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2025.06.15

顧客ニーズのヒアリング力を高める方法|売れる営業が実践する聞き方とは?

#営業#お悩み#営業HOWTO

売れる営業マンは、ただ質問をするのではなく、適切な聞き方を実践することで、顧客の本質的なニーズを引き出し、最適な提案へとつなげています。

では、どのような聞き方をすれば、より深いヒアリングができるのでしょうか?

本記事では、売れる営業マンが実践している「聞き方のコツ」を詳しく解説します。

Sales Markerは、AIを活用した商談解析とフォロー営業の最適化も可能なサービスであり、営業担当者が蓄積した商談データを活かして、ヒアリングの質を改善できます。

これにより、商談の振り返りや最適なフォローアップ戦略の策定が可能となり、成約率の向上につながることが期待できます。

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営業におけるヒアリングの重要性

営業において、「話す力」はもちろん重要ですが、より成約率を高めるためには「聞く力(ヒアリング力)」が重要なことを理解しましょう。

ここでは、営業におけるヒアリングの重要性について3つ触れていきます。

成約率を上げる営業は「話す」より「聞く」

営業というと「話し上手であること」が成功のポイントと思われがちですが、実際に成果を上げている営業ほど「顧客の話を聞く時間」が長いと言われています。

売れる営業は、自分の話をする前に、まず相手のニーズをしっかり引き出すことに注力しています。営業の本質は「自社の商材を売ること」ではなく、「顧客の課題を解決すること」を再認識することが大切です。

そのためには、顧客自身も気づいていない問題を明確にし、それに対する解決策を提案できる「ヒアリング力」が重要となってきます。

的確な提案につなげる

営業において、顧客が求めているものを的確に理解し、最適な提案を行うことが成約につながることを既に理解している人も多いでしょう。

しかし、多くの顧客は自分の課題を明確に言語化できているとは限らないです。むしろ、「何となく不便だ」「もっと良い方法があるのでは?」と感じつつも、具体的にどこが問題なのか、どのような解決策が必要なのかを整理しきれていないケースがあります。

ここでヒアリングが重要になってきます。顧客の話をじっくり聞き、適切な質問を投げかけることで、顕在化している課題だけでなく、顧客自身も気づいていない「潜在的な課題」を明らかにすることができます。

無駄な営業を防ぐ

ヒアリングを適切に行わないと、商談の方向性がずれてしまい、最終的に成約につながらないケースが多くなるため注意しましょう。ヒアリングが不足した状態で商談を進めると、次のような問題が発生しやすいです。

顧客のニーズとズレた提案をしてしまう
無駄な商談を続けてしまう
競合との比較で負ける

このような事態を防ぐために、ヒアリングで顧客の状況や課題、意思決定プロセスを正しく把握することが必要です。

売れる営業マンが実践する聞き方

ここでは、売れる営業マンが実践している「聞き方」のポイントを紹介します。

オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを使い分ける

売れる営業は、質問の仕方を意識しています。場面に応じて「オープンクエスチョン」と「クローズドクエスチョン」を適切に使い分けることで、商談をスムーズに進めることが可能となります。

 

オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン

【オープンクエスチョン(自由に回答できる質問)】

  • 「現在の業務フローで、特に改善したい点はありますか?」
  • 「どのような理想の状態をイメージされていますか?」

 

【クローズドクエスチョン(YES/NOや選択肢のある質問)】

  • 「現在のシステム運用は、手作業が多い状態ですか?」
  • 「導入時期は〇月頃を予定されていますか?」

 

NGな質問として「〇〇の導入は必要ですよね?」と聞いてしまうと、顧客は「はい」か「いいえ」でしか答えられず、会話が広がらないことが想定されます。

そこで、「現在の〇〇業務で、負担に感じる点はありますか?」とオープンクエスチョンを使うことで、顧客の課題や本音を引き出しやすくなります。

その上で、「その負担の原因は、システムの操作性でしょうか?それとも人手不足でしょうか?」とクローズドクエスチョンで具体的なポイントを絞り込むことで、スムーズな商談につなげることができるでしょう。

またお金周りの質問をする際は慎重に言葉を選ぶようにしましょう。

「予算はありますか?」とクローズドクエスチョンを冒頭で聞くことによって具体的な金額の返答があった場合は、一度口にした金額から変更することが難しくなってしまう傾向にあります。

 

顧客の言葉を引き出す「沈黙を恐れない」

営業の場面では、会話が途切れることを恐れて、つい余計な情報を付け足してしまいがちです。しかし、売れる営業マンは「沈黙」を意図的に活用し、顧客が考え、自分の言葉で話す時間を作ることを意識していることがあります。

顧客が悩んでいるタイミングで「導入に迷われていますか?他社の事例もご紹介しましょうか?」とすぐに追加情報を投げると、本当の懸念点を話す機会を奪ってしまう可能性も発生します。

さらに、沈黙の間に顧客が意思決定を考えている場合、そこに強く押しの営業をすると、かえって「押し売り感」が強まり、逆効果になりかねないです。

時には「引きの営業」も意識し、顧客がじっくり考えられるように余白を作ることも大切です。「沈黙=ネガティブなもの」ではなく、「顧客が答えを導き出すための時間」だと捉え、焦らず待つ姿勢を持つことが、質の高いヒアリングにつながることでしょう。

具体的な数字や事例を使う

売れる営業マンは、顧客が課題を具体的に考えやすいように、数字や事例を提示しながらヒアリングを行っています。

「現在の業務でどれくらい時間がかかっていますか?」と聞くよりも、「類似企業では、〇〇の業務に1日3時間かかっているケースが多いのですが、御社ではどのくらいですか?」と具体的な数字を入れることで、顧客はよりリアルに自社の状況を考えやすくなります。

成功事例を交えて質問するのも効果的だったりします。「ある企業では、このツールを導入することで業務時間が30%削減されました。御社でも同じような課題を感じている部分はありますか?」と聞くことで、顧客は自分ごととして捉えやすくなったりもします。

 

具体的な数字や事例を使う

顧客を主語にして進行する

売れる営業マンは「自社が何を提供できるか」ではなく「顧客がどうなるか」といった顧客を主語に物事を考え話すことを徹底しています。

NG例として「弊社のシステムは業界No.1のシェアを誇り、多くの企業に導入されています」などと冒頭で伝えてしまうと、顧客にとっては関係のない話になってしまっている可能性が懸念されます。

一方で「貴社の業務フローに当社のシステムを導入すると、データ入力の時間が30%削減され、より戦略的な業務に集中できるようになります」などと伝えれば、顧客の目線で「どう役立つのか」が明確になり興味を持ってもらいやすいでしょう。

「自社のこと」ではなく、「顧客の未来」を語ることによって相手に伝わる印象は大きく変わります。 常に相手を主語にして話し、顧客目線での提案を心がけましょう。

共通認識が取りやすい言葉を使う

営業においては、専門用語や業界特有の言葉を使いすぎると、相手との認識にズレが生じ、誤解を招く原因になりかねないです。

同じ単語でも会社や業界によって意味が異なることがあるため、「自分の伝えたいこと」と「相手の受け取り方」にギャップが生まれないよう、共通認識の取れる言葉を意識することが大切になってきます。

「受注」という言葉ひとつをとっても、企業によって定義が異なることがあります。ある会社では「契約が締結された時点」を指す一方で、別の会社では「納品後に正式な発注が確定したタイミング」を指すケースです。

このような曖昧さがある場合、「今回の商談では、『受注=契約締結のこと』として話を進めますね」といった形で、事前に言葉の定義を明確にすることで、スムーズなやり取りが可能になるでしょう。

専門用語を多用するのではなく、誰が聞いても分かりやすい言葉を選び、必要に応じて言葉の定義を事前に整理することも売れる営業マンになるためには必要でしょう。

顧客からのヒアリング情報を管理する方法

ここでは、ヒアリング情報を管理するためにExcel(エクセル)管理とCRM(顧客管理システム)の活用について、それぞれの特徴やメリットを紹介します。

Excel(エクセル)を活用した管理方法

Excelは、シンプルかつ手軽にヒアリング情報を管理できるツールとして、多くの企業で活用されているため導入ハードルは低いでしょう。

カスタマイズが容易であり、特別なシステム導入の必要がないため、小規模な営業チームやスタートアップ企業でもすぐに導入しやすいのが特徴です。

Excelを活用する場合、以下のような情報を整理しておくと、後の商談や提案に役立てやすいです。

 

  • 基本情報(会社名・担当者名・役職・部署・連絡先)
  • 商談の経緯(アプローチ方法・ヒアリング日・商談の目的)
  • 顧客の課題・ニーズ(抱えている問題点・解決したいこと)
  • 希望条件(予算・納期・導入希望時期)
  • 競合の動向(他社サービスの利用状況・比較検討のポイント)
  • 次のアクション(次回商談の予定・フォローアップ内容)

 

Excelのテンプレートを作成しておけば、営業担当者は商談ごとに項目を埋めるだけで、情報の一元管理が可能になるため便利です。

選択肢をあらかじめ設定した「はい・いいえ」形式の質問を用意しておくと、ヒアリングの抜け漏れを防ぎやすくなるためおすすめです。

CRM(顧客管理システム)を活用した管理方法

CRMでは、Excelで管理できる基本情報に加えて、以下のような情報も一元管理できます。

  • 対応履歴の記録(過去の商談内容・メールや電話のやり取り)
  • アクション管理(次回の商談予定・タスクのリマインダー設定)
  • 顧客のステータス管理(見込み顧客・商談中・成約済みなど)
  • 営業チーム間でのリアルタイム情報共有
  • 分析・レポート作成(成約率の分析・商談の傾向を可視化)

 

CRM

 

CRM活用のメリットとしては以下の4つが挙げられます。

  • 顧客情報をリアルタイムで更新・共有できる
  • 過去の商談履歴や対応履歴をすぐに確認できる
  • 顧客ごとのフォローアップが抜け漏れなく管理できる
  • データ分析を活用し、営業活動の改善につなげやすい

 

顧客のニーズを正確に把握し、最適な提案を行うためには、ヒアリング情報を適切に管理し、営業活動に活用できる形で蓄積することが必要となってきます。

どちらの方法を選択するにせよ、重要なのは「情報を貯めるだけでなく、活用すること」です。適切な管理方法を選び、ヒアリング情報を営業の成果につなげていきましょう。

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ヒアリング力を鍛えるための実践トレーニング

営業において、ヒアリング力は後天的に鍛えることができるスキルの一つと言われています。ここでは、実践的にヒアリング力を鍛えるための3つのトレーニング方法を紹介します。

先輩の見本を学ぶ

ヒアリングを上達させるためには、まず「良い手本に触れること」が重要でしょう。社内にヒアリングが得意な先輩や上司がいる場合は、同行営業に参加し、実際の会話の流れや質問の仕方を観察することで、多くの学びを得ることができます。

また、最近では社内研修や営業支援ツールを活用して、トップ営業の商談を録画・共有している企業も増えています。そうした動画を活用し、成功しているヒアリングの流れを繰り返し視聴しながら、自分のスタイルに落とし込んでいくことも有効的です。

もし社内に参考になる人がいない場合は、外部の営業セミナーやウェビナーを活用して、「売れる営業のヒアリング技術」を学ぶのも一つの手段です。

ロールプレイングで実践練習を積む

スポーツや楽器の習得と同じように、ヒアリングの上達には「反復練習」が欠かせないです。上司や先輩に顧客役を演じてもらいながら行う「ロールプレイング(ロープレ)」は、効果的なトレーニングの一つでしょう。

ロープレのポイントは、「どこが良かったのか」「どこを改善すべきか」をフィードバックしてもらうことに重点を置くことです。さらに、スマートフォンで録画し、自分のヒアリングの様子を客観的に分析することで、改善点が見えやすくなります。

次のようなチェックポイントを意識しながらロープレを行うと、より効果的なトレーニングにつながるため参考にしてみましょう。

 

  •  適切なオープンクエスチョンを使えているか?
  • 顧客の発言に対して深掘りした質問ができているか?
  •  顧客の発言を「言い換え」て理解を確認できているか?

実際の商談後に振り返りを行う

ヒアリング力を鍛える上で、商談後の振り返りも非常に重要です。多くの営業は、商談後に次のアクションばかりを考えがちだが、ヒアリング力を向上させるためには、「どこが良かったか?」「どこを改善すべきか?」を自己分析する時間を設けることが欠かせないです。

具体的には、以下のようなポイントを振り返るとよいでしょう。

 

  •  顧客の本当の課題を引き出せたか?
  • 自分の質問の仕方に問題はなかったか?
  • 提案につながる情報を十分に得られたか?
  • 顧客が納得している様子だったか?

 

また、可能であれば商談の音声を録音し(※顧客の許可が必要)「自分の話し方がどうだったか」「質問の仕方に改善点はないか」をチェックすると、より効果的な振り返りができます。

この振り返りを継続することで、毎回の商談が「次に生かせる学びの場」となり、ヒアリング力が飛躍的に向上していくことでしょう。

本記事のまとめ

近年、消費者の情報収集力や比較検討のレベルは大幅に向上しており、従来のように営業側から一方的に商品やサービスを提案するだけでは、成約に結びつきにくくなっています。

顧客自身が多くの情報を持ち、選択肢を比較検討できる環境が整っているからこそ、営業には「ただ売る」のではなく、顧客が本当に求めているものを引き出し、それに応じた最適な提案をする力が求められています。

更に顕在化しているニーズだけではなく、顧客自身もまだ気づいていない「潜在的な課題」を引き出せる営業マンは、今後ますます重宝されるでしょう。

表面的なヒアリングにとどまらず、適切な質問を投げかけ、深掘りしながら、顧客の本質的なニーズを明らかにできる営業こそ、成約率の向上だけでなく、長期的な関係構築にもつながっていくはずです。

顧客との対話を大切にし、より価値のある商談を実現するために、ヒアリング力を高めることを意識していきましょう。

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