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BtoB企業がTVCMを作成するメリットとは 理由や作成時のポイント/成功事例を解説

#マーケティング|ABM

近年BtoB企業もTVCMを放映するようになりました。BtoBとは企業向けに商品やサービスを提供するビジネス形態を指しています。

これまでのCMは化粧品や食品など、個人が購入する商品やサービスが多くを占めていましたが、BtoB企業もCMを放映することが多くなりました。

BtoB企業のTVCMはどうして増えているのでしょうか。またBtoB企業がTVCMを作成して売り上げを上げるためにはどんな点を意識すべきでしょうか。

BtoB企業のTVCMが増えている理由は?

BtoB企業でTVCMが増加している背景として挙げられるのが、商品やサービスが飽和し、似たようなものが世の中に溢れているからという理由です。

これまでは商品の特徴や価値などを前面に押し出すことで他社と差別化を図ることができました。しかし技術の発展などもあり、どの会社も同じような商品やサービスを提供できるようになり、商品の特徴では差別化が難しい状態です。

自社の商品の販売を考えた時に、ブランディングも兼ねてCMを作成するという戦略を取る企業が増加しました。こうした背景からBtoB企業のTVCMが増えています。

BtoB企業がTVCMを流す目的・メリットは?

BtoB企業がTVCMを放映し始めた理由としては認知度の拡大という理由が挙げられますが、それ以外にも企業ごとに設定している目的や得られるメリットがあります。

BtoB企業がTVCMを流すことでどのようなメリットを得られるのでしょうか。

企業の認知度の向上

TVCMを放映することで、企業の認知度が向上します。TVCMは数多くの顧客が目にするものなので、何度もCMを放映することで企業名の宣伝に繋がります。

BtoBとBtoCの2つの事業を持っている企業の場合だと、自社の商品を購入してくれる可能性のある顧客にも企業の名前を広げることができます。その結果、商品を見た時に「あのCMを流していた企業の商品だ」と思い出してもらうことで、商品の購入に繋がる可能性があります。

信頼の獲得

信頼を獲得するためにTVCMを作成している企業もあります。CMを放映できるということは資金力がある証拠。資金面でも信用のある企業だということを証明する目的でCMが作られます。

商品やサービスを営業先に販売する時にもTVCMを活用できます。自社のTVCMを商談の際に流すことで、「しっかりとCMを作成していて信用できる企業だ」という印象を与えられ、成約に繋がる可能性が高くなります。

ブランディング

企業のブランディングのためにTVCMを作成する企業もあります。企業が掲げているミッションやビジョンを前面に押し出したCMを作成することで、「この企業はこんな取り組みを行っているのだ」と認知してもらえます。

継続してCMを放映することで、「〇〇といえばこの企業」というブランドを確立することができます。売り上げにも貢献しますし、そのビジョンや想いに共感する人が企業の採用面接に応募したりといった影響もあります。

効果の高いBtoBのTVCMを制作するポイント

BtoB企業が効果の高いTVCMを作成するためには、どんなことを意識すればよいのでしょうか。

 

効果の高いBtoBのTVCMを制作するポイント

ターゲット・ペルソナを意識する

TVCMを作成する際はターゲットを意識しましょう。BtoCの場合だと商品を購入する顧客1人に焦点を当てれば良いですが、BtoBの場合は少し特性が異なります。

サービスの決済権は多くの場合社長が握っています。新しいサービスを導入する際は、社員から提案があり部長が吟味し役員に話を持ちかけるという流れになることが多いです。

そのため、BtoB商品やサービスのCMの場合、大きく一般社員、部長等の役職者、社長の3人のターゲットが存在することになります。

このうちのどこをターゲットにするかによって、CMで訴求する内容なども変わってきます。内容を作る前に、まずは誰をターゲットとしてCMを作成するのかを決めましょう。

そして、設定したターゲットの内面的な部分まで設定を作り込みましょう。ペルソナを設定する事で、自社商品を最も利用してほしい特定の人物を1人に絞り、その人が普段どんなことを考えているのか、どんな悩みを抱えているのか、どんな未来を手にしたいと考えているのかをピックアップしていきます。

ペルソナは商品を作成する段階で設定されていることがほとんどかと思いますが、CMを作成する際にも商品をどう訴求するかを考える際にペルソナがどんな人物かという情報が非常に役に立ちます。

起承転結を意識しストーリーを構成

TVCMを作成する際は、起承転結を意識したストーリーを構成しましょう。冒頭では顧客の悩みを浮き彫りにします。中盤でその悩みの解決策を示し、最後に問題が解決した際の姿を描きましょう。

例えば「楽楽精算」という経費精算システムのTVCM。こちらは冒頭で封入作業に追われてイライラしているという問題が解決した、理想の姿が描かれています。「楽楽精算」導入以前は請求書の整理に追われてイライラしていましたが、問題を解決することで、OLの横澤さんが急に優しくなった姿が映し出されています。

BtoB向けの商品やサービスは、ある悩みを解決するという特性を持ったものがほとんど。顧客がどんな悩みを持っていて、自社のサービスで何を解決することができ、どんな未来を手にすることができるのかを明確にして、CMのストーリーに落とし込みましょう。

ベネフィットを伝える

顧客に商品を購入してもらうためには、その商品を使うことで顧客がどんな状態になるのかを明確に描くことが大切。

例えば振ると芯が出てくるシャープペンシル。「ペンを上下に振ることで芯が出てきます」という機能の説明だけでは顧客の心を掴むことができません。

「振ると芯が出てくるので、指が疲れませんし、ペンを持ち替えず、楽に芯を出すことができます」と、その先の未来も想像させるような説明を行います。すると顧客は商品に興味を持ち買ってみたくなります。

先述の「楽楽精算」のCMの場合は、経理システムを導入することで、今までピリピリしていた経理のお姉さんが優しくなり、職場の雰囲気が和やかになった、という未来を描いています。

まずは自社商品・サービスの特徴を洗い出し、その特徴によって顧客はどのような未来を手にすることができるのかを考えます。顧客が最も手にしたいであろう未来が定まったら、CM内で理想の未来がTV越しで伝わるようにストーリーに組み込みます。

クリエイティブは最低2種類用意する

TVCMを作成する際は、2種類用意します。1種類だけだと効果測定が困難。2種類のCMを用意してデータを分析することで、どちらのCMが高い効果を得られたのか、どうして高い効果が得られたのかといった分析が可能になります。

2種類以上のCMを作成することで、次回CMを作成する際にはどこを改善すべきかが明確になり、効果の高いCMを放映できます。

BtoB企業のTVCM事例

多くのBtoB企業がTVCMを作成していますが、その中でも反響の高かった成功事例を紹介します。

ビズリーチ

ビズリーチは、企業が経歴や実績のある人材をスカウトして採用できるサービスです。サービスの使用者は企業の人事担当者ですが、スカウトやヘッドハンティングという採用方法が日本では馴染みがなく、CMの内容が刺さらないのではという課題がありました。

そこで経営者にアピールするCMを作成したところ反響を呼び、サービスを導入する企業が増加。またCMに起用した女優 古谷彩子さんも当初はあまり知名度が高くなかったものの、このCMをきっかけにドラマ出演を果たすようにもなりました。

経営者層にもアピールができ、女優を通してサービス利用者の知名度も高めることができた成功事例です。

SKYSEA Client View

SKYSEA Client Viewはセキュリティ対策や資産管理を行えるソフトウェアです。藤原竜也さんが起用されたことで有名なCMでもあります。

CM内では藤原竜也さんがある企業の経営者の前に突如姿を現し、商品を導入した際の未来を映し出します。

そして「君、名前は?」と尋ねられると、「SKYSEA Client View」と商品名を名乗り、姿を消すという構成で作られています。

このCMは藤原竜也さんが起用されていていることでも話題を集めましたが、商品を利用することでどんな未来が得られるのかというベネフィットに焦点が当てられているということ、サービス導入の決済者である経営者に向けてCMが作られていることが成功したポイントです。

ecforce

ecforceはECサイトの構築を支援してくれるサービスです。このサービスを利用することで、ECサイトを手軽に作成することができます。

しかし、サービスを利用して構築したECサイトから発生した売り上げは、手数料としてサービスを提供している企業に支払うことになります。

EcforceのCMでは、「落とし穴有識者」という謎の肩書を持った人物(出川哲郎さん)が冒頭で登場します。出川哲郎さんのキャラクターもうまく活かしつつ、今まで見たことのない肩書に関心を持たせて、続きを見させる工夫があります。

そこからECの売り上げの落とし穴に話題が展開。少しボケを挟みつつ、終盤にECの売り上げの落とし穴はECカートにあると公表。

その後サービス名である「ecforce」の名前を出し、「事実、平均売り上げは244%に。」という字幕を残してCMが終了。

興味を持たせて最後にサービスを利用することで売り上げがどれくらい伸びるのか、具体的な数字を示している点が参考になります。

ラクス

 

ラクスは「楽楽精算」や「楽楽明細」などのサービスを販売している企業です。「楽楽精算」のCMについては前述しましたが、「楽楽明細」のCMもよく作り込まれています。

2023年10月からインボイス制度が開始予定。「楽楽明細」がインボイス制度に対応していて、用件を満たした請求書を発行し発送することが可能であることをこのCMでアピールしています。

社内にサッカーの審判がいて、用件を満たしていない請求書を経理の女性から取り上げ、社員全員で「どうして取り上げられるの?」と騒ぎ立てる様子が描かれています。

インボイスの用件を満たさない請求書を発行してしまうとこんな事態になってしまうということをリアルに想像させ、「楽楽明細」を利用することでその課題を解決できるということをうまくCMで表現しています。

マネーフォワード

マネーフォワードは法人向けのクラウド会計ソフトです。コロナが流行しテレワークが普及し始めていますが、請求書などを扱う経理だけはハンコが必要だったり紙の書類を作成したりする必要があるため、出社しないといけない企業が多くありました。

マネーフォワードのCMでは、「経理部もテレワークで仕事をしたい」という働き手の本音を代弁。しかし、クラウドで管理することで経理もテレワークができるという未来を提案しています。

こちらはサービスを利用する顧客がどんな不満を抱えているのかをうまく洗い出し、CMの中では顧客の不満をキャラクターが代わりに吐き出しているという点で参考にできます。

 

この他にも、セールスインテリジェンスの「Sales Maker」を活用することで、TVCMの効果を最大化させた事例もあります。その事例については<a href=”https://sales-marker.jp/case_study/tbm”>こちらの記事</a>で紹介されています。

BtoB企業のTVCM放映時のポイント

BtoB企業がTVCMを放映する際にはどんな点を意識すればよいのでしょうか。

 

BtoB企業のTVCM放映時のポイント

時間帯を絞る

まずは時間帯を絞るという点です。一般的に平日の9時から18時頃までは働いている人が多く、20時以降になると働き終わったサラリーマンがTVをつけて見ることが多くなります。

企業の経営者の場合でも同じような生活リズムを送っているかもしれません。

そのため、CM作成にあたり設定したターゲットが、どの時間帯にテレビを見ているのかを推測して放映する時間帯を決めると、より高い効果を望めます。

テストのために放映する時間をズラすとデータを取ることができ、仮説が正しいかを検証できます。

エリアを絞る

商品やサービスによっては、放映するエリアを絞るのもポイントです。東京をメインの営業エリアにしているのに、関西や九州の方でCMを放映していても広告料が無駄になってしまいます。

エリアを絞って配信することで、予算を効率的に使い自社商品・サービスを必要としている人に認知してもらうことができます。

HPの完成度を高める

企業向けの商品やサービスは高額なものがほとんど。BtoC商品であれば価格が安いため、CMを見た顧客は「お店で見かけたら買ってみよう」と考えますが、価格が高額になると、「一度HPを見て検討しよう」と考えることが大半。そのため、企業・サービスHPをしっかり整えておくことが重要です。

HPのデザイン面も洗練されているかチェックしておきたいですし、顧客が抱える悩みが浮き彫りになり、自社商品でその悩みを解決できる根拠が示されているかも重要です。

また導入実績が示されているか、サービスを導入することで顧客が得られる未来(ベネフィット)が描かれているか、顧客がHPを閲覧した後に取るべき行動が明確になっているか(例えば資料請求や申込みフォームの入力など)、といったことも重要です。

上手にTVCMを放映してBtoB企業も知名度を上げよう

この記事では、BtoB企業がTVCMを作成する目的やメリット、注意点などを紹介してきました。

BtoB企業がTVCMを放映する目的としては、ブランディングや信頼の獲得などが挙げられます。

CMの作成に当たってはターゲットを明確にしたり起承転結を意識したストーリー構成で作成したり、ベネフィットを伝えるといったことが挙げられます。

効果的なTVCMを作成して、自社の知名度や売り上げを拡大していきましょう。

 

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