2024.09.04
【例文付き】メールでのリードナーチャリング方法。効果を発揮する条件とは?
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マーケティングで獲得したリードに対して、興味関心度合いを高め確度の高い商談化へと繋げる リードナーチャリング。
その方法は様々ですが、費用を抑えられ取り組みやすいのは「メール」を活用したリードナーチャリングです。
しかし、メールによる取り組みは「どんな手法があるの?」「文章がうまく書けない」と悩む方もいるのではないでしょうか。
本記事では、メールを活用したリードナーチャリングの方法を例文付きで詳しく解説します。
リードナーチャリングとは?
リードナーチャリングとは、リード(見込み顧客)の購買意欲を高め商談化へと繋げるために行う見込み顧客の育成を指します。
マーケティングで獲得したリードというのは、自社商品・サービスの興味関心度合いにバラつきがあり、全員が自社の顧客になってくれるわけではありません。特に購買意欲の低いリードに対して、急に商談化を狙っても失敗につながるでしょう。
もちろん、獲得したリードの中には初めから購買意欲が高い「ホットリード」も存在しますが、基本的には継続的に購買意欲を高めるための施策であるリードナーチャリングを行い、状況に合わせて適切なタイミングで商談打診を行うことで商談化へとつながります。
メールでのリードナーチャリングのメリット
ここからはメールを活用したリードナーチャリングのメリット2点を解説します。
- 費用をかけずに商談獲得の可能性
- データが取りやすく改善しやすい
費用をかけずに商談獲得の可能性
1つの目のメリットとして、費用をかけずに商談獲得ができることが挙げられます。
例えば、新規ターゲットに対して広告を使用してリーチを行うと多額の費用がかかる可能性も。
一方、メールであれば「過去に問い合わせてくれた見込み顧客」や「接点のある見込み顧客」にメール配信を行うため、費用がほとんどかかることはありません。
仮に一斉にメールを配信できる「メール配信ツール」や「MAツール」を用いても月額数千円〜なのに対して、広告を使用すれば数万円〜数百万円かかることも考えられるでしょう。
データが取りやすく改善しやすい
リードナーチャリングには、広告やインサイドセールスが行う架電による方法もありますが、興味関心度合いを計測する方法は勘に頼られやすく、正確なデータの取得は難しいのです。
しかし、メールであれば
- メール開封数・率
- メール内リンククリック数・率
- コンバージョン数・率
- メール配信数
- 商談数・率
など多くのデータを取得できます。
そのため、メールでのリードナーチャリングは取れるデータも多く改善がしやすく取り組みやすい手法と言えるでしょう。
メールでのナーチャリングが効果を発揮する条件
メールでのナーチャリングが効果を発揮するには条件が主に3つあります。
- 配信できるリストが多い
- 検討期間が長い
- 競合が多い
配信できるリストが多い
配信できるリストが多ければメールによるナーチャリングを実施すべきでしょう。リストの数が少なければ、メールを見てもらえる数・獲得できる商談数も少なく、十分なデータも取得できないでしょう。
例えば、開封率のデータを取る際に
- 10件送付して2件の開封
- 1000件送付して200件の開封
同じ開封率20%でありますが、前者に関しては取れるデータが少ないため改善が難しく、仮に件名やタイトルを変更したところで結果にブレが生じやすく、実際にどちらの件名やタイトルがより開封してもらえるのか、というのは分かりません。
リストが少ないとメールを送る工数や改善する工数に対して成果が得づらく、効果は発揮しにくいと言えます。
検討期間が長い
自社で取り扱う商品・サービスの検討期間が長い場合、リードナーチャリングは効果を発揮します。自社商品・サービスの価格が「高い場合、低い場合」で考えてみましょう。
自社商品・サービスが安価である場合、顧客からすれば「購入して失敗しても大丈夫」という心理から他社との検討期間も短い傾向にあります。
一方、自社商品・サービスが高価である場合、購入することに慎重になり検討期間も必然と長くなります。
この検討期間が長い場合にメールでのナーチャリングは非常に有効であり、継続的に自社サービスの情報などのコンテンツを送付することで、興味関心度合いを引き上げることが可能です。
競合が多い
最後に競合が多い場合です。自社の商品に関する資料ダウンロードなどを行った顧客のうち、自社商品・サービスを利用(導入)しなかった顧客の70%ほどは競合に流れていくというデータがあります。
そのため競合が多いほど、継続的にメールでアプローチを行い接点を持ち「選んでもらえる状態」にしておくことが重要であり、効果を発揮します。
メールでのリードナーチャリング手法
メールでのリードナーチャリングの手法には以下の3つの手法があります。それぞれの概要や役割を理解して、上手く使い分けましょう。
メルマガ
メルマガは見込み顧客に対して、継続的に有益な情報を発信していくメールを指します。継続的にメール配信を行えば、顧客側では常に自社も候補に入れた状態で検討してもらえるため、機会損失を減らすことができます。
また、メルマガは自社が持っている顧客リストから一斉配信を行いますが、特定の条件に分けて配信する必要があります。
というのも、メルマガは見込み顧客の状況に応じた適切な情報を配信する必要があるからです。また、配信頻度も注意する必要があり興味関心度合いが低いリードに大量のメルマガを配信しても迷惑に感じられることも。
興味関心度合いが低いリードに対しては、緩やかにアプローチを行なっていきましょう。
ステップメール
ステップメールとは、見込み顧客がある特定のアクションを起こした際に送付するメールを指します。例えば「メール内のリンクをクリックした」「資料請求を行なった」など条件によってステップメールを配信します。
例えば、資料請求が発生すれば
- 1日後:お礼メール
- 3日後:よくある質問回答メール
- 5日後:他社による導入事例メール
- 7日後:製品の使い方セミナー誘致
などです。
ステップメールを配信するタイミングは、基本的に時間を空けず送付した方が良いとされています。なぜなら、特定のアクションを行った際には、少なからずニーズが発生しているからです。もしかすると、「1週間後にはニーズがなくなっている」「競合との取引が決まっている」ことも。
また、ステップメールは単発ではなく翌日→3日後→5日後など段階的に送るのがポイントです。後半部分では、リードがアクションを起こしやすいような施策を行うと良いでしょう。
フォローメール
フォローメールは、インサイドセールスで架電をした顧客に対して、通話終了後に送るメールを指します。
フォローメールには、
- 架電内容の補足
- セミナーなどのご案内
- お礼
などの役割があります。
また、フォローメールは架電をしてできるだけ短時間で送付できるようにしておくことがポイントです。1日に何人もの顧客と架電を行うため、その度にメール内容を作成していると架電に費やす時間が減ってしまいます。
顧客側もすぐに架電に関連したメールが送付してもらえれば、情報の活用ができるようになるでしょう。
リードナーチャリングのメール例文
ここからはリードナーチャリングにおけるメールの例文を4つのパターンで紹介します。
- 資料請求お礼メール
- 導入事例紹介メール
- セミナー案内メール
- セミナー開催後メール
資料請求お礼メール
【解説】
資料請求のお礼メールは件名・本文ともにわかりやすい内容にしましょう。「文章が長すぎる」「営業味が強いお礼メール」はNGです。
また、資料請求のお礼メールだけではなく「セミナーのご案内」や「製品に関連した他資料」なども併せて送付すると良いでしょう。
顧客に次のアクションなどを提示してあげることで、その後も接点を持つことができます。
導入事例紹介メール
【解説】
導入事例紹介メールは送り先と「同業種」「異業種」の2つを送ることをおすすめします。
また、ポイントとしては本文の前に「導入したことでどんな結果を生んだのか」結論を先に書きましょう。本文では、具体的に事例を記載することで導入後のイメージをしてもらいやすくなります。
本文が長くなるようであれば、URLなどのリンクを記載しても構いません。
セミナー案内メール
【解説】
セミナーの例文は日時・開催場所などを忘れずに記載し、「どんな方に出席してほしいか」を記載しましょう。
また、ただ「セミナーを開催します!」だけでなく、セミナーに出席することで他にも出席するメリットが用意ができれば、出席率も高くなります。
セミナー開催後メール
【解説】
セミナー参加のお礼文は必ずアンケートの回答を依頼しましょう。アンケートは「顧客の悩み」「開催セミナーの質」などを計ることができます。
アンケートの回答率が低い場合は「セミナーのアーカイブ」や「セミナーに関する資料」など特典を提供するのも1つの方法です。
また、セミナーの参加で終わらないように「次回のセミナーのご案内」など顧客に次のアクションを促す内容を意識しましょう。
メールでのナーチャリングのチェック指標
最後にメールでのナーチャリングをチェックする指標(KPI)を紹介します。まずは以下の表をご覧ください。
【配信数】
配信数を増やすには「MAツール」など一斉配信機能が備わっているツールを使用しましょう。
【不達数・率】
不達数・率は重要な指標の1つです。不達数が多い場合は何らかの異常によりメールが届いていないことがわかります。こちらでは改善できない「システムエラー」などもありますが、顧客側から受信拒否をされているなどの理由もあるため、その際には配信頻度など改める必要があります。
【開封数・率】
開封数・率はメールでのナーチャリング指標において代表的なものです。 「(配信数-不達数)÷開封数×100=開封率」で導き出せます。
開封率を上げるには、タイトルや件名で興味を引く内容にする必要があります。この開封率が低い場合は改善する必要があるでしょう。
【URLクリック数・率】
URLクリック数・率が高い場合はリンク先の内容が受信者にとって有益なものであると言えるでしょう。一方で、低い場合はリンクの内容を見直しましょう。
【コンバージョン数・率】
最後にコンバージョン数・率です。メールにおけるナーチャリングの最終目標であり、ナーチャリングの効果を評価するうえで重要な指標と言えるでしょう。
コンバージョンはメールの内容によって異なり、例えば「製品の案内」であれば製品購入がコンバージョンとなります。
その他の手法を合わせたKPIの設定方法は以下の記事をご覧ください。
まとめ
メールでのナーチャリングは見込み顧客と関係を構築し、購買意欲を高める重要な手法です。 また、低コストで手軽に始めることができるため、リードナーチャリングに初めて取り組む方にもおすすめです。
取り組む際には顧客ごとに適切なコンテンツを配信しなければなりません。 紹介したメールの手法を使い分け、例文を参考にメールによるリードナーチャリングを成功させましょう。