この記事は約 7 分で読めます。
バンカブル 髙瀬氏、X Mile 渡邉氏、ポジウィル 金井氏、Sales Marker 小笠原、Linc’well 新貝氏
スタートアップ企業に向けファイナンスを支援する「AD YELL(アドエール)」などを提供するバンカブル社と、スタートアップメディア「FastGrow(ファストグロー)」社が共催する、急成長中のスタートアップ企業の起業家や経営者が成功体験や失敗から得た教訓を共有するイベントに当社代表取締役CEO小笠原が登壇しました。
以下、小笠原のコメントを一部抜粋しております。イベント全体のレポートに関してはバンカブル様の記事やメディア「FastGrow」様の記事ページをご覧ください。
バンカブル様の記事URL:https://vankable.co.jp/lp/contents/857
「FastGrow」様の記事URL:https://www.fastgrow.jp/articles/vankable-2403
<登壇者>
金井 芽衣氏/ポジウィル株式会社 代表取締役
1990年生まれ。短大で保育士・幼稚園教諭の免許取得後、キャリアカウンセリングに出会い、2010年に法政大学キャリアデザイン学部に編入学。卒業後はリクルートエージェント(当時)にて人材紹介の法人営業として勤務した後、2017年に国家資格キャリアコンサルタントに登録。同年ポジウィルを設立し、代表取締役に就任。現在までに総額約3億円の資金調達を実施しつつ、キャリアに特化したパーソナル・トレーニング「POSIWILL CAREER(ポジウィルキャリア)」を運営。
渡邉 悠暉氏/X Mile株式会社 Co-Founder COO
国際基督教大学(ICU)在学中に、人材系大手エン・ジャパンの新規事業企画にてHRtech(SaaS)の企画開発・営業を担当。その後、エス・エム・エス出身者が起業した創業1年目のHRtechスタートアップで、営業兼キャリアコンサルタントに従事。全社MVPを獲得。2018年7月に、エス・エム・エス出身者が起業した創業5年目のベンチャー、株式会社ネクストビートに入社。高所得層主婦向け情報メディア事業・宿泊施設向け人材支援事業の2つの新規事業を経て、2019年8月よりX Mile株式会社のCo-Founder COOとしてのキャリアをスタート。
新貝 仁那氏/株式会社Linc’well 執行役員 Chief Financial Officer(CFO) 兼 コーポレート部長
2007年4月、JPモルガン証券の投資銀行部門に入社。10年以上にわたり、同社及びゴールドマン・サックス証券二社にて、M&Aアドバイザリー、株・債券のグローバル・オファリング、またSyndicated & Leveraged Finance等の実務に従事。2020年9月より、五常・アンド・カンパニーにてIR・資金調達を担当。翌年7月より、同社のグループ戦略及びFP&Aを統括するStrategy & Analytics部門の立ち上げに従事、同部門の部長に就任するとともに、同社経営チーム(Executive Committee)に参画。 2022年8月、株式会社Linc’wellにて執行役員CFOに就任。2023年11月より、コーポレート部長を兼務。慶應義塾大学総合政策学部卒業。ペンシルバニア大学ウォートン校経営学修士。
髙瀬 大輔氏/株式会社バンカブル 代表取締役社長
事業会社のマーケターを経験後、デジタルホールディングス傘下のオプトへ入社。同グループのインハウス支援コンサルティング会社ハートラス(旧エスワンオーインタラクティブ)代表を経て、2021年4月よりバンカブルの代表取締役社長に就任。“新たな金融のカタチを創り出す”をミッションに掲げ、広告費の分割・後払いサービス「AD YELL(アドエール)」、在庫/仕入費の分割・後払いサービス「STOCK YELL(ストックエール)」を展開中。
小笠原 羽恭/株式会社Sales Marker 代表取締役 CEO
新卒で野村総合研究所に入社し、基幹システムの開発、PM、先端技術R&D、ブロックチェーン証券PFの構築、新規事業開発に従事。その後コンサルティングファームに移り、経営コンサルタントとして新規事業戦略の立案、営業戦略立案、AIを活用したDXなどのプロジェクトに従事。2021年にSales Marker(旧:CrossBorder)を創業。2022年には国内初のインテントセールスSaaS「Sales Marker」の提供を開始。ローンチから現在まで400社以上の企業さまに導入いただく。2023年、Forbes 30 Under 30 Asia List選出、一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)協議員就任。
急成長スタートアップ4社の軌跡と現状
バンカブル 髙瀬氏(以下、髙瀬氏):企業のステージと現在地に至るまでの道のりを教えてください。
Sales Marker 小笠原(以下、小笠原):弊社は約3年前に設立した会社で3期目になります。以前は「CrossBorder」という社名で、AI翻訳SaaS ※1 「Glance」を展開していました。そこで、AIと自身の営業戦略の経験をいかせば勝ち目があるだろうと考え、2年前にシードラウンドとして資金調達するタイミングで事業をピボットし、営業領域に特化しました。
さらに、「セールスインテリジェンス」という言葉をより親しみが持てる「インテントセールス」という表現に変えて発信したことで、急速に認知度が上がりました。
※1 クラウドサーバーにあるソフトウェアを、インターネットを経由してユーザーが利用できるサービスのこと。
企業成長は組織形成によって決まる?
髙瀬氏:企業成長を実現するには初期段階の組織形成が重要だと思うのですが、経営チームをどのように組織立てたのでしょうか。
小笠原:弊社の経営チームは3つの段階を経て現在に至っています。まず、第一段階は共同創業者4名です。LINEでのビッグデータ分析経験者やキーエンスで全国1位の功績をあげたメンバーを含めた4名で現Sales Markerを創業し、事業を前進させてきました。
第二段階では、ボストンコンサルティンググループでの経験や金融ファンドでのキャリアを持つCFOの上原が加わりました。
その後、第三段階でLINEヤフーのブランドデザイン本部長を務めたCDOの岡が加わり、経営体制が強化されました。第二、第三段階のメンバーに関しては、優良企業からの強力なオファーに対抗すべくオファーレターを作成し、100枚にも及ぶ提案書をプレゼンしました。その結果、逆転採用に成功しました。
“いい”投資家と出会うためのアプローチ方法
髙瀬氏:事業が急成長していくためには、投資家の方々からの支援も大きいと思います。投資家の方々に対して求めていらっしゃることはありますか。
小笠原:調達額や条件ももちろん重要だといわれていますが、私たちは投資家さまとの対話を通じて得られる気づきや成長の機会を重視しています。そのため、日々の投資家さまとの対話では、現状の報告だけでなく、次のハードルを乗り越えるための具体的な取り組みを前もって検討するよう心がけています。
髙瀬氏:そのような投資家の方々とはどのようにして出会うのでしょうか?
小笠原:最初の頃は非常に苦労しました。ベイカレント・コンサルティング出身の私には投資家の方々とのつながりが全くなく、事業立ち上げのアドバイスを受けられる経験豊富な起業家さまとの接点もありませんでした。しかし、インキュベイトファンドが主催するサーキットミーティングに選出されたことで、投資家の方々へピッチする機会を得ることができました。その際、「君は大企業向けの考え方が強すぎて、このままではスタートアップとして成功しない」と指摘されました。
そこで、その翌週に開催されたIVS(スタートアップ企業経営幹部が集まる日本最大級のスタートアップカンファレンス)に参加し、ほぼ同時期に仕事を辞めて、投資家の方々と一緒に全力で取り組むことを決意しました。この挑戦が、さまざまな投資家の方々との出会いをもたらしてくれました。
次の成長段階に向けた課題と対応策
髙瀬氏:最後のテーマになります。次の成長に向けて考えていらっしゃる課題やその向き合い方について教えてください。
小笠原:これから弊社では、採用と組織開発に特に注力する必要があると考えています。予想より速いスピードでクライアントさまが増え続けるなかで、これまでとまったく同じクオリティ、あるいはそれ以上のクオリティでサービスを提供するためには、顧客理解と細やかな調整が必要不可欠です。これを再現性高く実現できるよう、力を入れて取り組んでいます。
最近組織内で起きたこととして、業務量の増加によってメンバーが目の前のタスクに振り回されてしまうという課題に直面しました。そこで、タスクベースで業務を依頼するのではなく、目的や論点を伝えるようにしたところ、各々が自発的に最善の方法を模索するようになりました。時間の使い方の密度が高まり、問題解決がより早く進むようになったんです。このアプローチを全社に浸透させるために、上層部から少しずつ取り組んでいるところです。
以上
*イベント全体のレポートに関してはバンカブル様の記事やメディア「FastGrow」様の記事ページをご覧ください。
バンカブル様の記事URL:https://vankable.co.jp/lp/contents/857
「FastGrow」様の記事URL:https://www.fastgrow.jp/articles/vankable-2403