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「マーケティングファネルでマーケティング施策を改善したいが、活用方法がわからない」
「そもそもマーケティングファネルとは?」
企業のマーケティング担当者の方のなかには、上記のような悩みがある方もいるのではないでしょうか。
マーケティングファネルは、消費者の購買行動を捉えるためのフレームワークです。マーケティングファネルを用いて改善点を洗い出すことで、打つべき施策や改善すべき施策が明確になります。
本記事では、マーケティングファネルの種類と活用方法を中心に解説します。自社のマーケティングやセールスのプロセスに落とし込んで改善できる内容のため、ぜひ最後までご覧ください。
マーケティングファネルとは?
マーケティングファネルとは、潜在顧客が商品やサービスを認知してから購入に至るまでの一連のプロセスを、漏斗(ファネル)の形に例えたフレームワークです。
消費者の購買行動は、基本的に「認知→興味→比較・検討→行動」という流れをたどります。潜在顧客の数は、認知の段階では多いものの、購入に近づくにつれて徐々に減少していきます。この様子が、上部が広く下部が狭い漏斗の形状に似ていることから、マーケティングファネルと呼ばれ、消費者の購買行動を捉えるためのフレームワークとして活用されています。
英会話教室を例に、消費者が購買するまでのプロセスをマーケティングファネルに当てはめて確認してみましょう。
「認知」は、消費者が英会話教室を知るフェーズです。英語を勉強したいと考えている消費者が、テレビCMやSNSなどで英会話教室の広告を目にするかもしれません。あるいは、英会話を学んでいる友人から勧められるケースもあるでしょう。
「興味」では、広告や口コミを通じて、各英会話教室の特徴に興味を持ちます。複数の英会話教室のサービス内容や料金、場所などの情報を集め、特定の教室に対して強い興味を抱きます。
「比較・検討」では、候補が絞られたなかから、実際にどの英会話教室に通うのかを検討します。各教室の特徴をはじめとした情報を総合的に比較したり、オンライン上のクチコミや知人の意見を参考にしたりすることもあります。また、より具体的な情報収集のために、見学会や体験レッスンに参加するケースもあります。
「行動」は、消費者がどの英会話教室に通うかを決定するフェーズです。集めた情報を総合的に考慮して、最も自分に合っている教室に申し込みます。「期間限定で料金○%OFF」「初月無料」といったキャンペーンが、消費者の行動を後押しするケースもあるでしょう。
マーケティングファネルの活用により、消費者の購買プロセスのなかでどこに問題があるかが浮き彫りになり、各段階に適した施策を打つことができます。マーケティング戦略の最適化に役立つため、認知から行動までの購買プロセスを効率的に促進することが可能となります。
マーケティングファネルの種類
マーケティングファネルは、大きく分けて以下の3種類あります。
各ファネルについて詳しく解説します。
パーチェスファネル
パーチェスファネルは、マーケティングファネルのなかで最も基本的なモデルです。消費者の購買行動を「認知」「興味」「比較・検討」「行動」の4段階に分け、それぞれの段階で獲得した顧客数を可視化します。
消費者の購買プロセスを表したモデル「AIDMA」の考え方を基にしており、各ステップで実施しているマーケティング施策の効果を数値化できるのが特徴です。どの段階で顧客が離脱しているのかを把握できるため、施策の改善点を明確化できます。
たとえば、「比較・検討」の段階で大きく顧客数が減少している場合、比較コンテンツの不足が原因と考えられます。そこで、競合他社との比較記事を充実させる施策を重点的に打つことで、購入に至る顧客数を増やせるでしょう。
インフルエンスファネル
インフルエンスファネルは、購買後の顧客の行動に着目したマーケティングモデルです。パーチェスファネルが認知から購入までを表しているのに対し、インフルエンスファネルは購入後の「継続」「紹介」「発信」の3段階を可視化します。
近年、SNSの普及により消費者の発信力が高まり、口コミやレビューが購買行動に大きな影響を与えるようになりました。2023年にマイボイスコム株式会社が実施した調査によると、商品・サービスなどの購入・利用時に、ネット上の口コミ情報を参考にする人の割合は約55%でした。
つまり、顧客満足度を高め、ポジティブな口コミを生むことがマーケティングの重要な要素となっています。インフルエンスファネルを活用することで、購入後の顧客の行動を分析し、リピート購入や紹介、SNSでの発信を促進する施策を立てることができます。
参考:マイボイスコム株式会社「ネット上の口コミ情報に関するアンケート調査(第6回)」
ダブルファネル
ダブルファネルは、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせたマーケティングモデルです。パーチェスファネルは消費者の認知から購入に至るまでのプロセスを示す一方で、ダブルファネルはさらに、購入後の顧客体験や発信行動までを一気通貫で捉えます。
ダブルファネルの活用により、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客の満足度・ロイヤリティ向上までを見据えたマーケティング戦略の策定が可能となります。顧客との長期的な関係構築を重視する昨今のBtoBマーケティングにおいて、ダブルファネルは非常に有効なフレームワークといえるでしょう。
マーケティングファネルは古い?
マーケティングファネルは消費者の購買行動を捉えられる一方で「時代に合っていない」「考え方が古い」などの声もあります。
消費者の購買行動の変化
近年、消費者の購買行動は大きく変化しています。従来のような一直線の購買プロセスではなく、テレビCMや雑誌、Web広告などの多様な媒体との接触により、興味関心が絶えず移り変わるようになりました。
その結果、現代の多様化した購買行動・心理にマーケティングファネルでは対応できないといった声が強くなっています。
Googleは、現代の検索・購買行動の構造を「バタフライサーキット」モデルとして提示しています。知りたい情報を「さぐる」認識・意思を「かためる」といった行動をぐるぐると繰り返して蝶(バタフライ)に見えることから名付けられ、一直線ではない現在の購買行動を表しています。
さらに、シェアリングやサブスクリプションの普及により、モノの購入ではなく「体験の提供」にシフトしつつあります。こうした複雑な消費者行動を、従来のマーケティングファネルでは十分に説明できなくなってきているといわれています。
BtoBでは強力な武器のまま
消費者の購買行動は変化している一方で、BtoBビジネスにおいてマーケティングファネルは、強力な武器であり続けています。企業間取引では、感情的な要素が少なく、意思決定プロセスがシンプルであるため、一直線型のモデルが当てはまりやすいことが理由です。
たとえば、新たな物流管理システムの導入を検討している企業が、突然広告代理店を探し始めるようなことはまずありません。BtoBマーケティングでは「カスタマージャーニー」も重要ですが、マーケティングファネルの方がよりシンプルに各プロセスを可視化できます。
意思決定の関与者が多く、決定要因が複雑なBtoBビジネスにおいて、マーケティングファネルは購買プロセスの全体像を把握するのに有効な手法といえるでしょう。
マーケティングファネルの活用方法
マーケティングファネルを活用して自社のマーケティング活動を改善したい場合、以下の手順で進めましょう。
- 自社プロセスを当て込む
- 数値を当て込む
- ボコリを見つける
- 数値を改善する施策を打つ
1. 自社プロセスを当て込む
まず、自社のマーケティングやセールスのプロセスを整理し、顧客の行動を当てはめましょう。たとえば「認知→興味→比較・検討→行動」というパーチェスファネルに対して、以下のように整理できるでしょう。
このように、自社の業務フローに合わせてマーケティングファネルを設定することで、各段階での顧客の行動を把握しやすくなります。
2. 数値を当て込む
次に、自社のマーケティングファネルに実際の数値を以下のように当てはめていきます。
数値を当てはめることで、各段階の顧客数や転換率が可視化できるため、改善すべきポイントが明確になります。
3. ボコリを見つける
マーケティングファネルに数値を当てはめたら、次は大きな離脱が起きている「ボコリ」を見つけましょう。以下の例でいうと「フォローメール開封→打ち合わせ予約」の部分で大きな離脱が発生しています。
ボコリを特定することで、改善すべき箇所が明確になり、施策を打つべきポイントが洗い出せます。
4. 数値を改善する施策を打つ
改善すべき箇所が明確になったら、その数値を改善するための施策を考案して実行します。以下の例では、「フォローメール開封→打ち合わせ予約」の転換率が低いことが問題でした。
この場合、送付するメールの内容が打ち合わせ予約につながるものになっていない可能性があります。よって「メールの内容を見直し、顧客のニーズに合ったものに変更する」といった改善が必要になります。
このような具体的な施策を見つけるのに「カスタマージャーニーマップ」を作成することも有効です。顧客の行動や心理を可視化することで、より効果的な施策を打つことができるでしょう。
以下の記事では、カスタマージャーニーマップの概要やBtoB・BtoCごとのマップ例を紹介しています。実践的な作成手順も解説しているため、カスタマージャーニーマップの作成を検討されている方は併せてご覧ください。
また、マーケティングファネルの入り口である「サービスページ訪問→顧客情報の入力」のリード獲得部分の強化には、BtoBセールスインテリジェンス「Sales Marker」の活用がおすすめです。
Sales Markerには「セールスシグナル」が搭載されており、設定しているキーワードを検索している企業がリアルタイムで通知されます。50億レコード / 日の興味関心データの分析で、リードの検討段階や興味領域が特定できるため、最適なタイミングで最適な提案が可能となります。
また「AIセールス」によって、商談・成約につながりやすい企業の検出からアプローチそのものまで可能です。相手ごとに効果的な文面を自動生成し、広告やメール、フォームなどから最適なチャネルでアプローチします。
マーケティングファネルで自社の改善点を見つけたら、新たな施策の実行や改善に「Sales Marker」の活用もご検討ください。
まとめ
マーケティングファネルはBtoCでの効果は疑問視されるものの、一直線型の購買モデルが当てはまるBtoBにおいては、引き続き有効です。
本記事で紹介したファネルの種類と活用方法を参考に、自社のマーケティング活動や営業活動の改善につなげましょう。