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- MAツールとは
- SFAやCRMとの違いとは
- MAツールのメリット
- 見込み顧客の獲得
- 顧客データの管理
- 見込顧客の育成
- マーケターの工数削減
- 営業効率の向上
- 社内部門の連携強化
- MAツールのデメリット
- コストがかかる
- デジタルに強い人材が必要
- PDCAを中長期で回す必要がある
- 国内MAツールの選び方
- 国内MAツールおすすめ12選
- Account Engagement(旧:Pardot)
- Synergy
- BowNow
- Adobe Marketo Engage
- SATORI
- List Finder
- Kairos3 Marketing
- Hubspot
- b→dash
- CustomerRings
- SHANON
- AIQUA
- 拡大する国内MA市場
- 国内MAツールと海外MAツールの違い
- 国内MAツールを導入する際の注意点
- 課題の明確化
- 専門のオペレーターを配置する
- カスタマージャーニーの設計
- まとめ
マーケティングのデジタル化が進む中、企業はマーケティング戦略を強化し、効率化する手段としてMAツールの導入を検討する必要があります。
今後、インサイドセールスを導入する企業は、MAツールが必須となるでしょう。
本記事では、MAツールを取り扱っている国内12社を解説します。MAツールの選び方やメリット・デメリットも解説するため、今後MAツールの導入を考えている企業様は、ぜひ本記事を参考にしてください。
MAツールとは
MAツールは、マーケティングオートメーションツール(Marketing Automation)といい、企業のマーケティング活動を効率化・効果的にするためのソフトウェアです。
MAツールは、主に以下の機能を兼ね備えています。
- メールマーケティング
- ウェブサイト訪問者の行動追跡
- リード管理(見込み客管理)
- カスタマージャーニーの分析
- ソーシャルメディアの管理
- レポーティング
MAツールの導入により、マーケティングチームは時間とリソースを節約でき、顧客との関係性を深化させ、売上の増加につながります。
例えば、見込み客に対して最も興味を引きそうなメッセージを自動的に送信し、見込み顧客の興味や行動に基づいたスコアリングを行うことで、確度の高い見込み客リストの作成が可能となります。
また、MAツールは企業がデジタルマーケティングのパフォーマンスを測定し、戦略を調整する上で重要なインサイトを取得可能です。
購買層全体を追跡することで、どのページや広告が効果的であるかを把握でき、ROI(投資収益率)を最大化させられます。
SFAやCRMとの違いとは
MAツールが新規顧客の開拓から商談までのフェーズに対し、SFAは商談から契約まで、CRMは契約後に使用されます。
SFA:Sales Force Automation(セールスフォースオートメーション)
CRM:Customer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネージメント)
SFAは営業システムのことを指し、商談開始から契約までの情報を管理します。また、顧客情報やタスクなどを可視化し、営業効率を上げるために使用されます。
CRMは顧客関係管理のことを指し、契約後に顧客と良好な関係を継続するために支払い状況やクレーム対応などが可能です。
MAツールのメリット
MAツールを使用するメリットは、見込み顧客の獲得や顧客データの管理などがあります。それぞれ解説します。
見込み顧客の獲得
MAツールは、ユーザーがウェブサイトやSNS上でどのような行動を取っているか把握できます。そのため、具体的なユーザーの行動データやコンテンツの関心度などから、見込み客が求めている情報やサービスを明確にできます。
情報やサービスを明確にできることで、ターゲットに対して最適化されたコンテンツやメッセージを提供することが可能です。
顧客データの管理
MAツールは、顧客データの集約と分析を容易にします。
- 顧客の基本情報(名前、役職など)
- 購買履歴
- ウェブサイト上での行動
多岐にわたるデータを一元管理することで、社内での一括管理を可能とします。
また、MAツールの分析機能により、マーケティングの効果を精密に測定でき、PDCAを迅速に回せます。
見込顧客の育成
MAツールは、見込み客の行動や関心に対応したパーソナライズされたコンテンツ配信を可能にします。
例えば、特定の製品ページを訪れた見込み顧客に対して、その製品に関するキャンペーンやパンフレットなどを送ることで、更に興味や関心が強まります。
結果的に、顧客とのエンゲージメントが深まり、見込み客から顧客へと昇格するでしょう。
マーケターの工数削減
MAツールは、時間を大量に消費するマーケティング作業を自動化できます。
例えば、以下のような例です。
- 大量のメールを一括送信
- 顧客データを基にレポートを自動生成
- 見込み顧客の行動に応じたスコアリング
上記のタスクが減ることで、マーケティング担当は戦略的な活動やクリエイティブな業務に専念できるようになります。
営業効率の向上
MAツールは、リードスコアリングを提供します。
リードスコアリングとは、見込み顧客の行動や属性に基づき、販売の可能性を数値化するものです。
スコアが高い見込み客は、購買力が強いため、営業チームは優先的にアプローチするべきでしょう。結果的に、営業の時間と労力を無駄なく最大限に活用でき、成約率が向上します。
社内部門の連携強化
MAツールは、マーケティング部署と営業部署の間で情報を共有するプラットフォームを提供できます。
例えば、見込み客の行動データやスコアリング結果などがリアルタイムで共有されるため、無駄なコミュニケーションコストを割かずに詳細な情報を得られます。
また、マーケティング部署は、営業結果を反映した効果測定や改善計画を立てられるでしょう。
これにより、両部門の協力関係が強化され、より効率的なマーケティングと営業活動が可能になります。
MAツールのデメリット
MAツールのメリットを解説しましたが、デメリットもあります。以下で3つ解説します。
コストがかかる
MAツールを導入する際、一般的に初期費用で数十万円、月額費用で数万円かかります。企業の規模感や、MAツールにより値段は異なりますが、大規模になると年間で500万円程度かかる場合もあるでしょう。
無料で使用できるMAツールもありますが、機能の上限があり、柔軟に対応できないことがほとんどです。まずは、トライアルで試しに使用し、自社に合うMAツールを選定しましょう。
デジタルに強い人材が必要
MAツールを使用することで、数万単位の見込み客リストを得ることが可能です。しかし、高度なマーケティング能力やツールに対応できる知識がない場合、効果的な見込み客リストを作成できないことがあります。
十分な人材を確保し、MAツール専門の責任者を立てることで費用対効果高く運用できるでしょう。
PDCAを中長期で回す必要がある
MAツールで得た見込み客の購買意欲を高めるために、中長期でPDCAを回す必要があります。なぜなら、見込み客を受注や商談につなげるために、顧客のニーズや動向を追うことが重要だからです。
そのため、見込み客の行動データを中長期で分析し、ニーズに合ったアプローチをしなければなりません。MAツールを使用する際は、中長期で計画を練りましょう。
国内MAツールの選び方
MAツールはそれぞれ特徴があり、合う合わないがあります。そのため、以下の部分に注意して、国内MAツールを選択するようにしましょう。
- 対象ユーザーが法人か個人かで絞る
- サポート体制を確認する
- 価格が妥当か
- 外部サービスとの連携
- 同業他社の導入実績があるか
MAツールは、業種により上手くマッチしないことがあります。また、社内で既に使用しているツールとMAツールが外部連携できないとデータ移行に手間取るでしょう。
インターネットに書いてない情報もあるため、導入の際は問い合わせることをおすすめします。
国内MAツールおすすめ12選
MAツールを利用することで営業が効率化されます。
以下では日本国内で使用できるMAツールを解説します。
- Account Engagement
- Synergy
- BowNow
- AdobeMarketo Engage
- SATORI
- List Finder
- Kairos3 Marketing
- Hubspot
- b→dash
- CustomerRings
- SHANON
- AIQUA
Account Engagement(旧:Pardot)
Account Engagementは、ユーザーの属性や行動情報から適切なコミュニケーションを展開し、商談の成約率向上を支援します。
MAツール初心者にも理解できるようにセールスフォースが、マニュアルを提供し、見込み客の属性やステージに合わせたシナリオを作成し、実行する重要性を解説しています。
Account Engagementの特長は以下です。
- 顧客のニーズ把握
- 個別対応が可能
- 休眠顧客の掘り起こしが可能
- 導入支援制度とコミュニティの利点
- CRMとの円滑な連携
- AI活用による成果向上
Synergy
Synergyは、セールスフォースで管理しているユーザーにアプローチする際のMAツールです。
- メール配信
- フォーム作成
- トラッキング分析
また、リスト作成やレポート機能などで業務の効率化を図れるツールとなっています。
セールスフォースで、顧客管理をしている人は導入を検討してみてください。
BowNow
BowNowは、クラウドサーカスが提供しており、9,400社以上の企業に導入されています。
- 無料で使用できる
- 複雑な設定なしで商談を効率化できる
- 導入後すぐに使用可能
有料プランもありますが、無料プランでも十分に使用できるため、MAツールを試してみたいというユーザーにおすすめのMAツールです。
Adobe Marketo Engage
Adobe Marketo Engageは、全世界5,000社に導入されているMAツールです。
基本的なメール自動送信機能はもちろん、流入があった匿名のユーザーに対してアプローチできるWebパーソナライゼーション機能もあります。
日本では、会計ソフト会社のfreeeやリクルートなどで導入されています。日本でも使用可能ですが、英語表記のみの部分があるため、ご利用には注意が必要です。
SATORI
SATORIは、1,500社以上の日本企業に導入されているマーケティングツールです。
今までMAツールを導入したことない企業や、専門家がいない企業でも扱いやすいように、UI/UXが洗礼されています。
お問い合わせ見込み客を選定し、アプローチができるため、ツール導入により商談件数が伸びやすいのが特徴です。
List Finder
List Finderは、BtoB企業に特化したMAツールです。
フリープランからプレミアムプランまであるため、無理なく使用できます。
また、IT導入補助金の事業者にも選定されているため、予算的な面で企業が導入しやすいMAツールとなっています。
Kairos3 Marketing
Kairos3 Marketingは、初心者でも使用しやすいようにデモページとサポート体制が整っているのが特徴です。
ZOOMと提携しており、セミナー管理にも長けています。そのため、効率良くセミナーの開催が可能です。
初期費用で1万円からなため、中小企業でも導入しやすいMAツールとなっています。
Hubspot
Hubspotは、CRMプラットフォームで以下のことを利用できます。
- マーケティング営業
- コンテンツ管理
- カスタマーサービスを統合
オールインワンの洗礼されたプラットフォームで顧客の育成が可能です。
無料プランで開始し、規模が大きくなるにつれてアップグレードしていきましょう。
b→dash
b→dashは、ノーコードで簡単に使用できるMAツールです。
過去に7つの賞を受賞しているツールで、大手も導入しているため、定評があります。
顧客管理やメール自動送信などに加えて、LINE連携もあるため現代ツールとの親和性も高いです。
CustomerRings
CustomerRingsは、日本国内の500社以上に導入されているBtoC向けのMAツールです。
ITreview Best Software in Japan 2022で、5,000社の中からトップ50の企業に唯一BtoCのMAツールとして選出されています。
特にEC系の事業におすすめなMAツールです。
SHANON
SHANONは、SONYや日本生命などの大手企業にも導入されているMAツールです。
SHANONを導入して、商談数が8倍、ウェビナー集客数が3倍に増えたという実績もあります。
また導入前のサポートも充実しており、問題なく導入できるのが特徴です。
AIQUA
AIQUAは、AIを活用し確度の高いアプローチを可能とするツールです。
ABテストで、PDCAを回し、パフォーマンス効果を高めることが容易にできるため、あまりMAツールに知見がない企業にもおすすめでしょう。
小売業やECサイトを運営している企業におすすめのツールです。
拡大する国内MA市場
MAツール市場は、新型コロナウイルスの影響もあり、近年拡大しています。2021年のMAツールの市場規模は約600億円でしたが、2026年には865億5,000万円まで拡大すると予想されます。
実際、国内上場企業の導入率は11.3%、全企業の1.2%しか導入していないため市場の伸びしろは大きくあります。
需要が拡大している背景は、DX化と購買行動の変化にあります。
新型コロナウイルスにより企業のDX化が進みました。対面での接触が難しくなったため、営業方法を見直さざるを得なくなったからです。その結果、顧客アプローチ方法としてMAツールが注目されました。
また、SNSの台頭により、現代のユーザーは事前に複数サイトで商品を見て、購入を検討するでしょう。結果、より見込み客を絞らなければ、商品が購買されないため、MAツールが導入されるようになりました。
国内MAツールと海外MAツールの違い
海外は日本よりもインターネット投資が進んでいるため、新規顧客開拓や売り上げを上げるためのツールという認識が強いです。一方で日本では、社内業務効率化という認識が強く、海外と認識のギャップがあります。
また、海外MAツールの場合、対応言語や仕様が全て海外版になっているため、日本国内の企業では使用しにくいという点があります。
国内MAツールを導入する際の注意点
国内のMAツールを導入する際は、注意点を確認してから導入するようにしましょう。
注意点を確認せず導入してしまうと、経済的損失を被る場合や、業務効率の低下になることもあります。以下で、3つの注意点を解説します。
課題の明確化
MAツールは、日本国内だけでも数十社あり、それぞれに特色があります。オールラウンダーに使えるものや、製造業に特化したもの、ITに特化したものなど様々です。
そのため、自社とマッチしないケースも考えられます。自社の課題や営業ジャンルを導入前に明確化し、その課題を解決できるツールの導入を検討しましょう。
専門のオペレーターを配置する
MAツールを導入する際は、可能な限り、専門のオペレーターを配置すべきです。導入時、社員全員が使用方法がわからず、上手く使用できないことが予測されるからです。
専門的な知識が求められる場合が多いため、MAツールを活かしていく場合は、社内で専門オペレーターの育成を行いましょう。
初期の育成コストはかかりますが、長期的に考えると効率化につながります。
カスタマージャーニーの設計
カスタマージャーニーとは、顧客が購入までにとる時系列のことです。MAツールを使用する際、効果を最大限発揮するために、事前にペルソナを設定してカスタマージャーニーを設計しましょう。
カスタマージャーニーを設計してPDCAを回すことで、段階別に的確なアプローチができます。
的確なアプローチをすることで、成約率が段々と上がります。
まとめ
DX化や新型コロナウイルスの影響により、対面の営業だけではなく、インサイドセールスを利用した営業方法が一般化されると予想されます。
インサイドセールスを利用する場合、MAツールを導入することで、他部署間での情報共有が便利になり、確度の高い見込み客リストが作成できるようになるでしょう。
自社に合ったMAツールを選定し、ぜひ導入を検討してください。