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2025.05.30

営業のヒアリング力を高める4つの戦略|顧客のニーズを正確に把握する方法を紹介

#営業#お悩み#営業HOWTO

近年では、営業職に限らず、マーケティングやカスタマーサポート、プロジェクトマネジメントなど、顧客やチームメンバーとのコミュニケーションが求められるあらゆる職種においてもヒアリングスキルの重要性が増しています。

質問をするだけではなく、顧客の言葉の裏にある課題や意図を正しく理解し、適切な対応を行うことが求められる時代になっています。

本記事では、営業のヒアリング力を高めるための4つの戦略を解説し、顧客のニーズを正確に把握する方法を紹介します。

ヒアリングスキルとは

ヒアリングスキルとは、顧客が抱えている課題を引き出すことを目的としたコミュニケーションスキルです。

営業の現場では、顧客自身が自社の課題を明確に言語化できていないケースも多く、的確なヒアリングができなければ、表面的な情報しか得られず最適な提案ができません。

そのため、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを使い分け、顧客の思考を整理しながら本質的な課題を引き出す力が求められます。

ミスコミュニケーション

ミスコミュニケーションとは、情報の伝達や認識にズレが生じることで、本来意図していた内容が正しく伝わらない状況を指します。

 

これは「発信者」と「受信者」の間で解釈の違いが生じることによって発生し、誤解や認識の齟齬(そご)によるトラブルの原因となることが多くあります。

 

営業において顧客の要望を正しく聞き取れなかった場合、提供する提案が顧客のニーズとズレてしまい、成約の機会を逃すことにつながります。社内のコミュニケーションにおいても、指示の意図が正しく伝わらず、業務の遅れやミスを引き起こすこともこれに該当します。

ミスコミュニケーションが発生する主な原因として、以下のようなものがあります。

ミスコミュニケーション

 

これを防ぐためには、「ヒアリング力を高めること」「認識をすり合わせる習慣を持つこと」「適切な伝達手段を選ぶこと」の3つが重要です。

営業ヒアリング力を向上させる具体的な戦略

ここでは、営業のヒアリング力を高めるための具体的な方法を4つ紹介します。

質問の質をあげる

顧客との会話を充実させるためには、質問の仕方が重要になります。特に、オープンクエスチョンを適切に活用することがポイントです。

相手が自由に答えられる質問を投げかけることで、顧客自身も気づいていなかった課題やニーズを引き出すことができます。

一方で、クローズドクエスチョンは、具体的な情報を整理するために有効です。例えば、「現在の業務で課題を感じていることは何ですか?」という質問で話を広げた後、「現行システムは他の部署でも使われていますか?」といったクローズドクエスチョンで詳細を確認すると、より明確な情報を得ることができます。

また、質問の順番にも工夫が必要です。いきなり本題の営業の側面の質問をすると、顧客が警戒してしまうことがあります。そのため、まずは話しやすいテーマから入り、徐々に深掘りしていく流れを作ると、スムーズに会話を進めることができます。

最初に「現在のお仕事の状況をお聞かせください」と広い話題で始め、その後「最近特に改善したいと考えている課題はありますか?」と問いかけることで、より具体的な課題を引き出すことができます。

 

質問の質をあげる

相手が話しやすい環境を整える

ヒアリングがうまくいくかどうかは、相手がどれだけ話しやすいと感じるかにも大きく左右されます。信頼関係が築けていないと、顧客は本音を話しにくく、重要な情報を引き出すことができません。そのため、まずは会話の雰囲気を整え、顧客が安心して話せる環境を作ることが大切です。

そのために有効なのが、相槌やリアクションの取り方です。ただ質問を投げかけるだけではなく、「なるほど」「確かに、それは大変ですね」と共感を示すことで、相手は自分の話をしっかり聞いてもらえていると感じ、さらに深い話をしてくれるようになります。

その際に「それは具体的にどのような場面で感じますか?」といった形で相手の発言を受け止めながら、次の質問につなげることで、自然な流れで会話を進めることができます。

さらにヒアリングに慣れてきた場合は、「オウム返し」のテクニックも相手は話しやすい環境だと認識してもらう為にも効果的です。

非言語の情報も活用する

営業では、顧客の言葉だけでなく、表情や態度などの非言語コミュニケーションからも重要な情報を得ることができます。

言葉では「特に問題はない」と言っていても、視線をそらしたり、口調が変わったりする場合は、本当は何かしらの懸念を抱えている可能性があります。こうした変化に気づくことで、より適切な質問を投げかけることができ、顧客の本音を引き出しやすくなります。

また、自分自身のボディランゲージも意識することが重要です。適度に前のめりになりながら相手の話を聞くと、「関心を持っている」という姿勢が伝わり、会話がスムーズになるでしょう。

声のトーンも話すスピードを相手に合わせることで、親近感を持たせ、よりリラックスした雰囲気を作ることができます。

ヒアリングを広げすぎない

ヒアリングの際に情報を集めすぎてしまい、結局何が重要なのか整理できなくなるケースを経験したこともあるのではないでしょうか。

顧客の話を深く聞くことは大切ですが、すべての情報が商談に必要とは限りません。そのため、あらかじめヒアリングの目的を明確にし、要点を整理した上で質問の大枠を決めておくことが重要です。

「現状の課題」「導入の意思決定プロセス」「予算感」といった主要なポイントを事前に整理し、ヒアリングを進めることで、無駄な情報に流されることなく、商談をスムーズに進めることができます。

情報を広げすぎず、本当に必要なポイントに絞ることを意識しましょう。

営業ヒアリング力が低い人の特徴

ここでは、営業ヒアリングが苦手な人に共通する5つの特徴と、その改善策を解説します。

自社製品を先に売り込もうとする

ヒアリングが苦手な営業担当者は、顧客の話を聞く前に自社のサービスや商品の説明を始めがちです。「この機能が優れています」「競合より安いです」と一方的に話してしまうと、顧客のニーズを見極める前に商談が終了してしまうこともあります。

重要なのは、顧客がどのような課題を抱えているのかを理解することです。改善策として、まず顧客の現状を把握する質問を投げかけ、関心を示したポイントに対して提案を行う流れを意識しましょう。

商談の冒頭で「現在、業務で課題に感じていることはありますか?」と聞き、顧客の興味に沿った説明をすることで、話がスムーズに進みます。

顧客の話を最後まで聞かずに遮ってしまう

話の途中で営業側が割り込んでしまうと、顧客は「聞いてもらえていない」と感じ、商談の場がぎこちなくなります。

結論を急ぐあまり「それならこの商品が最適です!」と話を遮ると、顧客は十分に話をする前に押し売りされていると感じ、関心を失うことがあります。

改善策としては、相手の話を最後まで聞き、必要なら数秒の間を置くことです。話の終わりに「なるほど、その点が課題なのですね」と相槌を打ちつつ、話を整理して返すことで、顧客も「しっかり聞いてもらえている」と感じ、信頼関係の構築につながります。

一問一答で終わってしまい、深掘りしない

準備した質問をただ順番に聞くだけでは、顧客の本音を引き出せません。

「現在の課題は何ですか?」と聞いて「コスト削減」と回答があった場合、「具体的にどのコストを削減したいのか」「削減した後、どのような状態が理想的なのか」といった追加の深掘りが必要です。

これができないと、表面的な情報しか得られず、本質的で効果的な提案ができません。改善策として、「なぜ?」を繰り返しながら掘り下げる意識を持ちましょう。

顧客の質問に的確に答えられていない

ヒアリングというと「聞く力」ばかりが注目されがちですが、実は「聞かれたことに対して明確に答える力」もヒアリング力の一部です。

よくあるケースとして、「金額はいくらですか?」という質問に対し、価格の背景やサービスの価値を長々と説明してしまい、結局肝心の金額が伝わらないというものがあります。

もちろん、価格の根拠を伝えることは重要ですが、まずは「〇〇円です」と結論を端的に伝え、その後で補足を加える方が、相手にとってわかりやすくなります。

営業では、「結論を先に、理由は後に」というフレームワークを意識することが大切です。「このサービスの価格は〇〇円です。理由としては〜」という順序で回答すれば、相手もスムーズに理解できます。

顧客が求めているのは、あくまで明確な情報です。質問の意図を正しく捉え、シンプルに答えることを意識しましょう。

メモを取りすぎてしまう

ヒアリング中にメモを取ることは重要ですが、メモに集中しすぎると、顧客とのコミュニケーションが疎かになり、信頼を損なうことがあります。

最近はノートPCでメモを取ることも増えましたが、パソコンを操作しながら話を聞く姿勢は、顧客に対して「本当に話を聞いているのか?」と疑念を抱かせる要因になります。

対面での商談では、なるべく目線を合わせて話を聞くことが大切です。顧客の表情やトーンを読み取りながら会話を進めることで、より深いニーズを引き出すことができます。

どうしてもメモを取る必要がある場合は、短いキーワードに留め、必要に応じて「少しメモを取らせてください」と一言添えると、相手の印象を損なわずに済みます。

 

また、可能であれば別の人が同席してメモを取る、あるいは録音機能を活用するなどの工夫をすることで、顧客とのコミュニケーションを優先しながら情報を正確に記録することができます。

顧客のニーズを正確に把握する方法

顧客のニーズを把握するための手段として、顧客に直接聞くことが一番に思い浮かぶと思いますが、顧客自身が自分の課題を明確に言語化できていない場合もあります。

その場合には、以下の3つの方法を参考にしてみてください。

事前リサーチを徹底し、仮説を立てる

商談前に顧客について情報を収集することは、的確なヒアリングを行うための第一歩です。

  • 業界全体の動向
  • 企業の事業内容
  • 直近のニュース
  • プレスリリース
  • 担当者のSNS情報

 

などを事前調査し、顧客が抱えている可能性のある課題を想定しておきましょう。

過去の商談履歴や同業他社の事例をもとに、「この企業は〇〇に課題を持っているのではないか?」といった仮説を立てることも重要です。

大体のニーズは 「業務効率を上げて作業負担を減らしたい」という担当者目線の工数削減の話と、「数値目標を達成し、売上を向上させたい」という経営視点の話に大きく分かれることが多いです。

なので、どちらの方向性がニーズとして強いのかを仮説として持っておくと、適切な質問がしやすくなります。

このように、事前に仮説を立てたうえで商談に臨むことで、顧客との会話のラリーを想定でき、当日は質問の質を向上させ、的確な提案につなげることが可能になります。

態度やトーンからもニーズを読み取る

顧客の本音を引き出すには、発言内容だけでなく、態度やトーンにも注意を払うことが重要です。時計を頻繁に見るやスマートフォンをチラ見するなどの行動を感じた場合は要注意です。次の予定の時間が迫っているか、話に関心がないサインの可能性があります。

この場合「ここまでで気になる点はありますか?」と問いかけ、関心を引き戻すと良いでしょう。次の会議の時間が迫っている可能性もあるので、一区切りついた場面で解散する配慮も忘れないようにすることは営業マンにとっては大事です。

また、質問が積極的に出るかどうかも顧客の関心度を示す指標です。

  • 「具体的な機能は?」
  • 「導入事例は?」
  • 「導入費用・初期費用は?」

 

などと質問してくる場合は、前向きに検討しているサインです。言葉だけでなく、行動や態度にも注意を払いながら、的確なアプローチを行うことが商談成約率をあげるポイントです。

ニーズを整理し、認識のズレを防ぐ

ヒアリングを行った後は、顧客の発言内容を整理し、ニーズを明確にすることも重要です。多くの情報を得たとしても、それを適切にまとめられなければ、最適な提案にはつながりません。以下の手順で整理すると、スムーズに次のステップへ進めることができます。

  • ヒアリングの要点をまとめる

「本日の商談で伺った内容を整理すると、〇〇という課題があり、それを解決するために△△を求めている、という理解でよろしいでしょうか?」と確認することで、顧客と認識のズレを防ぐことができます。

 

  • ニーズの優先度を確認する

「課題として挙げていただいた〇〇と△△のうち、どちらがより優先度が高いでしょうか?」と質問し、顧客が最も重要視しているポイントを明確にしましょう。

 

  • 次のアクションを提示する

「次回は、〇〇の具体的な提案をさせていただく予定です」と伝えることで、商談の進行をスムーズにし、成約につなげやすくなります。

Sales Markerは、顧客のニーズを的確に捉え、最適なタイミングでのアプローチを実現するインテントデータを活用しています。

従来の営業では、手当たり次第のアプローチや膨大な情報の管理が課題となりがちですが、Sales Markerなら興味・関心が高まった企業をリアルタイムで検知し、最も効果的なアクションを自動化できます。

営業の効率化と成約率向上を同時に実現する仕組みをより詳しく知りたい方は、ぜひサービス資料をご覧ください。

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本記事のまとめ

ヒアリング力が高い営業マンは、「顧客にとって本当に価値のある解決策」を提示できるようになります。その結果、信頼関係が深まり、長期的な取引やリピートにつながる可能性も高まるでしょう。

一方で、ヒアリング力が低い営業マンは、顧客のニーズを正確に把握できず、的外れな提案をしてしまうことが多くなります。さらに、顧客が本当に求めていることを理解せずに話を進めると、不信感を抱かれ、競合他社に流れてしまうリスクもあります。

営業の成果を向上させるためには、ヒアリング力の向上が欠かせません。この記事で紹介したスキルを意識的に実践し、適切な質問の仕方や傾聴力を鍛えることで、より深いニーズを引き出せるようになります。

ヒアリング力を高めることは、情報を集めることではなく、顧客との関係を強化し、成果を生み出すための重要な要素です。継続的にスキルを磨き、営業力の向上につなげていきましょう。

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