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2024.09.04

リードナーチャリングとは?手法や導入する際の3つのポイントを解説

BtoBビジネスにおいて、リード獲得後すぐに商談・受注へと繋がるケースは少なく、ほとんどのリードは競合他社との比較検討が始まります。その比較検討で候補に残れば顧客化となる可能性がありますが、決して簡単ではありません。

そこで重要となるのが「リードナーチャリング」です。

本記事では、リードナーチャリングの概要や手法について詳しく解説します。今日からリードナーチャリングを実施できる記事となっていますので、最後までご覧ください。

リードナーチャリングとは?

リードナーチャリングとは、マーケティングで獲得したリードに対して継続的なアプローチを行い購買意欲を高め商談化・受注へと繋げる手法です。

展示会や広告など様々な方法でリードを獲得しますが、自社サービスの興味関心度合いは一人ひとり異なります。初めから興味関心度合いが高い顧客もいれば、低い顧客もいるでしょう。

この興味関心度合いに応じて、中長期的にメールや架電などを利用して適切なアプローチ・施策を行い、購買意欲を高めていきます。

リードナーチャリングの役割

ナーチャリングとは「育成」を指し、見込み顧客に対して継続的に情報を提供し見込み顧客との関係を構築・購買意欲を高めていきます。そして、リードナーチャリングの役割は主に3つあります。

まずは以下の図解で商談化までのプロセスをご覧ください。

商談化へ繋げるまでには、「リードジェネレーション→リードナーチャリング→リードスコアリング」の順で商談へと繋げます。

それぞれの役割について解説します。

リードジェネレーション

リードジェネレーションとは、リード(見込み顧客)の獲得です。広告やSNSを通じて自社サービスの認知を拡大し、リードを生み出す段階です。

リードジェネレーションは単にリードを獲得することが目的ではなく、自社の顧客となる可能性を秘めているリードを獲得します。

理由としては、仮に自社サービスに対して興味関心度合いが低いリードを育成しても、商談化までに労力・時間がかかります。また、いくら時間を費やしてもホットリードとならなければリード育成の時間は無駄になります。

リードナーチャリング

リードナーチャリングは見込み顧客の育成です。リードジェネレーションで獲得したリードを育成し、自社サービスの購買意欲を高めていきます。

リードナーチャリングによる手法は後ほど解説しますが「メール」や「架電」などが挙げられます。ただし、全てのリードに対して同じ施策を行うのはおすすめしません。

なぜならリードによって興味関心度合いは異なるからです。見込み顧客ごとの興味関心度合いに応じて継続的に適切な施策を行い、購買意欲を高めていきましょう。

リードスコアリング

リードスコアリングとは、リードナーチャリングにおいて育成した見込み顧客が「自社サービスにどのくらい興味関心があるのか」を点数付け(スコアリング)をしていきます。

このリードスコアリングは「見込み顧客が商談する段階にあるか」を見極めるステップなので非常に重要です。

リードナーチャリングで一人ひとりの顧客に最適なアプローチを行なっていても、すぐに商談できるリードもあれば、育成が必要なリードも存在します。

そのため、明確な基準であるスコアリングを行なって商談へと繋げましょう。

 

ここまで紹介した「リードジェネレーション→リードナーチャリング→リードスコアリング」は良質な商談化を目指す重要なプロセスですので、それぞれの役割を理解しておきましょう。

リードナーチャリングの手法

ここからはリードナーチャリングの手法について以下3つを詳しく解説します。

  • メール
  • ウェビナー
  • 架電

メール

メールによる手法は、各リードに対してブログ記事やお役立ち資料などのコンテンツを配信して興味関心度合いを高めていきます。

リードナーチャリングにおけるメールは、低コストで手軽に始められるため取り組みやすい手法です。一方注意点として、メールによる手法は商談化やセミナーの参加を促す内容を送りがちですが、営業味が強いためNGです。

リードごとに自社サービスのノウハウやお役立ち情報、導入事例などを送付し興味関心度合いを高めていきましょう。

また、メールにおいては「開封率」や「リンククリック率」の指標でユーザーの興味関心度合いを計測することで最適なタイミングで商談へと繋げられます。

メールによるナーチャリング方法を詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。

関連記事:【例文付き】メールでのリードナーチャリング方法。効果を発揮する条件とは?

ウェビナー

ウェビナーは見込み顧客と対面でコミュニケーションを取ることができ、自社サービスの課題を直接伝えることができます。

見込み顧客が持つ課題のヒアリングをすることで最適なアプローチができるため、リードナーチャリングにおいては効果的な手法であると言えるでしょう。

また、ウェビナー開催後にアンケートを実施をすること、今後開催するウェビナーをより質の高いものにできるだけでなく、見込み顧客の興味関心度合いを計ることも可能です。

架電

リードナーチャリングにおける架電は主にインサイドセールスで行いますが、興味関心度合いが高まった顧客に対して商談打診を行う際に使用するのが一般的です。

架電を行う基準は企業によって異なりますが、「リードナーチャリングの役割」で説明したスコアリングが高い見込み顧客に対して商談打診を行います。

架電では見込み顧客の課題や状況をヒアリングできるため、顧客一人ひとりにあったコミュニケーション・アプローチが可能になります。

ウェビナーと比較してより質の高いコミュニケーションが取れるため、商談化に繋げる重要な手法で必要不可欠である手法と言えるでしょう。

リードナーチャリングを導入する際のポイント

リードナーチャリングを導入する際には以下3つのポイントを確認しておきましょう。

  1. リード数が十分か確認する
  2. MAツールを導入する
  3. KPIを設定する

1. リード数が十分か確認する

リードナーチャリングは獲得したリードに対してアクション(リードの育成)を行います。そのため、リード数が少なければ必然的にメールの開封数や商談数も少なく、データが十分に取得できません。

例えば、メールを配信してデータを取得すると仮定しましょう。

  • 10件送付して5件の開封
  • 1000件送付して500件の開封

この場合、両者ともに開封率は50%ですが変化が大きいのは10件の送付です。

極端な話ではありますが、10件程度の送付では件名やタイトルが実際に良かったのかというのは不明確です。もう10件送付すれば開封率は下がるかもしれません。

リード数が少なければ取得できるデータも少ないため、実際に「何を改善していいのか」というのは見極めにくいのです。

持っておくべきリード数に明確な基準はありませんが、なるべくリード数は持っておきましょう。

2. MAツールを導入する

リード数が多くなるほど、見込み顧客の情報管理や各リードに行う施策の工数が増え限界が出てきます。その際に、MAツールで「見込み顧客情報の一元管理」や「各リードに対する施策の自動化」が実現できます

例えば、MAツールを用いて「メール配信」を行えば、一斉配信だけでなくメール送付後に書くリードがどのような行動をしたのか確認ができます。

「導入事例のページを〇〇分見ていた」など分かれば、そのリードが自社サービスに対してどのくらい興味関心があるのか計測できます。

MAツールは自社の用途にあったモノを選びましょう。MAツールの選び方については下記記事をご覧ください。

関連記事:MAツール10選比較。3つの用途別に特徴・料金を徹底比較

3. KPIを設定する

リードナーチャリングの目的は商談獲得することであり、商談獲得から逆算してどのような施策をどれくらいの期間やればいいという「KPI」を設定しておかなければ、成果には結びつきません。

例えば、KGIを「商談数50」に設定したとしましょう。この際に、商談数50に達するためのKPIはメールによる手法であれば「メール開封率」や「メール内リンククリック率」などが挙げられます。ウェビナーによる手法であれば「ウェビナー参加率」などが挙げられます。

具体的な数字をKPIとおくことで、KGIにどの程度進んでいるのかというのが明確になるためKPIとした数値に達成していなければ、素早く改善することが可能になります。

そのため、リードナーチャリングにおいてKPIの設定は非常に重要と言えるでしょう。

KPIの設定方法について詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。

関連記事:リードナーチャリングのKPI設定方法3ステップ。KPI設定例も紹介

手法別リードナーチャリングの成功事例

リードナーチャリングの取り組み方(手法)は企業によって異なります。 ここでは手法別に下記2社の成功事例を紹介します。

  • 【メール】シンフィールド
  • 【ウェビナー】SAP HANA Customer Spotlight Program

【メール】シンフィールド

引用:シンフィールド

シンフィールドは集客支援を行う企業ですが、その方法はマンガを活用した取り組みです。

【リードナーチャリング前課題や状況】

シンフィールドではセミナーや展示会で獲得したメールを有効活用できていないことが課題とされていました。名刺を獲得しても単に持っておくだけでなく、名刺を活用するためリードナーチャリングの取り組みを始めました。

 

【実行施策】

まずは獲得した名刺をもとに営業リストを作成。リードナーチャリングの手法である「メール配信」を実施しました。

メール配信の内容は主に2種類、

  1. 定期的に配信する「お役立ち系」のメール
  2. 不定期に配信する「引き上げ目的」のメール

です。

この2つのメールにはそれぞれの役割があり、「お役立ち系」のメールは購買意欲を高めるため。「引き上げ目的」のメールは自社サービスのニーズが高い企業の抽出を行いました。

また、メール内にURLを設置しリンクをクリックした見込み顧客に対しては当日から遅くても翌日には架電を実施することで、機会損失を減少しています。

 

【成果】

定期的に配信する「お役立ち系」のメールで継続的に購買意欲を高め、架電によるアポイント成功率は10~15%に。アポイントからの成約率も5件に1件の成約を達成しています。

【ウェビナー】SAP HANA Customer Spotlight Program

引用:SAPジャパン

ドイツに本社を置くヨーロッパ最大級のソフトウェア開発会社SAPは、リードナーチャリングでウェビナーを実施、成功を収めています。

 

【リードナーチャリング前課題や状況】

SAP社では、テクノロジープラットフォーム製品である「SAP HANA」の売上拡大を目指して、SAP HANA Customer Spotlight Programを実施しました。

 

【実行施策】

SAP HANA Customer Spotlight ProgramはSAP社が提供する「SAP HANA」の導入事例を紹介し、事業拡大に成功した事例を共有します。

このプログラムは既存顧客のインタビューをもとに作成され、ウェビナーにて詳述します。

また、ウェビナーではコンテンツ発信だけでなく参加者からの質問も受け付けリードとの関係を構築します。直接質問できることで見込み顧客は導入の際の具体的なイメージができ、購買意欲を高めるリードナーチャリングに成功しました。

 

【成果】

継続的にこの施策に取り組むことでSAP社では2,600以上の登録者および700以上のウェビナー参加者を獲得。また、売上10億ドル(約1500億円)を創出しています。

まとめ

リードナーチャリングは継続的に有益な情報を提供しリードの育成を行い、商談化へと繋げる手法です。

効率的なリードナーチャリングを行うには、見込み顧客ごとに合わせた最適な手法を実施する必要があります。

本記事を参考にリードナーチャリングを実施し、商談化・売上の向上を目指しましょう。

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