インテントデータ(intent data)とは、インテント(intent)が「意図」「目的」といった意味であるように、ユーザーや企業の意図や興味関心を示す、Web上における行動履歴データ、またそこから読み取れるデータを指します。インテントデータを分析することで、見込み客が抱える課題やニーズ、検討フェーズ、さらには検討中のソリューション(製品)を捉えることができます。これによって、顧客起点で効果的なアプローチが実現します。
インテントデータの活用は、営業やマーケティング活動の効果・効率を高めます。営業活動においては、ニーズが高まったタイミングを逃さずアプローチすることで、成約率の向上やリードタイムの短縮が見込めます。マーケティング活動においては、顧客が求めるコンテンツ提供によるリード獲得効率の向上や、獲得リード内での優先度付けができ、営業との連携が加速します。
このページでは、インテントデータがどのようにしてビジネスの成果を向上させるか、その具体的な利用方法とともに解説します。
インテントデータとは
インテントデータとは、ウェブサイトの訪問や特定のキーワードでの検索、ソーシャルメディアでの投稿といった、ユーザーや企業の意図(intent)・興味関心を示す、Web上における行動履歴データのことです。これらのデータ以外にも自社で収集・管理しているデータやパートナー企業からの提供データなど様々なデータを含みます。 これまでは企業の静的データやプレスリリースなど企業が発信する情報を中心に活用して、その企業が抱える課題やニーズを推察し、営業やマーケティング活動を行っていました。しかし静的データや企業が発信している情報には企業の購買行動には結びついていないため、営業やマーケティング活動においては不十分な状態でした。 インテントデータは、そうしたデータ・情報とは異なり、ユーザーや企業の購買行動・意欲が反映されたリアルタイムなデータであることが最大の特徴です。インテントデータを分析することで、企業が抱える課題やニーズを即座にキャッチし、営業やマーケティング活動を行うことができます。
インテントデータの種類
インテントデータには、大きく分けて3つの種類があります。 企業が自社で収集しているファーストパーティインテントデータ(例:自社サイトの訪問者の行動ログ、アンケート調査など)、パートナー企業から提供されるセカンドパーティインテントデータ(例:パートナー企業が持つ比較サイトなどの行動データなど)、そしてWeb上の検索キーワードや閲覧履歴などのサードパーティインテントデータです。
ファーストパーティインテントデータ
自社で取得したデータを指します。主に4つのカテゴリに分けられます。
行動データ | 顧客が自社サイト内でどのような行動を取ったか、どのページを訪れたか、どの製品を閲覧したかなどの情報を指します。例えば、特定の製品ページを何度も訪れた場合、その製品に対する顧客の興味や購買意欲を反映している可能性があります。 |
入力データ | 顧客がフォームに入力した情報や、チャットボットとの会話などを通じて得られる情報を指します。顧客が入力した情報から、その顧客の興味やニーズ、課題などを把握することができます。 |
イベントデータ | 自社サイト内で発生した特定のイベント(例:製品のダウンロードやフォームの送信など)を指します。これらの情報から、顧客の興味や行動傾向、購買フェーズなどを理解することが可能になります。 |
コンテンツ編集データ | 顧客がどのコンテンツを閲覧したか、どのコンテンツをダウンロードしたかなどの情報を指します。どのコンテンツが顧客にとって価値があるのか、また、どのコンテンツが顧客の行動を促進するのかを理解するために重要なデータとなります。 |
ファーストパーティインテントデータは、自社と接点を持った顧客の行動パターンや興味、購買意欲を把握し、それらに基づいたパーソナライズされたアクションをとるために活用されます。
セカンドパーティインテントデータ
パートナー企業にとってのファーストパーティデータを指します。例えば、ビジネスパートナーやベンダーから提供されるデータで、より広範な視点から顧客の行動や興味を理解することに役立ちます。パートナー企業のサイト訪問者の閲覧履歴など、具体的な顧客行動のインサイトが得られます。
サードパーティインテントデータ
サードパーティインテントデータは、自社の直接的な関係範囲外から取得するデータを指します。これには、検索エンジンでの検索キーワードや、メディア閲覧などのWeb上での行動履歴が含まれます。このタイプのデータは、自社やパートナー企業と接点を必要としないため、得られるデータは広範かつ膨大で、購買プロセスが複雑化する現代のBtoBビジネスにおいては、最も有効なデータだと言えます。 徹底解説!BtoB営業の常識を変える「インテントデータ」とは?のダウンロードはこちら
インテントセールスSaaSではサードパーティインテントデータの取得可能
Sales Marker をはじめとするインテントセールスSaaSは、数億にも及ぶWeb上のあらゆるデータを収集しており、それらを自動で分析し、自社のビジネスに関連するリサーチをしている企業を特定してくれるテクノロジーです。このインテントセールスSaaSを活用することで、企業は膨大な量のサードパーティデータを容易に習得し、かつ活用可能な状態として見ることができるようになり、質の高いインテントセールスを実践できるようになるのです。 ※Sales Markerでは、許可されたインテントデータのみを扱っています。詳しくは「Clean Data Policy」をご覧ください。 【資料】徹底解説!新時代の営業手法「インテントセールス」とは のダウンロードはこちら
インテントデータが重要視されている理由
現代のBtoBバイヤー(見込み客)は、購買プロセスの約70%を「匿名」状態で進めています。 Webサイトやブログ、SNS、動画、レビューサイトなど、様々な情報チャンネルと発信者が存在する昨今、見込み客は「ソリューションベンダー以外から十分に情報収集ができる」ようになっています。購買の意思決定プロセスにおいて、情報を得るためにわざわざ「個人情報ベンダーに提供する」必要がありません。つまり、見込み客はほとんどの調査を終えた上で、検討対象の数社のみに問い合わせするため、購買プロセスの早期段階で「リード化」する見込み客が圧倒的に減少しているのです。 見込み客がソリューション探しや比較・検討などの情報収集の早期段階で「自らリード化すること(自社資料のダウンロードやセミナー参加など)」を前提に作られているマーケティング戦略では、この先さらに投資対効果は落ち込んでいくでしょう。
現代のBtoBバイヤージャーニーのもう一つの特徴として「オンライン調査」が挙げられます。ほとんどの見込み客は、課題に対するソリューションを探すために、インターネットやSNSを利用します。 購買プロセス全体を分解すると、約20%が社内調査(上司や同僚からの情報収集など)、50%がサードパーティ上での調査、残り30%はベンダーからの情報収集になっています。 さらに、ベンダーからの情報収集のうちの半分は「商談」であるため、それより前の段階でベンダーと見込み客の接点は「15%以下」です。 つまり、仮に購買プロセスの早期段階で「リード化」させることに成功し、かつマーケティングオートメーションなどのサービスを利用していたとしても、ベンダーは見込み客の行動のうちのほんの15%以下しか可視化できないということになります、自社が保有している購買行動データは非常に極小であるがゆえに、ほとんどのマーケターが「パーソナライズ」からは程遠い「コンテンツの大量政策・ばらまき配信」状態に陥っている状態が現実でしょう。 そうした状態にならないためにも「インテントデータ」が重要です。
インテントデータがBtoBビジネスで浸透していない4つの理由
インテントデータがBtoBビジネスで浸透しなかった理由は以下4つです。 ①データが取得できない ②膨大なデータを分析し、活用ができない ③セールスに役立つインサイトを得られない ④セールスで成果を出せない この4つの障壁を解決するものがインテントセールスSaasです。 インテントセールスSaasであるSales Markerは、法人データ約520万件、部署データ約160万件、人物データ約570万件、1日当たりのインテントデータ約50億レコードという膨大なデータから、インサイトを導き出し、営業戦略と紐付ける高度な分析技術を要しています。 また、セールスで成果を出すために、トップセールスのノウハウをラーニングした生成AIを搭載し、4つの障壁を国内で唯一解決が可能になっております。
インテントデータの活用法
①「今、あなたのサービスを欲しい顧客」が見つかる
インテントデータを活用することの最も大きなメリットのひとつが、確度の高い潜在客へのリーチが可能になることです。従来では、資料請求や問い合わせなどの「顧客側からの直接的なアプローチ」を得る以外に、自社製品・サービスに対する購入意向を持つ企業(持つ可能性が高い企業)を検知する方法がほとんどありませんでした。従って、実はニーズがあるが自社とは接点を持ってくれていない見込み客にリーチするためには、製品・サービスの対象ユーザーとなる全社に総当たりするしかなく、コスト・効果共に効率が悪い状態でした。 インテントデータを活用することで、リードジェネレーションからクロージングまでの購買プロセスのあらゆるフェーズにおいて「高確度」の見込み客を早期段階で特定し、優先的にアプローチすることが可能となります。
②ターゲティングの強化
従来のBtoBマーケティング・セールスは、アプローチの基準を、リードや企業の「属性情報」に大きく依存していました。もちろん、役職や業種、売り上げや従業員規模などの「属性情報」は必要不可欠ではあります。しかし、自社の理想的なターゲット像に一致していることが、イコール自社製品に対する興味やニーズがあることに繋がるわけではありません。 インテントデータを使い、見込み客の行動履歴データを可視化することで、属性情報にプラスして「興味関心・ニーズの有無」などの指標をターゲティングに与えることができるようになります。さらに、サードパーティのインテントデータの活用により、自社に関連する特定のキーワードで検索をしている企業がわかるようになるため、顧客行動を起点としたターゲティングが可能となります。
③リード・スコアリングの改善
インテントデータを使うことで、リードの優先順位付けの精度を向上させることができます。リード個人と自社コンテンツとのエンゲージメントの頻度と強度(個人xファーストパーティデータ)に加え、企業単位での自社と関連するトピックの検索頻度や強度(企業xサードパーティデータ)があることで、行動が購買に紐づいているのかどうかの判定がしやすくなります。 BtoBの購買は多くの場合「個人」では行われず、購買プロセスには複数名が関与します。属性データや、個人単位のファーストパーティデータにプラスしてサードパーティ情報からわかる企業のインテントがあることで、アプローチする営業リソースに無駄や、機会損失の発生リスクを低減させることができるようになります。
④コンテンツ戦略とアプローチの最適化
インテントデータは、ターゲットに対して有効度の高いコンテンツの作成と、アプローチの最適化にも役立ちます。いつ、どんなキーワードで検索していたかなど、Web上の行動から、見込み客が今興味を持っていることや知りたいこと、サービス導入の検討がどの段階に及んでいるのか、などを推測することができます。営業やマーケティング担当者は、見込み客ごとに最適な情報を、最適なタイミングで提供できるようになるため、販促効果が向上します。
⑤営業とマーケティングの連携
マーケから渡されるリードはアポ率が低いから対応しないという営業、営業がアプローチしてくれないからアポ率が上がらないというマーケ。インテントデータはこれらを解決できます。 マーケターが獲得するリードの中には顕在客もいれば、購買意欲はあるが、まだ初期の調査段階にあり、営業と話す前に自分の知識を高めたいフェーズのリードもいます。インテントデータで、現在のニーズ(検討フェーズ)をより明確に把握することで、営業がアプローチすべきタイミングではないリードを営業に渡さないようにできます。結果、営業とマーケ間に信頼ができ、商談化率の向上やCAC低減につながります。 ※マーケティングー営業間の連携が成功している場合、商談の成約率は67%向上し、顧客獲得コスト(CAC)は30%程度削減されるといわれています。
インテントデータの活用シーン
①インテントセールス
企業のWeb行動履歴データからわかるニーズに基づき、顧客起点で行う新時代の営業手法です。 顧客のニーズの有無に関わらず手当たり次第に行う営業ではなく、「自社サービスを、今欲しい企業」に狙いを定めてアプローチできます。 ・インバウンド/アウトバウンドセールス ・AIセールス(セールスイネーブルメント・業務の自動化) ・パートナー・代理店ビジネス
②インテントマーケティング
インテントデータを用いたマーケティングを実践すれば、CPA抑制やHOTな見込み客の確保、アポ確度の高いリスト作成などが実現できます。 ニーズが顕在化している企業へのリード獲得やナーチャリング施策でBtoBマーケティングの成果を向上させます。 ・インテント広告 ・コンテンツマーケティング ・リードナーチャリング
日本初のインテントセールスSaaS。
Web検索行動から今すぐ欲しい顧客がわかり、
「受注に繋がるいい商談」が増える。