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ABMシステムとは?注目のBtoBマーケティング手法を導入しよう

#ABM|システム

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは、近年注目されているBtoBマーケティング手法です。潜在顧客のデータを抽出し、成約率の高い営業が可能になります。

そんなABMがどのようなシステムでできているのか説明していきます。

  • ABMとは何か
  • ABMのシステムについて
  • ABMシステムを使用するメリット
  • 導入の際に気を付けること

この記事を読めば、ABMがどのようなシステムで成り立っているか根本から理解でき、ABMへの信用度が上がります。

ABMとは

BtoBマーケティングにおいて今注目されているのがAccount Based Marketing、略してABMです。ABMは幅広い顧客にアプローチしていく従来の営業やマーケティングとは異なり、売上が最大化する顧客に対象を絞ってアプローチするので効率的なマーケティング手法といえます。

1社あたりの売上金額が少ない顧客よりも、莫大な売上を生む可能性のある顧客に優先的にアピールするのは当たり前ですが、後者には多大なリソースがかかることも事実です。そのため日頃は目の前の売上確保のために奔走し、大型顧客へのアプローチは後回しになっている企業が少なくないでしょう。

「大型顧客との取引を増やしたい」「顧客データの蓄積を活かしてポテンシャルの高い企業にアプローチしたい」と考えている企業がABMを取り入れると効率よく売上を拡大できる可能性があります。逆に新規顧客が多い、1社あたりの商談単価が低い場合はABMを取り入れることが難しく効果が出にくいため向いていません。

ABMは2003年にイギリスのマーケティングコンサルティング会社から始まったと言われています。しかし当時は価値の高い顧客を選んだり、顧客のニーズを分析し適切なタイミングでアプローチするためのデータを揃えることが難しかったので注目を集めるには至りませんでした。

近年セールスやマーケティング領域のテクノロジーが発達し、顧客データの管理やデータ分析、作業の自動化などを手軽に行えるようになりABMの環境が整ってきたことから、多くの企業が導入を検討するようになりました。

ABMツールとは

ABMを推進するならABMツールを活用しましょう。ABMツールは、ABMを用いる際に使用するソフトウェアやウェブサービスのことです。ABMを行うためには、データの収集や顧客分析、マーケターと営業の連携など取り組むべき事柄が多くあります。そのためABMツールを導入し、ABM実施のハードルを下げてマーケティング業務を効率化するのが一般的です。

ABMツールのひとつにSales Markerがあります。Sales Markerは、インテントデータと呼ばれる顧客の興味関心を表す行動データを活用することで、成約確率の高いターゲット企業を特定するツールです。加えて社内の情報を統一し有益な営業情報が作成できるので、商談率と成約率を飛躍的に向上させられます。

ABMツールはどのようなシステムなのか

ABMにおいて最も重要なステップが、ターゲティングです。高い売上が見込めるポテンシャルの高い顧客に標的を絞らなければ、ABMの効果を最大化できないからです。

ABMツールで何ができるのか、システムの大きな特徴を2つ紹介します。

独自の見込み顧客データがある

たいてい部署ごとの情報は部門ごとに管理されている場合が多く、会社全体で共有されていないケースが多いです。ABMツールを使用することで社内に散らばる情報を集約し、顧客管理を効率化することが可能に

社内の見込み顧客のデータとABMツール提供元からの膨大な企業データを組み合わせ分析することで、より成約率が高く大きな売上を期待できるターゲット企業をリストアップします。

リードを管理できる

顧客のキーパーソンや商談内容、取引履歴や名刺などの情報を集約できるので、次に取るべきアクションを考え効果的なアプローチができます。たとえば、自社のサービスにいつ興味を持ってもらったかなどを追跡したり、過去の購買履歴を確認することで顧客の購買行動を可視化できるようになります。

また行動を分析することで効果的なタイミングで、顧客が求める商品やサービスを提案できます。担当者が変わった場合などでも、前の担当者との取引を確認できるので継続的なアプローチが可能です。

MAツールとSFAツールとの違い

ABMツールと似たシステムにはMAツールやSFAツールがあり、これらはどれもABMを推進するために役立つツールです。ABMツールは顧客情報の集約とターゲット選定を行うツールと説明しました。ほかの2つのシステムでは何ができるのでしょうか。

MAツールは、顧客の購買履歴やWEB広告などでの行動履歴、興味関心を収集しそれらの情報に基づいて顧客のスコアリングをするツールです。顧客にとってどのアプローチが最適か考えるのに役立ちます。

SFAツールは、営業支援システムです。顧客の企業情報や担当情報、商談内容を社内で共有するためのツールで、営業とマーケティングの情報連携に欠かせません。SFAツールの中には案件情報の管理や売上の予実管理、営業計画などができるツールもあります。

ABMシステムを使用するメリット

ほかのマーケティング手法ではなくABMを用いたマーケティングにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ABMシステムを使用することで次の3つが期待できます。

ROI(投資利益率)が上がる

購買意欲の低い・高い企業両方にアプローチするのではなく、あらかじめターゲットを絞ってアプローチするためROI(投資利益率)が上がります。

大きな利益が望めるところだけに集中的にリソースをさけるので、効率的に利益を上げることができます。

リソースを削減できる

ターゲティングのおかげで受注確度や成約金額の低い企業に対し無駄な時間やコストを割かずに済むため、営業リソースを削減できます。ABMは多くのリソースを割かなくても、大きな利益を得られるアプローチができる効率的なマーケティング方法です。

最適なPDCAが回せる

ターゲットとなる顧客を少数に絞るため、効果測定がしやすくなります。その結果、仮説を立てる施策や実際の行動が素早くでき、改善スピードが高まるので最適なPDCAサイクルが回せるようになります。

更に詳しくメリットを知りたい場合は、こちらの記事をご覧ください。

ABMシステムを導入する方法

ABMを導入するためには社内で保有する顧客情報の統合など労力のかかるシステム環境の整備が必要です。そこでABMシステムを活用することにより、ABMの導入ハードルを下げ、ABM運用効果を最大化させられます。

ただしABMツール導入の前に「本当にABMを導入する必要があるか」を検討することも重要です。業種や会社規模、営業スタイルによってはABMと相性が悪く、ABM導入が効果的な戦略にならない場合もあります。しっかりと事前に調査をした上で、ABMシステムの導入を検討してください。

そして、自社にあったABMツールを選択することが大切です。アプローチに必要な情報を集約できるか、既存システムとの互換性や連携性などを考慮し、社員が使いこなせるツールを導入しましょう。

また社内のマーケティングデータが揃っていない場合は、MAツールやSFAツールなどABMツール以外のシステムの導入も検討しましょう。複数のツールを連携させることでより相乗効果を発揮し、より効果的なアプローチを可能にします。

ABMシステムを活用する方法

ABMシステムを用いることで、ターゲットとなる顧客のリストアップやリードの管理ができると説明しました。ではABMシステムを活用することで実際にどんな効果的なアプローチができるのでしょうか。

ターゲット企業向けの施策を実施

ターゲット企業を絞ることでポテンシャルの高い企業のみに向けた以下のようなアプローチが可能になります。

  • アクセスを解析し、次の個別アプローチの仮説検討をする
  • 繋がりのある担当者へインサイドセールスを行う
  • キーパーソンを探すためのデジタル施策を実施する
  • ターゲット企業限定のイベントを案内し、実施する
  • 自社の新商品や新サービスを先行案内する

ABMシステムの使用によって営業とマーケティングの連携がしやすくなるため、データの収集・統合がしやすくなります。戦略的なアプローチ方法でターゲットのキーパーソンと繋がりを作り、効果的なタイミングでアプローチができるようにABMシステムを活用しましょう。

まとめ

今回はABMのシステムについて紹介しました。ABMは売上が最大化する顧客に対象を絞ってアプローチするので、効率的で魅力的なマーケティング方法です。しかし企業によっては相性が悪い場合もあります。安易に導入に踏み切るのではなく慎重に検討した上で決定しましょう。

現在多くのABMツールがあるので、導入する際には解決したい課題や予算を明確にした上で自社に適したABMツールを導入することが大切です。

更に詳しくABMについて知りたい場合は、こちらの記事をご覧ください。導入事例含めて紹介しております。