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2024.09.04

カスタマージャーニーマップとは?BtoBを中心に作成手順から活用方法まで

顧客が商品・サービスを認知して購入するまでの行動や心理というのは様々で、一連のプロセスを可視化し把握することが大切です。

そのプロセスをまとめた図を「カスタマージャーニーマップ」と呼び、マーケティング施策の成功には非常に重要と言えるでしょう。

本記事では、カスタマージャーニーマップについて解説します。BtoBを中心とした作成手順から活用方法まで詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

カスタマージャーニーマップとは

カスタマージャーニーマップとは、顧客が自社商品・サービスを認知して購入に至るまでの行動や心理をまとめた図を指します。

以下の図が実際のカスタマージャーニーマップのレイアウトとなります。

横軸には「認知」「理解」「検討」などサービスを知ってから購入までのプロセス、縦軸には「タッチポイント」「行動」「思考・感情」などを記載します。

見込み顧客に自社商品・サービスのファンとなってもらうには、認知から購入後の消費者間の情報共有に至るまでの顧客体験全体の管理が重要です。

例えば、認知のフェーズにおけるタッチポイントでは「Web広告」や「SNS」などが挙げられますが多様な施策を実施するには、複数の部門・チームで連携し行う必要があります。

そのためには、カスタマージャーニーマップを整理し横断的なチームとして取り組むことが必要不可欠と言えるでしょう。

カスタマージャーニーマップの例

カスタマージャーニーマップには多数のバリエーションがあり企業や業種によって使用するマップは様々です。ここでは以下2つを紹介します。

  • BtoC:カスタマージャーニーマップ
  • BtoB:バイヤージャーニーマップ

BtoC:カスタマージャーニーマップ

中国空港セントレアにけるカスタマージャーニーマップの事例です。

下記のマップは土日に遊びにいく場所を検討しているカップルをターゲットにしたカスタマージャーニーマップです。

出典:株式会社のれん Customer Experience×コンテンツ vol.1

遊ぶ場所を探す段階から空港に来て遊ぶ行動までをマップとして書いています。

また、上のマップではただ遊ぶだけでなく、空港に遊びに来た際の行動を考慮した「食事をする」「買い物をする」など実際にお客様にインタビューをした結果のユーザー行動まで書かれています。

BtoB:バイヤージャーニーマップ

続いて紹介するのは、株式会社ベーシックが提供するBtoBマーケティングツールのバイヤージャーニーマップの事例です。

出典:ferret one

上記のマップでは、集客からクロージングまでの過程をマップにしたもので2つのペルソナが設定されており、

  • 従業員数150名の教育研修会社
  • Webマーケティングの実務担当者

となっており、各フェーズごとに「オンライン広告」や「ホワイトペーパー」などの接点でBtoBマーケティングツールへの興味関心度合いを上げる設計となっています。

カスタマージャーニーのテンプレートについて詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。

カスタマージャーニーマップの作成手順

カスタマージャーニーマップの作成手順は以下の通りです。

  1. ペルソナの設定
  2. ステップの定義
  3. マップへの入力

1. ペルソナの設定

カスタマージャーニーでは、自社商品・サービスを認知していない段階から考えていく必要があります。そのため、具体的なペルソナ(顧客像)を設定し、どんな企業・人物をターゲットとするのかを決めましょう。

また、BtoBにおけるペルソナの設定は「企業」ではありますが、購入を検討するのは企業の担当者であるため「個人」も設定します。

以下は「営業支援ツール」を提供していると仮定した企業のペルソナ例です。

「企業」と「個人」で分けることで更に具体的なペルソナを設定できます。また、ペルソナは1つではなく、複数設定しましょう

2. ステップの定義

ペルソナが決まれば、ステップの定義付けを行います。

例えば、「営業支援ツール」を提供している企業の例では「営業活動が属人化しており、スキルの標準化ができていない」と課題を抱えており、どのように自社サービスを知るのか「認知」から始まります。その後、購入に至るまでがステップとなります。

この「ステップの定義付け」は企業が扱う商材・サービスによって異なります。そのため、自社に適したステップの定義を決めていきましょう。

3. マップへの入力

ステップの定義が決まれば、最後はマップの入力を行なっていきます。

マップの入力ではステップの定義である横軸に対して、顧客の行動やタッチポイントを入力していきましょう。

タッチポイントや行動は売り手の視点で考えることや社内での情報だけでなく、実際に顧客にヒアリングを行うことも重要になります。

なぜなら、顧客の中には過去の体験や思考の状況によって自社サービスを購入していることもありますが、自社だけでは買い手の視点にたっても把握することは難しいからです。

網羅的に顧客接点や行動を認識するには、既存顧客のヒアリングは重要です。

そして、タッチポイントや行動に至るその時の「感情・思考」を入力していきます。

感情や思考については「顧客がどのような意識を持っているか」「どのような感情を抱き行動を起こしているのか」具体的なイメージができるよう情報を蓄積していきましょう。

ただし、BtoBに関しては顧客へのヒアリングが難しいうえに、組織の中でも「部長や課長、責任者」など一人ひとりの感情や思考は異なります。その際は決済者にヒアリングを行いましょう。

ここまでを入力すれば、自ずと自社が取るべき施策というのが明確になります。

ただし、カスタマージャーニーマップはあくまでも購買サイクルを切り取ったものです。そのため、ユーザーが想定していない行動を取ることも考慮しておきましょう。

BtoBでのカスタマージャーニーマップ作成時の注意点

BtoBカスタマージャーニマップを作成する際によくある失敗例として、「認知〜比較の工程が、「自社の」オウンドメディア/SNSで行われている前提となっている」ことです。

具体的に解説すると、カスタマージャーニマップの作成にあたって自社でコントロールができる「オウンドメディア」「SNS」「Web広告」だけの情報をもとに記載する例が多くあります。

しかし、実際に認知・比較の工程の50%は「第三者のレビューサイト」や「口コミ」「知人の紹介」など「3rd party コンテンツ」で行われていると明らかになっています。

そのため、自社がコントロールできるサイトだけの情報ではなく「3rd party コンテンツ」の情報も入れたジャーニーマップを作成する必要があります。

また、現段階では認知〜比較も第三者のサイトなどで行われることも多く、自社ではコントロールが難しくなっているのが現状です。

そのため、リードが情報収集をしている段階「早期段階」でアプローチすることが重要になってきています。

ジャーニーマップを作成と同時に「どのステップでどんなアプローチを実施するのか」を明確にしておく必要があるでしょう。

BtoBのカスタマージャーニーマップの活用用途

カスタマージャーニーマップは作成して終わりではなく、効果的に活用しなければ意味がありません。ここからは、下記2点で例を挙げて具体的な活用方法を解説していきます。

  • コンテンツマーケティング
  • インサイドセールス

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングは「コンテンツを用いてユーザーに価値のある情報を発信すること」が重要で、自社の成果に結びつくコンテンツを発信していきます。

下記の図は営業支援ツールのカスタマージャーニーマップであり「営業スキルの標準化をするために、各担当者の営業活動を可視化したい」という課題を抱えています。

上記の図をもとに「営業支援ツールの成功事例を中心にコンテンツを作成すると導入イメージがわかるのでは?」や「ユーザーの思考・感情に合わせて無料トライアルなどのポイントを用意すると良いのではないか」など仮説を立てることができます。

インサイドセールス

続いてインサイドセールスでカスタマージャーニーマップを活用する方法について解説します。

カスタマージャーニーマップはマーケティング施策がメインとなるため、インサイドセールスの活用は難しく感じるでしょう。

ここからはBtoBセールスインテリジェンスツール「SalesMarker」を用いて解説します。

SalesMarkerは自社サービスに関連するキーワードをWeb上に設定することで、自社サービスのニーズがある見込み顧客がリアルタイムで把握することが可能です。

SalesMarkerでは自社ツールを導入する前には必ず顧客とのキックオフMTGを実施し、バイヤージャーニーマップの整理を下記図を参考に行なっています。

フェーズは3段階に分けられ、フェーズごとに調査するキーワードをリストアップし、バイヤージャーニーに合わせて設計を行います。

例えば、

  • 問題認知フェーズ:アポ率が低い、アウトバウンド 方法
  • ソリューション探索フェーズ:営業リスト作成ツール

などになります。

このキーワードをもとに「SalesMarker」を使用して、キーワードを設定すれば見込み顧客がどの段階であるかを把握することが可能になります。

例えば、見込み顧客Aが「アポ率が低い」と調べている場合は「問題認知フェーズ」の段階だということです。

つまり「SalesMarker」を導入すれば、コンサルタントの支援を受けながらKWベースで、バイヤージャーニーを設計し、効率の良い営業活動を実施することが可能になります。

まとめ

カスタマージャーニーマップを作成し、適切な情報のもと施策を考え実行できれば買い手の視点で物事を考えられるため、最適なアプローチが可能になります。

そのためには様々な顧客理解を深め、効果検証や施策を繰り返し改善を行い情報を蓄積していきましょう。

本記事を参考に自社だけのカスタマージャーニーマップを作成するための参考にしてください。

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