
- 方法1)アプローチ先の優先順位をつける
- 方法2)ターゲット企業の購買段階・購買意欲を見極める
- 方法3)広告の費用対効果を高める
- 方法4)外部パートナーの販売戦略に役立つ
- 方法5)顧客離れを防いでLTVを高める
- ABM戦略にインテントデータを活用することで、より効果が発揮できる
BtoB企業で重要視されているマーケティング手法に、インテントデータを活用したアカウントベースドマーケティング(ABM)があります。
ABMには、以下の特徴があります。
- 個人ではなくアカウント(企業)単位で考える
- 関連する部門が連携して一貫したアプローチができる
- 企業ごとに適正化したコミュニケーション
このように、ABMは特定のアカウント(企業)に狙いを定めてアプローチする手法で、営業だけでなくマーケティングやカスタマーサービスなどの部門と連携してアプローチをします。
いま世界中で注目されているインテントデータにもとづいて、営業アプローチ先を優先順位づけすることができれば、マーケティングや営業活動の効率が向上し、利益の拡大につながるでしょう。
しかし、多くの企業では、インテントデータを活用できていないのが現実です。
そこでこの記事では、ABM戦略に役立つ「インテントデータの活用法」を5つご紹介します。
方法1)アプローチ先の優先順位をつける
では、このABM実践にあたって有効なインテントデータとは何でしょうか。
インテントデータとは、Web検索クエリ、特定Webサイトの閲覧履歴といった、意図(=intent)や目的を持って行った「Web上の行動履歴データ」を指した言葉です。つまり、特定の企業が、今どのような課題やニーズを持っているのか、どのようなソリューションの購入を検討しているのか、などの興味・関心を分析し、購買意図を可視化したデータです。
このインテントデータにより、自社製品やサービスに関する興味・関心度が把握できるため、以下のことに役立ちます。
- 需要の創出
- マーケティング施策
- アポ率や応答率の向上
- 成約率の向上
- イベントの企画
データにもとづいた優先順位づけにより、効率良くアプローチすることができるだけでなく、より効果的なアプローチ戦略を立てることも可能です。
マーケティング部門では、インテントデータに基づいてアプローチ方法を選択することで、質の高い見込み客の獲得にもつながるでしょう。
また、予算規模が大きいイベントの開催にも、インテントデータは役立ちます。企業の参加率向上、参加企業の満足度向上、といった成果にもつながるからです。
とくに、直接対面するイベントには多くの予算を配分する傾向があるため、費用対効果を高めることは重要目標になるでしょう。
方法2)ターゲット企業の購買段階・購買意欲を見極める
インテントデータを活用し、ターゲット企業の購買段階・購買意欲を見極めることは、ABMに効果的です。
ABMの基本的な考えの一つに、ターゲット企業のニーズに合わせたメッセージを届け、コミュニケーションを図ることが挙げられます。そのためには、その企業が持っている興味・関心を把握しておくことが重要です。
これまでは、自社サイトへ訪れてもらわないと、その企業の興味や関心といった情報を得られませんでした。
しかし、興味や関心を示すWeb上の行動履歴データ(インテントデータ)があれば、自社サイトに訪れていない企業でも、Web上の検索クエリ・閲覧履歴などから購買意欲を見極めることができます。
そして、以下のようにマーケティングファネルのどの段階においても、適切な提案ができるようになるでしょう。
- トップファネル:興味や関心を引きつける
- ミドルファネル:より質の高い見込み顧客へと育成
- ボトムファネル:購買意欲を高める
インテントデータは、ファネル段階を見極めるとともに、エンゲージメントを高めるために、とても有効なデータです。
ファネル分析については「ファネル分析とは?具体的な方法とメリット・注意点を徹底解説」で詳しく説明しています。
方法3)広告の費用対効果を高める
広告の費用対効果を高めるには、興味・関心の度合いが高い企業に広告を見てもらう必要があります。この点でも、インテントデータはとても役立ちます。
顧客との接点作りの一つとして広告が使われますが、ABMの広告戦略では不特定多数に向けて広告を配信するわけではありません。ある程度ターゲットを絞ってから広告を配信します。
ターゲットになりそうな企業に広告を見てもらうために、そういった企業が閲覧した媒体、検索クエリなどを把握することで、より効果的に広告を配信することができます。
インテントデータがあれば、ターゲットにしたい企業が持つ興味や関心を知ることができ、それに合わせて広告を配信できるため、広告の費用対効果も高められるでしょう。
実際にどのようにアカウント(ターゲット企業)を選定するかは、下記の記事を参考にするとわかりやすいです。
方法4)外部パートナーの販売戦略に役立つ
ABM戦略では、チャネルマーケティングも重要なポイントになります。たとえば、外部チャネル(パートナー)を利用することで、営業部門の規模が小さくても製品やサービスを市場に投入できるからです。
インテントデータの活用は、このチャネルマーケティング計画にも役立ちます。各企業の興味・関心などを外部パートナーと共有することで、より関係性は発展していくでしょう。
さらに、外部パートナーから得た見込み客をターゲッティングする際も、優先順位づけの材料としてインテントデータは欠かせません。
これにより、顧客転換率(CVR)や流通経路の価値向上、流通経路での利益増にもつながります。その結果、外部パートナーとの関係性はより強固になっていくでしょう。
方法5)顧客離れを防いでLTVを高める
インテントデータは、顧客離れを未然に防ぐことにも役立ちます。
例えば、自社の顧客企業が積極的に競合サイトを調べているなら、恐らく解約される可能性が高いです。こうなる前にインテントデータを活用することで、顧客企業との問題点に素早く対処することができます。
また、顧客企業が別の問題を解決したいと考えていたとき、インテントデータを使ってこの情報を素早くキャッチすることで、アップセルをする手助けになるでしょう。
このように、インテントデータは顧客離れを防ぐだけでなく、LTV(顧客生涯価値)を高めることにも役立ちます。しかし、インテントデータはこういった部分において、まだ十分に活用されていない傾向があります。
マーケティングファネルの各段階で、成約率を高めるためのインテントデータ活用ができるようになれば、長期的に企業へ利益をもたらしてくれるでしょう。
インテントデータをもっとよく知りたいという方は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
ABM戦略にインテントデータを活用することで、より効果が発揮できる
インテントデータの重要な価値は、見込み客を生み出す段階から顧客となったアフターフォローに至るまで、すべての段階でABM戦略の質を高めてくれることです。
ABMは、企業の利益増大、営業効率の向上、などといった点からも近年注目されているマーケティング戦略となっています。
ABM戦略にインテントデータを活用することで、より効果が発揮できるでしょう。
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