インテントで市場ニーズを可視化し、最適な接点を設計。BtoB新規事業の成果を導くセールス&マーケティング戦略

株式会社イオンファンタジー

- どの業界に、どのようなニーズがあるのか分からず手探りでのアプローチを繰り返していた
- 展示会頼みの営業体制から抜け出せず、リード獲得経路が限定的だった
- 初めてのBtoBマーケティングで、仮説の振り返りや戦略策定が難しかった
- インテントデータ
- インテントフォーム
- インテント広告
- インテントポップアップ
- インテントデータから市場のニーズを可視化し、最適なターゲット選定が可能に
- 企業のニーズに基づいたパーソナライズな提案をマルチチャネルで行い、接点創出を最大化
- 仮説・検証サイクルが回るようになり、少数精鋭でも成果を生み出せる体制へ
「モーリーファンタジー」や「スキッズガーデン」など、全国450以上のアミューズメント施設やプレイグラウンド施設を展開するイオンファンタジー。2022年に、キャラクターを描きたいクリエイターと、キャラクター活用を検討している企業をつなぐプラットフォーム「キャラis(キャライズ)」を立ち上げました。
「キャラis」は、同社では初となるBtoB向けの事業となり、これまで携わってきたBtoC向けサービスとは販促プロセスが大きく異なることに苦戦していました。市場ニーズの把握や、顧客接点を獲得するマーケティング・営業チャネルの増やし方、アプローチの仕方などを手探りで模索しながら進めていた中で、それらを網羅的にワンプラットフォームで行う手段として目を付けたのが Marketing Marker でした。
初めてのBtoBマーケティング。「誰に、どう提案すればいいのか」が見えなかった
ーまずは御社のサービスについて教えてください。
当社は、「モーリーファンタジー」や「スキッズガーデン」など、アミューズメント施設やプレイグラウンド施設を全国で約450店舗展開している会社です。そこで提供しているクレーンゲームやカプセルトイは、人気キャラクターだけでなく、オリジナルキャラクターのぬいぐるみやグッズも数多くあります。それらを制作している多くはフリーランスや副業のクリエイターとなるのですが、このクリエイターの方々を当社だけでなく、他の多くの企業とつなげるプラットフォームを作ってみてはどうだろうかと思い立ち上げたのがキャラクター特化型プラットフォーム「キャラis」です。
ーキャラisの立ち上げにあたり、どのような課題を抱えていたのでしょうか?
オリジナルキャラクターを作りたい企業という市場がどの程度あるのか、ニーズがある企業はどのような企業なのか、ニーズがある場合はどのような意図や目的を持っているのか、など、企業側の市場観があまり掴めていなかったことです。
立ち上げ当初からしばらくは、展示会に出展し、ご来場者の方と直接お話することで情報収集をしたり、自社商品を持つメーカー企業を調べてメールや電話で1社ずつコンタクトをとる活動もしていました。しかし、展示会の出展は年に2回、アウトバウンドセールスもそれほど数多くできるわけではなく、情報量、そして商談や成約にしても「広がり」を作ることが困難でした。さりとて、スモールスタートではじめたこともあり莫大な費用を投下して広告で露出を増やすわけにもいかず、従来のアウトバウンド中心の活動だけでは限界を感じていました。
また、いわゆるBtoBマーケティングに本格的に取り組むのも初めてで、「誰に提案すればいいのか」が分からず、ここからどのように事業を発展させていくかが課題でしたね。そこで、アウトバウンド施策だけでなく、顧客から問い合わせがくるようなマーケティングコミュニケーションにも取り組み、インバウンドでも顧客接点を増やしたいと考えていました。
ーMarketing Marker導入の決め手は何でしたか?
やはり、企業の検索行動データをフックに、顧客ごとに最適化した提案やコミュニケーションができる仕組みです。
まず、現代社会において何か課題やニーズが発生したら「ネットで検索する」というのが極めて自然で一般的な行動です。その検索行動を可視化できれば、相手のニーズを仮説立てて戦略的に接点が作れるようになるのも魅力ですね。
例えば、どのようなニーズがあるか仮説が立てられないと、「御社のオリジナルキャラクターを作りませんか?」のようなとても汎用的なメッセージで提案せざるを得ません。しかし、検索行動をはじめとしたインテントデータからニーズを類推した上でアプローチできる場合、「オリジナルキャラクターのこんな使い方に興味はありませんか?」と調べている内容にピンポイントに合致するような内容で提案することができます。実際、Marketing Marker を導入してからは「誰にどう提案すべきか」が見える化され、顧客ごとにメールや商談の内容を最適化したコミュニケーションがとれるようになりました。
インテントデータを軸に、顧客起点のマーケティングを実現。ニーズを押さえたアプローチで問い合わせされる仕組みを構築
ーMarketing Markerをどのように活用されていますか?
市場調査や顧客理解のための仮説設計、そして広告をはじめとしたマーケティングコミュニケーション全般に活用しています。「どのような目的や用途でキャラクターを作りたいのか」「なぜクリエイターを探しているのか」などは企業によって異なるため、インテントデータから背景を捉えることは重要だと考えています。
実際にMarketing Markerを使い始めてから検証できたことではありますが、それぞれの課題やニーズに合わせたクリエイティブを出し分けることで、興味喚起に繋がるか否かが変わることがわかりました。運用を開始してすぐ、ポップアップ経由で1件、広告経由で2件のお問い合わせもいただいており、「今後キャラクター導入の可能性があるため話を聞きたい」と、新たな見込み顧客との接点作りに繋がっています。
また、想定していなかった業界をニーズ起点で新規開拓することも行っています。例えば、当社はもともとキャラクターを使った販促を行っている製造業の企業などをターゲットにしていましたが、検索行動から市場動向を探ってみたところ大学などの学術機関でニーズが多いことを発見しました。キャラクターの活用領域が販促だけでなく広報にもあるということは想像はできても、大学にニーズがあることや、どの大学が具体的に検討しているのか、ということはMarketing Markerがなければ知り得なかったことですので、ターゲットとして認識することはなかったと思います。さらに、こうした大学は例え当社の広告を目にしていても「キャラクターを活用した販促」というバナーではクリックされなかったのではないでしょうか。やはり、ニーズにピッタリ合ったメッセージが表示されるようにすることは重要だと思います。
ーMarketing Markerを導入して、何か変化はございましたか?
まず、当初課題であった市場理解と的確なアプローチ戦略については、検索行動から企業のニーズを仮説立て、情報発信するという「仮説・検証」ができることが可能になったことでかなり改善ができています。
これが可能となったことでチームに変化がおきたことも大きいです。検索キーワード軸で提案の仮説・検証の結果を共有しあうことで、Marketing Marker 上での施策だけでなく、他のチャネルからの情報発信にも反映するなど、組織全体で各自の取り組みの精度を高める意識や流れができています。
あとは、自社視点では気づけなかった市場を発見できたことでしょうか。オリジナルキャラクター作成のニーズがある企業がよく検索しているキーワードを軸にターゲットを抽出してみると、実は意外な業界の企業が多く検出されたりします。顧客(インテント)起点にしてみることで、情報やアプローチ先の候補の取得にも広がりができました。
伴走支援で「打ち手を導ける」チームへ。
ー導入支援やコンサルタントのサポートはいかがでしたか?
BtoB事業もツール活用も初めての取り組みだったので、正直使いこなせるか不安でした。見るべき数字も異なりますし、数字の良し悪しなども相場観がないので、それをどう解釈し、次に何をするべきなのかの判断などを最初からすべて自力でやるのは難しかったと思います。
必要なデータを取得する初期設定から、実行した結果の数値をどうとらえて、ネクストアクションとして何が有効なのかを一緒に考え、キーワードやアプローチ戦略の設計まで伴走していただけたのですが、Marketing Markerの操作方法だけでなく、こうした当社の事情に合わせて必要な支援を行っていただけるのは非常に助かりました。
ー最後に、今後の展望があれば教えてください。
事業として、有名なキャラクターをキャラisから生み出し、認知を広げていくことはもちろんですが、それだけではなく、もっと多くのキャラクターが様々な場所で活躍できる状態を作っていきたいと思っています。
そのために、Marketing Marker を活用し、より多くの企業にキャラクター活用の可能性を届けていくことで、クリエイターと企業の出会いを増やし、「キャラを育てる仕組み」を世の中に広げていければと思います。
ー本日は、お忙しいところありがとうございました。