2024.09.04
MA(マーケティングオートメーション)とは?機能やできることと導入効果を解説
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MAツールを使う企業が増えていると耳にし、気になっているものの、具体的に何ができるのか分からないと感じている人もいるでしょう。また、MAツールの活用によってどのようなメリットを得られるのか理解していない状態では、導入を前向きに検討できないものです。
本記事では、MAツールが注目されている背景を解説した上で、具体的な機能やできることを紹介します。導入効果やメリットも説明しているので、MAツールに興味がある人はぜひ参考にしてください。
MA(マーケティングオートメーション)とは
MA(マーケティングオートメーション)とは、マーケティング活動を効率化するために、業務を自動化する仕組みのことです。そして、そのために使用するツールのことを「MAツール」と呼びます。
手動で行っていた業務を自動化することで、リソースを削減できる上にミスをしにくくなるため、多くの企業で導入が進んでいます。また、スマホやインターネットの普及によってマーケティング施策が複雑化したことも、MAツールの需要が増している要因のひとつです。
MAツールが注目されている背景
MAツールが注目されている背景として、以下の3つが挙げられます。
- 顧客接点の拡大
- バイヤージャーニーの変化
- サードパーティクッキーの廃止
それぞれについて詳しく解説するので、MAツールの必要性について理解を深めましょう。
顧客接点の拡大
従来は、テレビや新聞の広告などを通じて顧客との接点を持つマーケティング手法が一般的でした。しかし、近年ではインターネットの普及により、顧客に認知してもらう手段の幅が広がっています。検索エンジン・SNS・動画プラットフォーム・口コミサイトなどで自ら情報収集する顧客が増えています。
マーケティング活動においては一方的な情報発信だけでなく、顧客が求めているタイミングで適切な情報を提供することが求められています。そういった背景から、MAツールの活用が注目されているのです。
バイヤージャーニーの変化
バイヤージャーニーとは、顧客が商品・サービスを購入するまでの一連の行動プロセスのことを指します。このバイヤージャーニーが変化していることも、MAツールが注目されている背景のひとつです。
従来は営業マンが商品・サービスを顧客に売り込み、購入に至るケースが主流でした。店舗で商品を購入する際にも、前情報がほとんどない状態の顧客が店舗で商品の存在を初めて認知し、購入を検討する場合が大半でした。
一方で、現在では購入前の段階で顧客自ら情報収集を行っているケースが多いことが分かっています。また、商品やサービスの価格以上に、購入するという体験そのものに価値を感じる顧客が増加しています。そのため、MAツールの活用により、顧客1人1人に合ったアプローチをする必要性が増しているのです。
サードパーティクッキーの廃止
2024年のうちにサードパーティクッキーが廃止されることが決まっており、マーケティング施策に影響を及ぼすことも、MAツールが注目されている要因として挙げられます。
(引用:https://privacysandbox.com/intl/ja_jp/open-web/#the-privacy-sandbox-timeline)
サードパーティクッキーとは、「ユーザーが訪問したWebサイト内で第三者から発行されるクッキー(ユーザー情報を含むデータ)」のことを指します。
サードパーティクッキーが廃止されると、他社のデータを活用できなくなり、現在多くの企業が出向しているリターゲティング広告を使えなくなります。なお、リターゲティング広告とは、自社Webサイトを訪問した顧客が別のWebサイトを訪れた際に表示させる、自社商材に関する広告のことです。
サードパーティクッキーの廃止により他社のデータを活用できなくなると、効率的なマーケティング活動のためには自社で顧客データを蓄積することが求められます。その際には、MAツールの活用が必要不可欠だと言っても過言ではありません。
MAツールの機能・できること
MAツールに搭載されている機能は、以下の表のとおりです。
これらの機能を活用することで、大きく分けて以下の3つのことができるようになります。
- 見込み顧客の「獲得」
- 見込み顧客の「育成」
- 見込み顧客の「選定」
それぞれについて詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
見込み顧客の「獲得」
MAツールの以下の機能を活用することで、見込み顧客の獲得につながります。
- ランディングページ・フォーム作成
- レポーティング・分析機能
- 広告連携機能
消費者に刺さる効果的なランディングページを作成し、フォームから問い合わせを促せます。また、広告連携機能を使うことで、成果の出ている広告を分析・改善できます。そして、これらの施策によって得たデータをレポートティングすれば、効率的に見込み顧客を獲得できるでしょう。
見込み顧客の「育成」
見込み顧客を育成する際に有効なMAツールの機能は、以下の2つです。
- シナリオ作成
- メール配信
「広告をクリックした見込み顧客に対してメールでクーポンを送付する」などのシナリオを用意し、シナリオに沿ってメールを配信することで、見込み顧客を顧客へと育成できるでしょう。人力で行うよりもリソースを抑えられ、かつ多くの顧客にアプローチできるのが嬉しいポイントです。
見込み顧客の「選定」
見込み顧客の選定をする際には、MAツールの以下の機能を活用できます。
- リード管理
- スコアリング
リード管理機能によって見込み顧客の情報を一元管理し、スコアリング機能によって確度の高そうな見込み顧客を抽出できます。優先順位をつけてアプローチできるため、成果を上げやすくなるのも魅力のひとつです。
MAツールとCRM / SFAとの違い
マーケティング活動に効果的なMAツール以外にも、CRM・SFAといった営業活動を効率化するためのツールを導入する企業が増えています。それぞれの違いは以下のとおりです。
ここでは、SFA・CRMの特徴について解説します。
SFAとは
SFA(営業支援システム)は、顧客ごとの営業プロセスの進捗管理や、営業活動に関する業務の自動化などができるツールです。MAツールは見込み顧客を獲得・育成・選定するためのものであるのに対し、SFAは商談開始から受注までを支援するという違いがあります。
SFAを上手に活用すれば、営業担当者の負担を抑えられる上に全体の状況を一目で把握できるためマネージャー職の人が指導しやすくなり、営業活動全般に好影響をもたらします。結果として、受注数や売上高の向上が期待できるでしょう。
CRMとは
CRM(顧客管理システム)は、商談~受注までをサポートするのに効果的なツールです。顧客との円滑なコミュニケーションを取るための機能が充実しています。具体的には、既存顧客の情報や過去の取引内容などを管理できます。
その他にも、顧客から寄せられた問い合わせ内容を蓄積し、今後の営業活動に活かせる機能も搭載されている場合が多いです。なお、CRMの中には、先述したSFAの機能が内包されているものもあります。
MAツールの導入効果・メリット
MAツールの活用には、以下の2つの効果・メリットがあります。
- 興味度の高い見込み顧客が判断できる
- マーケティング施策の自動化ができる
実際にMAツールを導入することで、どのような効果やメリットを得られるのかイメージしにくい人は、ぜひ参考にしてください。
興味度の高い見込み顧客が判断できる
MAツールを導入するメリットとして、興味関心の度合いを推測したり、どのサービスに対して興味を抱いているのかを分析したりできます。「自社Webサイトを訪れた」という情報だけでは興味の度合いや対象となるサービスまで特定することはできませんが、MAツールで顧客の行動ログまで分析することで、予測を立てられます。
そのため、興味関心が強い顧客に優先的にアプローチしたり、興味関心を抱いている分野を予測した上で接触を図れたりします。結果として、見込み顧客を獲得・育成しやすくなるでしょう。
マーケティング施策の自動化ができる
MAツールにはメール配信機能や広告連携機能が搭載されているため、マーケティング施策を自動化できます。人件費を抑えられる上に、ミスが起こりにくくなるというメリットを得られます。手動で行うよりも多くの行動を起こせるため、効率的な点も嬉しいポイントです。
また、以下のようにシナリオを設定しておくことで、顧客の状況に合ったメールを送れます。
- ウェビナーに申し込み、当日参加した顧客→サンクスメールを配信する
- ウェビナーに申し込み、不参加だった顧客→録画した映像をメールで配信する
このように、リソースを抑えながらも効果が期待できるメールを配信できるため、マーケティング活動を効率良く進められるでしょう。
まとめ
MAツールは、マーケティング活動の効率化・自動化をするためのツールです。顧客が商品やサービスを購入するまでのプロセスが変化したことや、サードパーティクッキーが廃止されることを背景に、多くの企業から注目を集めています。
MAツールにはリード管理・スコアリング・メール配信などの便利な機能が搭載されており、活用することでアプローチする顧客に優先順位をつけたり、自動でマーケティング施策を行えたりします。
なお、以下の記事ではおすすめのMAツールを10個比較しています。本記事を通じて「MAツールを導入したい!」と感じた人は、読んでみてください。