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- Go to market戦略とは
- Go to market戦略と Route to Market戦略との違い
- Go to market戦略の指標とは?
- ネット収益継続率
- グロス収益継続率
- CAC回収率
- ノルマ達成率
- Go to market戦略の要素は3つ
- ペルソナの決定
- 自社・従業員の意識
- 競合企業の調査
- 営業先を自動で作成
- Go to market戦略の立て方
- 1.対象とする市場・ペルソナを決定
- 2.担当者・各役割を決定する
- 3.顧客ニーズの調査
- 4.適切な価格マトリックスを作成
- 5.バイヤージャーニーを把握
- 6.戦略を選択
- 7.見込み客へのコンテンツ作成
- Go to market戦略で市場細分化の重要性
- 細分化のメリット
- 細分化で必要な要素の確認
- まとめ
Go to market戦略は、新製品やサービスを顧客に届けるための戦略のことです。Go to market戦略を理解することで、適切なタイミングで必要とする顧客へ正しく届ける事ができます。
本記事では、Go to market戦略の概略から指標となるデータ、Go to market戦略の立て方までをわかりやすく、詳しく解説します。本記事を参考にして、Go to market戦略を正しく立案・実行が可能になります。
Go to market戦略とは
Go to market戦略とは、新製品のリリースだけでなく、既存の商品を新しい市場へ投入する際の詳細な計画・行動決定のことを指します。
Go to market戦略の範囲は広く、商品の選択から対象とする市場やペルソナの決定・顧客ニーズの調査・バイヤージャーニーの把握・見込み客へのコンテンツ作成などをすべて行わなくてはなりません。商品の開発から生産・販売までは多大な投資を必要とします。
しかし、商品自体は優れているものであっても、マーケティングや販売方法によって売れ行きは左右されてしまいます。Go to market戦略を取り入れることによって、ニーズのある顧客を見誤ることなく、同様の製品で飽和している市場へ投入することもなくなります。
Go to market戦略と Route to Market戦略との違い
Go to market戦略とRoute to Market戦略には、明確な違いがあります。Route to Market戦略はGo to market戦略とは違ってその範囲は狭く、販売方法のみに特化した概念です。
そのため、マーケティング内容であれば、Go to market戦略のほうが広い範囲を取り扱っているといえます。なぜなら、Go to market戦略には、市場の選択だけでなく商品の選択や新規販路の開拓なども含まれているからです。
Go to market戦略の指標とは?
Go to market戦略の指標として活用できるデータは、数多くあります。しかし、多くあるためにすべてのデータを活用することは難しいでしょう。
そのため、いくつかに絞ってデータを活用することで、販売効率や売上予測の目安にできるでしょう。
ネット収益継続率
ネット収益継続率とは、繰り返し実現が期待できる収益がどの程度実現できているかというデータであり、売上継続率とも呼ばれています。よく指標として使用されるのは、サブスクリプションサービスなどの分野です。
新規顧客の獲得が難しい商品については、リピーターからの継続的な収益が大切です。そのため、ネット収益継続率を算出することによって、新規顧客の獲得はできているのか、既存顧客の解約がどの程度されているのかなどを分析することができます。
グロス収益継続率
グロス収益継続率は、商品やサービスがいかにして収益率を維持しているのかを表す指標です。特定の期間内や顧客のコホートにおいて、月次経常収益がどれだけ維持されているのかを調べるときに活用します。
CAC回収率
CAC回収率は、新規顧客を獲得するための費用のことです。算出する計算方式は「新規顧客獲得コスト÷顧客数」で、販売効率を明確にできます。CAC回収率がわかることで、収益を上げるために必要なキャッシュフローを決めることが可能です。
ノルマ達成率
ノルマ達成率は、その名の通り営業担当者の目標に対する達成率を表すものです。営業の仕事においては、ノルマという概念を伴うものです。営業がノルマこなすということは、計画が期待通りの成果に結びついているかどうかを計れます。ノルマ達成率を算出したら、その達成や未達成の原因を常に把握することが大切です。
Go to market戦略の要素は3つ
go to market戦略には、3つの要素があります。広範囲のマーケティングを総合的に扱うことができるのがgo to market戦略の強みですが、同時に大切な要素に関しては集中的に考慮する必要があります。
ここでは、「ペルソナの決定」「自社・従業員の意識」「競合企業の調査」について、詳しくみていきましょう。
ペルソナの決定
商品には、必ずターゲットとなる「ペルソナ」がいます。すべての人にとって良い商品などあるわけがなく、基本的には特定の人にとって好まれる商品・良い商品を作ることになります。
しかし、どのような人を想定するべきなのかが重要です。性別や年齢、詳しいプロフィールまでを想定してペルソナを作り、そのペルソナをもとにして販路開拓や広告展開の仕方を考えることとなります。
自社・従業員の意識
自社の内部にも、目を向ける必要があります。従業員の意識をケアすることによって生まれる利益を、無視してはいけません。商品やサービスが良く、さらに従業員の適切な意識が伴うことで、顧客体験の向上につなげることができます。
競合企業の調査
明確なGo to market戦略を立てるためには、顧客のペルソナ設定や従業員の適切な意識に加えて、競合企業の調査が欠かせません。なぜなら、戦略を決定するためには、競合との比較が必要になるからです。競合企業をきちんと調査することで自社の立ち位置をはっきりさせ、マーケティングを行う際に役立てましょう。
営業先を自動で作成
go to market戦略では、購買意欲のある顧客を見つけることが重要です。どの年齢層でどのような特性を持つ顧客をターゲットにして商品を販売するべきなのかを、決めなくてはなりません。もちろん、ターゲットとなる顧客が決まったら、ニーズの調査も大切です。
しかし、ターゲットとなる顧客を調査するためにコストと人手を大きく割くのであれば、Sales Markerを活用してみませんか。Sales Markerは、自動で営業先を作成してくれるので、わざわざ人手と時間、余分な費用をかける必要がなくなります。気になる人はぜひ、下記URLをクリックしてみてください。
Go to market戦略の立て方
いくらGo to market戦略にメリットがあるとはいっても、いきなりいちからGo to market戦略を立てるのは難しいでしょう。自由度が高いもののマーケティングの範囲が広く、どこから手を付けたらいいかわからないという人もいます。
ここでは、Go to market戦略の立て方を詳しく解説していきます。
1.対象とする市場・ペルソナを決定
Go to market戦略において大切なのは、適切な市場を選択するというものです。マーケティングにおいて重要なのは、どんな市場に商品やサービスを流すかであり、この市場選択を誤ると後々のマーケティングに響きかねないので、注意しましょう。
また、市場を決定することと同じく大切なのが顧客の決定です。具体的な顧客のイメージを設定して、ペルソナを形作り、社内で共有しておくことが大切です。
2.担当者・各役割を決定する
自社において決定権を持つのは誰なのか、どの部署がどの役割を受け持つのかを決めておく必要があります。Go to market戦略では、商品の企画開発・広告を展開・顧客への営業など、さまざまな役割が必要になります。それぞれの部署で担当を決めておくことで、役割が重ならないようにしましょう。
3.顧客ニーズの調査
商品を市場へ流すためには、顧客にどれだけのニーズがあるのか、また競合企業がどの程度のシェアを獲得しているのかなどを調査する必要があります。市場に競合企業が類似した商品を流している・競合企業の顧客ターゲットや地域・市場が飽和状態になっていないか・顧客ニーズはどの程度あるかなどを詳しく調べておく必要があります。
十分なニーズがあることを確認しなければならず、市場に食い込む余地があることも確認する必要があります。とくに他社の商品とは違う、自社商品のみのほかにない特徴を見つけ出すことも大切です。
調査にはABMという手法を用いるのがおすすめ。
4.適切な価格マトリックスを作成
競合他社と争うためには、何より価格の設定が大切です。もちろんそのほかにも大切なことはありますが、購買意欲をそそるには適切な価格で付けることが大切です。そのため適切な価格マトリックスを作成しなければならず、商品・サービスのレベル感を競合調査によって知ることはできません。
5.バイヤージャーニーを把握
バイヤジャーニーを把握して、総合的な顧客体験を想像することができます。そもそもバイヤジャーニーとは、顧客が自身の問題に気付き、解決策として新商品を見つけてから購入をするまでのことです。
バイヤージャーニーのポイントは、適切なタイミングで必要としている顧客に適切なコンテンツを目につきやすいようにすることです。商品を知るところから購入までの顧客体験を、細かな部分まで想像しましょう。
6.戦略を選択
準備が整ったら、戦略を具体的に選択する必要があります。現場レベルでのプランを選択する必要性を、知っておきましょう。その内容は、商品の採択から広告を展開すること、顧客を選んで関係性を作ることなどが含まれます。細部まで想像し、イメージすることで具体的な戦略が立案できます。
7.見込み客へのコンテンツ作成
戦略を立案した後は、実行に移すことが大切です。基本的には、イメージした戦略をどの程度正確に実現できるかどうかが問題です。戦略を実行する過程で問題が出てきたら、その都度改善していきましょう。そもそもいくら有用な戦略を立案しても、一度で完璧にできるわけではありません。実際の計画遂行度合いを理解しておくことで、改善を重ねることができます。
Go to market戦略で市場細分化の重要性
Go to market戦略のような総合的なマーケティングでは、市場の選択が重要です。市場細分化についての内容を確認・把握しておくことで適切な市場選択ができます。また市場を適切に選択できることで、ペルソナの設定も詳細に行うことができます。つまり、市場の細分化は市場選択を行う上で重要です。
ここでは、市場細分化のメリットや必要な要素の確認などをしていきましょう。
細分化のメリット
市場細分化によって、より商品やサービスに適した、より有利に戦える市場を選択できます。顧客が求める価値を正確に知るためにも、市場だけでなく顧客層も細分化しましょう。Go to market戦略において大切なのは、顧客体験をより詳しく想像することです。
顧客が求める価値を明確にすることによって顧客体験の向上が見込めることは、大きなメリットといえます。また、顧客体験を細かく想像できるということは、それだけペルソナの設定も詳細にできているということでもあります。ペルソナをより細かく設定することも、市場細分化の大きなメリットです。
細分化で必要な要素の確認
市場細分化の大切な要素とは、地域や人口規模である地理的変数・年齢や性別や所得といったデモグラフィック変数・顧客の心理や性格などのサイコグラフィック変数・顧客による購入の頻度や日時などの行動による行動変数です。これらの要因こそが、明確な市場のイメージにつながります。市場が明確にイメージできることで、ペルソナも細かく設定できるでしょう。
まとめ
Go to market戦略に関して、概要から指標となるデータ・戦略の立て方までを詳しく解説してきました。Go to market戦略をうまく活用することで、商品やサービスを必要とする顧客へ届けることができます。
また、さまざまなシステムを利用することで、より低コストで市場分析ができ、必要としている顧客を見つけることもできるでしょう。Go to market戦略を取り入れることで、適切なマーケティングができ、成約率を高めることが期待できます。投入するべき市場や必要とする顧客に関してもれることがないように、多くの人に着実に商品を届けられるようにしましょう。