求人検索エンジン型

求人検索エンジン型は、インターネット上の求人情報をまとめて表示するサービスです。

IndeedやGoogle for Jobsが有名です。求職者がキーワードで検索すると、いろいろなサイトの求人情報が一度に表示されます。

無料で掲載できるのが最大の特徴です。有料プランもあり、クリックされた回数に応じて料金を払う仕組みです。

予算を自由に調整できるため、試しに使ってみたい企業にもおすすめです。ただし、運用にはコツが必要で、定期的な情報更新が求められます。

採用媒体の選び方

採用媒体を選ぶ時は、自社に合った媒体を選ぶことで、採用活動の成功率が大きく変わります。ここでは、媒体選びで確認すべき4つのポイントを解説します。

自社がほしい人材を決める

まず、どんな人材がほしいのかを明確にします。

年齢、経験、スキル、働く場所など、できるだけ具体的に決めることが大切です。たとえば「20代の営業経験者で、東京勤務OK」といった具合です。

ほしい人材が明確になれば、どの採用媒体が合うかが見えてきます。若手向けの媒体、エンジニア特化の媒体など、それぞれに得意分野があります。

ターゲットがあいまいなまま媒体を選ぶと、応募が来ても自社に合わない人ばかりになってしまいます。採用活動の第一歩として、人材像をしっかり固めると採用媒体を選びやすくなります。

採用媒体の登録者をチェックする

次に、その採用媒体にどんな人が登録しているかを確認します。

媒体ごとに、登録者の年齢層や職種、地域などが違います。自社がほしい人材が多く登録している媒体を選ぶことが成功のカギです。

たとえば、マイナビ転職は20代〜30代の若手が多く、ビズリーチは経験豊富なハイクラス人材が中心です。地方採用なら地域特化型の媒体が効果的です。

媒体の資料を取り寄せたり、営業担当に聞いたりして、登録者の属性をしっかり調べることが大切です。この一手間が採用成功につながります。

料金と効果のバランスを見る

採用媒体の料金は、安ければ良いというものではありません。

安い料金プランだと掲載順位が低く、求職者の目に留まらないことがあります。結果的に応募が集まらず、再掲載でコストがかさむケースも少なくありません。

大切なのは、料金と効果のバランスです。同じ職種を募集している他社の実績や、過去の成功事例を参考にするとイメージしやすくなります。

また、掲載期間中に何名採用できるかも考えるべきポイントです。1名あたりの採用コストを計算すると、本当にお得な媒体が見えてきます。

使える機能を比べる

採用媒体によって、使える機能が大きく異なります。

スカウト機能、原稿の修正回数、応募者管理システムなど、サービス内容は媒体ごとにさまざまです。

たとえば、急募の場合は原稿を柔軟に修正できる媒体が便利です。多数の応募が見込まれる場合は、応募者管理機能が充実している媒体が効率的です。

無料オプションや有料オプションの内容も確認し、トータルで使いやすい媒体を選ぶとスムーズな採用につながる可能性があります。機能面での比較は、意外と見落としがちなポイントです。

採用媒体選びから求人原稿の作成、応募者管理まで、採用活動には多くの工数がかかります。採用業務を効率化したい企業には、採用管理ツール「リクルートマーカー」がおすすめです。

複数の採用媒体を一元管理でき、応募者とのやり取りもスムーズに行えます。採用活動の負担を減らしながら、質の高い採用を実現できるツールです。

おすすめの採用媒体を比較

ここからは、具体的なおすすめの採用媒体を紹介します。

無料で使えるものから有料の大手サービスまで、幅広くピックアップしました。それぞれの特徴を理解して、自社に合った媒体を見つけてください。

無料で使える採用媒体3選

予算が限られている企業には、無料の採用媒体がおすすめです。

まず「Indeed」は、世界最大級の求人検索エンジンで、無料掲載が可能です。有料プランもありますが、まずは無料で試せるのが魅力です。

次に「求人ボックス」は、国内の求人情報を幅広く掲載しています。操作がシンプルで、初めての方でも使いやすいのが特徴です。

最後に「ハローワーク」は、完全無料で利用できる公共サービスです。地域密着型の採用や、助成金を活用したい企業に向いています。全国どこでも利用できる安心感があります。

有料のおすすめ採用媒体5選

有料の採用媒体は、機能が充実していて採用効果が高いのが特徴です。

「マイナビ転職」は、若手採用に強く、月20万円から利用できます。全国対応で、幅広い職種をカバーしています。

「doda」は、経験者採用に強みがあり、月25万円からのプランがあります。IT系やエンジニアの採用に特に効果的です。

「エン転職」は、1,200万人以上の会員を持ち、月24万円から掲載可能です。若手から中堅層まで幅広い年齢層にアプローチできます。

「ビズリーチ」は、ハイクラス人材の採用に特化しています。管理職や専門職を探している企業におすすめです。

「Green」は、IT・Web業界に強い成功報酬型の媒体です。初期費用60万円で、採用が決まると追加料金が発生します。エンジニアやデザイナーの採用に効果的です。

目的別の採用媒体の選び方

採用の目的によって、選ぶべき媒体が変わります。

若手を大量採用したい場合は、マイナビ転職やRe就活がおすすめです。会員数が多く、短期間で応募を集められます。

エンジニアやIT人材を採用したい場合は、GreenやWantedly、typeが効果的です。専門性の高い人材が多く登録しています。

地方で採用したい場合は、地域密着型の媒体やハローワークが向いています。全国展開の大手媒体でも、地方プランを用意しているケースがあります。

管理職や即戦力を採用したい場合は、ビズリーチやdodaダイレクトなどのダイレクトリクルーティング型が最適です。

採用媒体の料金比較表

採用媒体の料金は、種類や規模によって大きく異なります。

Web型求人サイトの相場は、月20万円から100万円程度です。掲載順位や期間によって変動します。

ダイレクトリクルーティングは、月額80万円前後が一般的です。成功報酬型の場合、年収の30%程度が相場となります。

求人検索エンジンのクリック課金は、1クリック20円から1,000円程度です。月の予算を自由に設定できるため、コントロールしやすいのが利点です。

紙媒体は、2万円から50万円程度で、掲載サイズや配布エリアによって変わります。無料のハローワークも含めて、予算に合った媒体を選ぶことが重要です。

採用媒体を使うメリットとデメリット

採用媒体には、メリットもあればデメリットもあります。

両方を理解した上で活用することが、採用成功への近道です。ここでは、採用媒体を使う上で知っておくべきポイントをまとめました。

採用媒体を使うメリット

採用媒体を使う最大のメリットは、効率よく多くの求職者にリーチできることです。

自社のホームページだけでは、求人情報を見てもらうのに限界があります。採用媒体を使えば、転職を考えている人に直接アプローチできます。

また、応募者の管理や選考の進行がスムーズになります。多くの媒体には、応募者情報を一括管理する機能がついています。

さらに、プロのサポートを受けられるのも魅力です。原稿作成のアドバイスや、採用成功のノウハウを教えてもらえるため、採用活動の質が上がります。

短期間で採用したい時や、初めて採用活動をする企業にとって、採用媒体は心強い味方といえます。

採用媒体を使うデメリット

一方で、採用媒体にはデメリットもあります。

まず、コストがかかることです。有料の媒体では、採用できなくても掲載料が発生します。予算が限られている企業には負担になることがあります。

また、知名度の高い企業に応募が集中しやすい傾向があります。中小企業やベンチャー企業は、大手企業に埋もれてしまう可能性があります。

さらに、掲載期間や求人数に制限があることも多いです。複数の職種を同時に募集したい場合、追加料金が必要になることがあります。

求人検索エンジンの場合は、運用に手間がかかるのがデメリットです。定期的に情報を更新しないと、効果が出にくくなります。

メリットを最大化するコツ

採用媒体のメリットを最大化するには、いくつかのコツがあります。

まず、ターゲットに合った媒体を選ぶことが基本です。やみくもに複数の媒体を使うより、一つの媒体で上位プランを選ぶほうが効果的なケースも多いです。

次に、写真や動画を活用し会社の魅力を具体的に伝え、求人原稿の質を高めることが大切です。仕事内容や待遇を明確に書くことで、ミスマッチを防げます。

また、スカウト機能やオプションを積極的に使うことをおすすめします。無料オプションでも効果的なものがあるので、営業担当に確認することが大切です。

最後に、データを分析して改善を続けることです。応募数や閲覧数をチェックし、効果が出ていない場合は原稿を修正します。PDCAサイクルを回すことで、採用成功率が上がります。

よくある質問

採用媒体について、よく寄せられる質問をまとめました。

これから採用媒体を利用する方や、効果に悩んでいる方の参考になれば幸いです。

採用媒体の費用はどれくらい?

採用媒体の費用は、種類やプランによって大きく異なります。

無料のものでは、Indeedやハローワークがあります。初期費用をかけずに始められるため、予算が限られている企業におすすめです。

有料の求人サイトは、月20万円から100万円程度が相場です。掲載順位が高いプランほど料金も上がりますが、その分応募も集まりやすくなります。

ダイレクトリクルーティングは、月額80万円前後、または成功報酬型で年収の30%程度です。専門性の高い人材を採用したい企業に向いています。

無料と有料どちらがいいの?

無料と有料、どちらを選ぶかは採用の緊急度や予算で決定します。

無料の採用媒体は、コストをかけずに始められるのが魅力です。時間に余裕がある場合や、とりあえず試してみたい場合に向いています。

有料の採用媒体は、短期間で効果を出しやすいのがメリットです。急募の場合や、確実に採用したい場合は有料媒体がおすすめです。

理想は、無料と有料を組み合わせて使うことです。無料媒体で幅広く情報を発信しつつ、有料媒体でターゲット層に集中的にアプローチする戦略が効果的です。

複数の採用媒体を使うべき?

複数の採用媒体を使うことで、採用の可能性が広がります。

ただし、やみくもに増やすのは避けてください。応募者の管理や、各媒体への対応に手間がかかります。まずは1〜2つの媒体で試してみるのがおすすめです。

効果が出ない場合に、別の媒体を追加する形が現実的です。それぞれの媒体の特徴を理解し、補完し合う組み合わせを検討してください。

大量採用や複数職種の募集の場合は、最初から複数媒体を使うのも一つの方法です。採用の目的や規模に応じて、柔軟に判断してください。

採用媒体で効果が出ないときは?

採用媒体を使っても応募が来ない場合は、いくつか原因が考えられます。

まず、求人原稿の内容の見直しを行います。仕事内容や待遇が分かりにくい、魅力が伝わっていないなどの問題があるかもしれません。写真を追加したり、具体的な数字を入れたりすると効果的です。

次に、掲載プランが適切か確認することが重要です。下位プランだと求職者の目に留まりにくい可能性があります。予算が許せば、上位プランへの変更を検討してください。

また、媒体そのものが合っていないケースもあります。ターゲット層が登録していない媒体では、いくら工夫しても効果は出ません。別の媒体を試してみるのも一つの方法です。

まとめ：採用媒体の種類

採用媒体には、Web型、紙型、ダイレクトリクルーティング型、求人検索エンジン型の4種類があります。

それぞれに特徴があり、自社がほしい人材や予算、採用の緊急度によって選ぶべき媒体が変わります。

まずはターゲットを明確にし、そのターゲットが多く登録している媒体を選ぶことをおすすめします。料金だけでなく、使える機能や登録者の属性をしっかり比較することが大切です。

無料の媒体から始めてみるのも良いですし、短期間で確実に採用したい場合は有料の大手媒体がおすすめです。

採用媒体を上手に活用することで、自社に合った人材と出会える確率が大きく上がります。この記事で紹介したポイントを参考に、ぜひ採用活動を成功させてください。

Recruit Markerでは、採用媒体に掲載しても応募が集まらない、という課題を解決できます。AIとインテントデータを使って約600万人のデータベースから転職潜在層を発見し、企業側から能動的にアプローチ。一人ひとりに最適化されたスカウトを送ることで、採用媒体への掲載だけでは出会えなかった人材を獲得することが可能です。