2024.02.06
営業戦略とは?戦略の立て方の具体例と資料のまとめ方まで解説
この記事は約 6 分で読めます。
「会社の売上が上がらない」
「営業活動を行なっているが思うような結果が出ない」
このような悩みを持つ方も多いのではないでしょうか?
営業活動は具体的な数字や目標を立てて行いますが、経験やスキルに頼った営業活動では組織全体で成果を出すのは難しいでしょう。組織全体で成果を挙げる際に重要となるのが「営業戦略」です。
本記事では、営業戦略の立て方や具体例・資料のまとめ方などを詳しく解説します。
営業戦略とは?
営業戦略とは、売上向上や事業拡大など中長期的な目標を達成するための計画(方針)です。 競合他社に対して「どの市場を狙うのか」「どんな人をターゲットにするのか」「どんな物を売っていくのか」などの計画とも言えます。
例えば、自社が営業支援ツールを提供しており「5年後には10億円の売上」という目標を立てたと仮定します。
競合他社では「信頼を向上させるために導入事例や実績を公開している」から自社では「認知を拡大するためにHPのアクセス数を増やそう」というのが営業戦略です。
営業戦略と営業戦術との違い
営業戦術とは、営業戦略を実行するための具体的な行動(アクション)を指します。
営業戦略と営業戦術の違いは、
- 営業戦略:売上向上や事業拡大など中長期的な目標を達成するための計画(方針)
- 営業戦術:営業戦略を実行するための具体的な行動
となります。
前述した営業戦略の具体例では「5年後に10億円の売上」という目標を基に「認知を拡大するためにHPのアクセス数を増やそう」と戦略を立てました。
このHPのアクセス数を増やすために、「SEO集客」や「SNSからの流入」など施策を打つことが営業戦術です。
営業戦略を立てる際のポイント
ここでは営業戦略を立てる際のポイントについて以下5つを紹介します。
市場調査
市場調査とは、他社の商品やサービスの価格・需要などを把握するために行う情報調査です。 いわゆる外部環境を調査し、自社の脅威となる商品やサービス、自社にとってヒントとなるビジネスチャンスがわかります。
営業戦略において市場調査を実施することで外部環境が把握できるため、自社の強みや弱みが明確になり営業戦略を適切に立てることが可能です。
営業現状の数値化
営業現状の数値化とは、営業活動における工数や売上、製品数や価格など営業に関わるあらゆるモノを数値化することです。
ただし、営業現状の数値化は流動的な要素が多いため営業戦略の再立案などを行う際はその都度数値化を行う必要があります。
営業現状の分析
営業現状の分析は、数値化した結果を基に分析を行います。
営業現状の分析は自社の置かれている状況や課題点が可視化できるため効果的な営業戦略の立案ができます。また、分析にはフレームワークを使用することで、より効率的に分析を行うことが可能です。
営業課題の把握
営業現状の分析まで行うと自社の課題が明確になります。この課題を洗い出し把握を行いましょう。
営業課題を正確に把握できなければ、営業戦略を立案できても効果的な営業活動は難しいでしょう。 逆に把握することができれば、客観的に実現可能な営業戦略の立案ができます。
コアコンピタンスの把握
コアコンピタンスとは、他社が持っていない自社だけの強みです。
コアコンピタンスを把握することで他者との差別化を図ることができ、自社ならではの強みや価値を正確に把握することができます。
これにより自社の強みや価値を活かした効果的な営業戦略を立案することができます。
営業戦略を立てる際に使えるフレームワーク
営業戦略を立てる際に使用できるフレームワークは下記になります。
営業戦略の立て方3ステップと具体例
営業戦略の立て方を具体例を交えながら以下3ステップで解説します。
- 現状の課題を分析する
- 戦略のヒントを分析する
- 戦略を決定する
1. 現状の課題を分析する
営業戦略を立てるには初めに現状の課題を分析して、明確にする必要があります。 その際には前述したフレームワークを使用して実際に戦略を立てていきましょう。
現状の課題を分析するフレームワークはいくつかありますが、ここでは「SWOT分析」を用いて解説します。
まずは自社が「IT企業」だと仮定しましょう。
表を見てわかる通り「大手企業を開拓できていない」や「離職率が高い」というのが自社の弱みということがわかりますが、「脅威」の部分では「自社にはない特別な技術が開発された」ということから、他社に大手企業を開拓される可能性があり早急な大手企業への進出が課題となります。
また、自社の強みや弱みを挙げるのが難しい場合は「社内会議」「ネットの口コミ」「お客様アンケート」を用いてヒアリングしましょう。
この段階で使用できるフレームワークは以下になります。
- 3C分析
- ロジックツリー
- 4P分析
- SWOT分析
2. 戦略のヒントを分析する
1.で自社の課題が明確になり、この課題をどのように解決していくのかを分析します。
戦略のヒントを分析するフレームワークもいくつかありますが、ここでは「VRIO」を用いて解説します。
という風に、自社では「大手企業にコンタクトが取れるメンバーがいる」ため大手企業の獲得が可能ということがわかります。
この段階で使えるフレームワークとしては以下になります。
- STP分析
- TOWS分析
- PEST分析
- バリューチェーン分析
- ファイブフォース分析
- VRIO
3. 戦略を決定する
最後のステップで戦略を決定していきます。
自社では「大手企業とコンタクトが取れるメンバーがいる・開拓のノウハウがある」ため、大手企業を獲得ができるということがわかりました。
実際に戦略を決定する方法を解説します。
まずは、自社が獲得している地元企業の実績を公開し、大手企業の進出を行います。コンタクトを取りノウハウを使用して大手企業を一定数獲得することができれば、その後、競合他社が獲得している中・小企業の顧客を一気に獲得・拡大できます。
営業戦略のまとめ方
「実際にどのように営業戦略をまとめればいいのか」 「上司に伝える際に重要なポイントは?」
営業戦略をまとめる際には、本記事の「営業戦略を立てる際のポイント」で解説した以下5つの項目をパワーポイントにまとめて根拠にしていくことが大切です。
- 市場調査
- 営業現状の数値化
- 営業現状の分析
- 営業課題の把握
- コアコンピタンスの把握
では、実際にどのようにまとめていくのかを「営業ツールを提供している会社」と仮定し具体例を用いながら説明していきます。
また、構成は以下のようになっています。
現状の課題
まずは現状の課題の整理として、市場調査を実施した内容をまとめます。
市場調査では「どのような調査方法で」「誰を対象に」行ったのかを記載しましょう。 また、調査で明確になった数値などは実際にグラフを用いる事でより説得力が増します。
自社の営業組織の数値では「アポ獲得率」や「成約率」など様々な数値を抽出します。
「市場調査」と「自社の営業組織の数値」をもとに営業課題を明確にします。 そして、明確にした課題をもとに「戦略の方向性」を決めていきます。
戦略の方向性
次に戦略の方向性を決定していきます。
まずは自社のリソース(強みや弱み)をまとめてみましょう。
次に競合他社のリソースを整理します。
自社と他社のリソースは自社の強みや弱み、他社の強みや弱みをなどを比較できるポイントとなります。
次に市場現状を記載します。
市場現状は「1-1.市場調査」に加えて、顧客のニーズの高まりなどを記載しましょう。
最後に戦略を決定していきます。戦略の方向性の内容をまとめ自社の課題をもとに戦略を立てます。なるべく、具体的に書いていきましょう。
戦略・戦術詳細
「2-4.戦略」で決定した内容をもとに具体的な戦略・戦術の行動を記載しましょう。
戦術のスケジュールでは戦略・戦術の行動内容の期日を決めます。 この時に自社の営業担当者の人数などを考慮し、無理のないスケジュールを設定・記載しましょう。
まとめ
本記事では、営業戦略の概要・戦略の立て方・まとめ方について解説しました。 営業戦略は自社の営業活動をより効率化し、組織での目標を達成するために非常に重要です。
「組織の売上が上がらない」「営業戦略を立てたのに失敗した経験がある」という方はぜひ本記事を参考に営業戦略を立ててみてはいかがでしょうか。