この記事は約 10 分で読めます。
- 新規事業の立ち上げの7つの手順
- 1.新規事業の事業ドメインを決める
- 2.事業メンバーをアサインする
- 3.事業のビジョンを決める
- 4.市場規模・事業妥当性を調査する
- 5.顧客ペルソナを想定する
- 6.事業モデルを検討する
- 7.事業計画書を策定する
- 新規事業立ち上げを成功させるためフレームワーク
- アイデア出しに使えるフレームワーク
- 事業の方向性を決めるためのフレームワーク
- マーケティング戦略の立案のためのフレームワーク
- 新規事業の評価、改善を行うためのフレームワーク
- 新規事業の立ち上げ成功のポイント
- 1.事業撤退ラインを決める
- 2.キャッシュアウトを防ぐ
- 3.適切な人数をアサインさせる
- 4.立ち上げメンバーの育成も並行して実施する
- 5.会社のビジョンを浸透させる
- 本記事のまとめ
新規事業の立ち上げの7つの手順
新規事業といってもどのような手順で進めるのかわからない人も多くいると思います。そこでここでは新規事業を立ち上げる際の手順を7つのプロセスに分けて解説していきます。
1.新規事業の事業ドメインを決める
2.事業メンバーをアサインする
3.事業のビジョンを決める
4.市場規模・事業妥当性を調査する
5.顧客ペルソナを想定する
6.事業モデルを検討する
7.事業計画書を策定する
それぞれの手順について詳細を解説していきます。
1.新規事業の事業ドメインを決める
新規事業をスタートさせる際に最初に考慮すべき点は、事業が展開される領域、つまり「事業ドメインの選定」です。この決定が明確になることで、どの市場に参入すべきか、どの分野に注力すべきかを判断できます。また、今後の開発方向や、自社の技術がどのように活用されるか、顧客層はどのような人々で、どのような価値を提供すべきかといった基本的な疑問を明確にすることができます。
2.事業メンバーをアサインする
次に重要なステップは、事業チームのメンバーを選定し、アサインすることです。この段階では、事業展開に必要なスキルや経験を持つ人材を確保することが重要です。チームメンバーの選定には、次のような3つのポイントを考慮してメンバーを募ると良いでしょう。
・スキルと経験
事業が成功するために必要なスキルや経験を持つメンバーを選定します。例えば、マーケティング、プロダクト開発、財務、営業など、必要な領域ごとに適切なメンバーを選びます。
・チームの多様性
異なるバックグラウンドや視点を持つメンバーをチームに加えることで、より創造的なアイデアが生まれる可能性が高まります。多様な経験や専門知識を持つメンバーをアサインし、チームの力を最大限に活かします。
・コミュニケーション能力
チームメンバー同士が円滑にコミュニケーションを取れることが重要です。チームワークや情報共有がスムーズに行われるように、コミュニケーション能力の高いメンバーを選択します。
事業メンバーのアサインには慎重な検討が必要です。チームの力を最大限に引き出し、事業の成功に向けて共に努力するために、適切なメンバーを選定します。
3.事業のビジョンを決める
事業のビジョンを確立することは、事業を成長させるために極めて重要です。ビジョンは、事業が目指す将来の姿や目標を示すものであり、全ての活動の方向性を示す指針となります。ビジョンを確立する際のポイントを2つ紹介します。
・使命と価値観
まず最初に、事業の使命と価値観を明確に定義します。事業が何を提供し、どのような価値を創造するのか、なぜそれが重要なのかを明確にすることが重要です。使命と価値観は、ビジョンの基盤となります。
・長期的な目標
次に、事業が将来的に達成したい目標や成果を明確にします。長期的な目標は、事業が追求する方向性を示し、チーム全体が一体となって取り組む目標となります。
ビジョンは事業の方向性を示し、チーム全体が一丸となって目標を追求するための指針となります。ビジョンを確立する際には、使命と価値観、長期的な目標を考慮して、明確で魅力的なビジョンを構築します。
4.市場規模・事業妥当性を調査する
新規事業を始める際には、
・市場規模
・事業の妥当性
を十分に調査することが不可欠です。
最初に行うべきことは、事業が参入する市場の現状や将来性を調査することです。市場の規模、成長率、競合他社の存在、市場の傾向などを把握し、事業がどのような状況にあるのかを調査します。
次に、市場でのニーズや課題を明確にします。顧客が直面している問題や不満を把握し、それらにどのように対応するかを検討します。顧客のニーズに適切に対応する製品やサービスがあれば、事業が成功する可能性が高まります。
その後は、市場における競合他社の状況を分析します。競合他社の製品やサービス、価格戦略、顧客層などを調査し、自社の強みや差別化ポイントを明確にします。競合環境を理解することで、事業のポジショニングや戦略を検討する上での参考になります。
市場規模と事業の妥当性を調査することは、事業を成功させるために不可欠なステップです。市場の現状や将来性、顧客のニーズ、競合状況、トレンドなどを十分に把握し、事業が適切な方向に進むように計画することが重要です。
5.顧客ペルソナを想定する
顧客ペルソナを想定することは、新規事業を成功させるための重要なステップです。顧客ペルソナとは、想定される顧客像やターゲット層を具体化したものです。
まず、事業がターゲットとする顧客層を特定します。
・性別
・年齢
・職業
・所得
・趣味
・ライフスタイル
などの要素を考慮し、ターゲット層を明確にします。
その後にターゲット層をもとに、具体的な顧客ペルソナを作成します。ペルソナは、架空の個人像として描写されることが一般的です。例えば、「サラリーマンの男性、30代後半、IT業界勤務、趣味はアウトドアスポーツ」といった具体的な情報を含めて、ペルソナを作成します。
最後にペルソナが直面する課題やニーズを理解し、彼らがどのように行動するかを分析します。顧客のニーズに対応する製品やサービスを提供することで、事業が顧客の心に響くことができます。
顧客ペルソナを想定することは、事業が成功するために欠かせないステップです。ターゲット層を明確にし、彼らのニーズや行動を理解することで、効果的なマーケティング戦略や製品開発の方針を策定することができます。顧客ペルソナを考慮した施策は、顧客との信頼関係を築き、事業の成長に貢献します。
6.事業モデルを検討する
事業モデルを検討することは、新規事業を展開する上で極めて重要です。事業モデルは、どのように価値を提供し、収益を得るかを明確にするための枠組みです。
まず、「事業が提供する価値を具体化」します。製品やサービスが顧客にどのような利益やメリットをもたらすのかを明確にし、そのメカニズムを理解します。価値提供のメカニズムが明確であれば、顧客のニーズに応える効果的な製品やサービスを開発することができます。
次に、「収益を得るためのモデル」を構築します。収益モデルは、製品やサービスの価格設定、収益源の特定、収益の取り分などを含みます。適切な収益モデルを選択し、収益を最大化するための戦略を立案します。
また、事業モデルを構築する際には、顧客獲得と維持の戦略も考慮する必要があります。
・顧客の獲得コスト
・維持コスト
・顧客の生涯価値
などを分析し、効率的な顧客獲得と維持の方法を検討します。また、顧客との関係を築くためのマーケティング戦略や顧客サポート体制も重要です。
最後に、事業モデルを拡大し、成長させるための戦略を策定します。市場の拡大や新たな顧客層の獲得、製品やサービスの拡充など、事業の成長を促進するための施策を検討します。
事業モデルの検討は、事業の成否に直結する重要なプロセスです。価値提供のメカニズムを理解し、適切な収益モデルを構築することで、事業の収益性を高めることができます。また、顧客獲得と維持の戦略を通じて、顧客との関係を強化し、事業の成長を促進します。事業モデルの検討は、事業計画の基盤となる重要なステップであり、慎重に行うことが必要です。
7.事業計画書を策定する
事業計画書は、新しいビジネスを始める際の道筋を示す重要な文書です。ここでは事業計画書を作成する際の手順を紹介します。
(1)エグゼクティブサマリー
最初に、事業計画書の要点をまとめたエグゼクティブサマリーを作成します。これには、事業の概要、目標、戦略が含まれます。
(2)事業概要
次に、事業の背景や目的、ビジョン、ミッションを説明します。どのような事業を始めるのか、その目的や方向性を明確にします。
(3)市場分析
事業が参入する市場を分析します。市場の規模や成長率、競合状況、顧客のニーズなど、市場に関する情報を収集します。
(4)ビジネスモデル
事業のビジネスモデルを明確にします。価値提供の仕組みや収益モデル、顧客獲得と維持の戦略を具体化します。
(5)実行計画
最後に、具体的な行動計画を策定します。タイムラインや責任者、予算などを明確にし、事業を実行に移すためのロードマップを作成します。
事業計画書は、事業を始める際の指針となる重要な文書です。しっかりと策定し、ビジネスの成功に向けて具体的な計画を立てましょう。
新規事業の立ち上げを成功させるためのフレームワークは、事業の方向性を明確にし、効果的な戦略を構築するのに役立ちます。以下に、4つのフレームワークを詳細に説明します。
新規事業立ち上げを成功させるためフレームワーク
新規事業を立ち上げる際にフレームワークを活用して思考を整理することは非常に大切です。フレームワークは、整理された手順や方法論を提供するため、作業の効率化に役立ちます。各段階で何をすべきかが明確になるため、チームは迷うことなく業務を進めることができます。ここでは新規事業を立ち上げる際に使えるフレームワークを紹介します。
アイデア出しに使えるフレームワーク
・ペルソナ設定
・マトリックス法
・KJ法(親和図法)
・6W2H
・マンダラート
・オズボーンのチェックリスト
事業の方向性を決めるためのフレームワーク
・ブルーオーシャン戦略
・MVV(Mission、Vision、Value)
・シナリオプランニング
・3C分析
・ロジックツリー
マーケティング戦略の立案のためのフレームワーク
・STP分析
・5C分析
・ジャニーマップ
・SWOT分析
・PEST分析
新規事業の評価、改善を行うためのフレームワーク
・BMO法
・IRR法(内部収益率法)
・ベンチマーキング
・デザイン思考
これらのフレームワークを活用することで、新規事業の立ち上げから成長、評価、改善までを効果的に行うことができます。
新規事業の立ち上げ成功のポイント
新規事業の立ち上げを成功させるには、次のポイントに注力することが重要です。
1.事業撤退ラインを決める
事業を立ち上げる際には、事業の撤退ラインを明確に定めることが重要です。つまり、何らかの目標や指標を設定し、それを達成できない場合の撤退や見直しのタイミングを予め設定しておく必要があります。これにより、事業が予想外のリスクや困難に直面した際に、冷静な判断ができるようになります。
2.キャッシュアウトを防ぐ
新規事業を成功させるためには、適切な資金が必要です。事業の立ち上げから成長期に至るまで、予算を適切に管理し、キャッシュフローを確保することが重要です。キャッシュアウトを防ぐためには、リーズナブルな運営コストの設定や効果的な資金調達の計画が不可欠です。
3.適切な人数をアサインさせる
新規事業の成功には、適切な人材の配置が不可欠です。事業の規模や性質に応じて、必要な人材を適切にアサインし、役割や責任を明確にすることが重要です。また、チームメンバーのスキルや経験を考慮し、チームのバランスを保つことも大切です。
4.立ち上げメンバーの育成も並行して実施する
新規事業を成功させるためには、チームメンバーの能力向上も欠かせません。立ち上げメンバーの育成を並行して実施し、必要なスキルや知識を習得させることで、チーム全体のパフォーマンスを向上させることができます。定期的なトレーニングやフィードバックの提供を通じて、チームの成長を促しましょう。
5.会社のビジョンを浸透させる
新規事業の立ち上げにおいては、会社のビジョンや理念をチーム全体に浸透させることが重要です。ビジョンを共有し、メンバーがその目標に向かって一丸となって取り組むことで、事業の成功に向けた方向性を明確にし、モチベーションを高めることができます。
本記事のまとめ
本記事では新規事業を始める際に、成功するための手順となる7つを解説しました。
新規事業の立ち上げで困った場合は、フレームワークを活用して思考を整理することもおすすめです。また、新規事業を立ち上げた際にはSalesMarkerをお試しください。SalesMarkeは日本初の高精度なセールスシグナルでリアルタイムのインテントデータを活用することで部署・人物情報からキーマンにアプローチが可能です。
そして、「事業撤退ラインを決める」・「キャッシュアウトを防ぐ」・「適切な人数をアサインさせる」・「立ち上げメンバーの育成も並行して実施する」・「会社のビジョンを浸透させる」の5つのポイントを意識して、新規事業の立ち上げを成功させるための戦略を構築しましょう。明確な目標設定と計画立案、適切なリーダーシップとチームワーク、そして柔軟性と適応力を持って、事業の成長と発展を実現しましょう。