この記事は約 11 分で読めます。
- BtoBメルマガを配信する目的と効果
- リストの離脱防止
- 案件・商談の創出
- ニーズ調査
- ナーチャリング
- 告知
- BtoBメルマガで書くべき内容・ネタは?
- 基本的には「価値提供」を意識
- 自社サービスの活用事例
- 顧客の課題解決
- BtoBメルマガで見ておきたい数字
- 開封率
- クリック率
- 問い合わせ数
- 成約率
- 配信停止率
- BtoBメルマガで効果を上げるには?
- 数字を計測して見る
- 目的を持って配信する
- タイトルに最も力を入れる
- 読まれやすい構成を意識
- 曜日・時間帯・頻度を意識
- URLクリックを促す文言を意識
- セグメント配信を活用
- LTVも意識して高める
- BtoBメルマガで成功した事例
- キーエンス
- ビックビート
- JBサービス株式会社
- 購買意欲の高い顧客にアプローチするには「Sales Maker」
- BtoBメルマガで売り上げアップを狙おう!
製品・サービス販売のために、メルマガを活用している会社が増えてきました。メルマガは定期的に顧客にメッセージを届けられ、自社の製品をアピールする手段の1つ。
しかしメルマガ経由で問い合わせがなかなか来ず、商品の販売に繋がらないといった問題もあるかもしれません。
この記事では、特にBtoB向け製品・サービスを扱うメルマガで効果を上げる方法や成功事例などを解説します。
BtoBメルマガを配信する目的と効果
そもそもBtoB向け製品・サービスの販売のためにメルマガを配信しているのはどうしてでしょうか。メルマガを配信する目的と効果について解説します。
リストの離脱防止
まずはリストの離脱を防止する目的。オウンドメディアやSNSを通して顧客リストを獲得したものの、そのリストを眠らせたままにしておくのはとてももったいないです。
リストは大きくホットリード・ウォームリード・コールリードの3つに分類されます。ホットリードは自社製品・サービスに対する興味関心が高く、購買意欲の高い顧客リスト。
ウォームリードは一定の購買意欲が見られる見込み顧客のリストで、コールドリードは製品・サービスの購入の可能性が低い顧客リスト。
メルマガに登録した直後はある程度自社製品に対して購買意欲が高いためホットリード・ウォームリードに分類されます。しかしメルマガを配信しないと徐々に興味関心が薄れていき、コールドリードへと変化することに。
鉄は熱いうちに打てと言いますが、リストも同じで熱いうちにアプローチすると高い成約率を叩き出せます。
定期的にメルマガを配信しコールドリードをウォームリードに引き上げる、あるいはウォームリード・ホットリードをコールドリードに落とさないようにするのがメルマガ配信の目的の1つです。
案件・商談の創出
メルマガを配信するのは、最終的には自社製品・サービスを購入してもらうため。とはいえBtoB向け製品・サービスの場合、価格が高額になる場合も多々あり、メルマガのみで購入を決定するのは困難な場合がほとんど。
そのため、リストの中から購入を検討している顧客と直接商談を行う場を作ることを目的としてメルマガを配信する場合が多いです。
問い合わせや商談の依頼があったら後日時間を設けてじっくりとセールスを行い成約に繋げましょう。
ニーズ調査
顧客のニーズ調査を目的としてメルマガを配信する場合もあります。
例えば新製品を開発する場合。既存の顧客リストに対して、現状の悩みをアンケート形式で尋ねたり、新サービスのモニターを募集して意見をもらったりして、顧客のニーズを探れます。
メルマガリストの顧客は、ある程度自社の製品に興味を持っているため、より深いニーズを探ることができ新製品の開発に役立ちます。
また、現行サービスの満足度を調査し、より顧客満足度を高めるための施策を講じるという活用法も。
メルマガは顧客とコミュニケーションを取れるツールでもあるので、顧客ニーズを把握する目的で利用できます。
ナーチャリング
ナーチャリングとは顧客教育のこと。リストにはホットリード・ウォームリード・コールドリードの3種類あると先述しました。
ナーチャリングはコールドリードをウォームリードに、ウォームリードをホットリードに引き上げることを指します。
定期的にメルマガを配信し、自社製品・サービスの特徴や他社にはないメリットを知ってもらい、信頼を獲得し顧客をファン化させましょう。
ナーチャリングが十分に行われていると、商談・セールスの際も「御社の製品・サービスだから購入します」と言ってもらえる場合があります。
メルマガは一般顧客から自社製品・サービスのファンに引き上げることも目的とされます。
告知
新商品の発表やメルマガ読者限定でのプレゼントなど、各種告知を行うためにもメルマガは活用されます。
メルマガは顧客とコミュニケーションを取れるツールでもあるので、合言葉を返信すると割引が適応される、プレゼントがもらえる、といった仕掛けも実施可能。
リストがたくさん溜まっていれば溜まっているほど一斉に告知を行えるので、効率的に多くの見込み顧客にアプローチできます。
BtoBメルマガで書くべき内容・ネタは?
メルマガを発行するメリットや目的は分かっているものの、どんなネタでメルマガを書けばいいのかわからない、という経験はメルマガ担当者なら1度はあるかもしれません。
BtoB向けメルマガではどのようなネタで、どのような内容のメルマガを書けばよいのでしょうか。
基本的には「価値提供」を意識
メルマガの基本スタンスは「価値提供」。現代は広告が飽和し、顧客の目も肥えてきたためSNSなどでもあからさまな広告はスキップされることが多くなりました。
そんな中、メルマガで毎回商品の宣伝やPRなどの内容が届くとどう感じるでしょうか。すぐにメルマガを解除しよう、迷惑メール設定をしようと思うでしょう。
一方、今悩んでいる課題を解決してくれる内容や、ビジネスのブラッシュアップに繋がる内容が書かれているメルマガだとどうでしょう。役に立つと感じて積極的に読もうと思うのではないでしょうか。
商品のPRばかりだとすぐにメルマガ読者が離脱するので、基本的には価値提供というスタンスを崩さずメルマガを作成しましょう。
とはいえ最終的には自社商品の購入や問い合わせに繋げたいので、価値提供を行いながらも、さりげなく自社商品の強みなどを吹き込んであげると効果的です。
自社サービスの活用事例
メルマガ読者の中には自社でどのような製品・サービスを取り扱っているのかを知らない顧客も一定数います。またサービス自体は知っていても使い方や詳細まで理解している顧客はごく少数。
そこで、自社製品・サービスの活用事例をメルマガで取り上げてみましょう。読者は「こんな使い方があるのだ」と新たな発見をして、自社製品・サービスに興味を持ってくれる可能性があります。
ただし活用事例ばかり取り上げるメルマガだと商品のPRしか行わないメルマガだと思われてしまい解除される可能性も高まるので、頻度は考慮しましょう。
顧客の課題解決
メルマガは読者と相互でコミュニケーションを取れるので、その性質を活用してコンテンツを作成しましょう。具体例の1つが、顧客の課題を解決するコンテンツ。
メルマガで今課題に感じていることをアンケート形式で募集し、その悩みを解決してあげると、顧客のニーズにも応えられ、顧客に価値を提供できるコンテンツを作成できます。
他にもアンケートを実施して結果を公表するコンテンツや、顧客の投票によるランキングを発表するコンテンツ、大喜利のような面白みのあるコンテンツなども作成できます。
アイディア次第でメルマガのネタは広がりそうですね。
BtoBメルマガで見ておきたい数字
メルマガを配信する上で欠かせないのがデータ。データを見ることで現状のメルマガの改善点が見えてきます。
メルマガをブラッシュアップするためにどのような数字を見ればよいのでしょうか。
開封率
まずは開封率。開封率はメルマガが開かれたかどうかを表す数値です。メールが届いたら開くだろうと思うかもしれませんが、工夫しないとメールを見てもらえません。
メールを開く前は、メールの件名と冒頭の文章が表示されますが、顧客はその部分を見て開く価値があるかどうかを判断しています。
つまり、開封率を高めるためにはタイトルと冒頭の文章に力を入れましょう。
クリック率
クリック率は、メルマガ内にURLを挿入した場合、特定のURLがクリックされた割合。
例えばサービス詳細が記されたLPへ誘導することを目的とした場合、メルマガのゴールはLPのURLがクリックされること。つまりクリック率を計測するとメルマガの目的がどの程度果たされたかを知れます。
クリック率を向上させるには、URLをクリックさせる誘導文を工夫するのが効果的。思わずクリックしたくなるコピーを用いて誘導文を作成しましょう。
ABテストを実施するとどのような誘導文が効果的かがわかります。
問い合わせ数
問い合わせ数はメルマガ配信後に電話やメールなどで問い合わせがあった数のこと。問い合わせが入れば商談が決まったりサービスの購入に至ったりします。
メルマガからいきなりサービスが購入される場合もありますが、一度問い合わせを挟んで購入に至る場合もあります。
成約数とは別に問い合わせの数も記録しておくと、より詳細にメルマガ配信の効果測定を行えます。
成約率
成約率はメルマガの配信により製品・サービスの購入に至った割合。
成約はメルマガ経由で直接成約する場合と問い合わせを挟んで成約が決まる場合の大きく2パターンに分かれるので、この2つを分けて記録するとメルマガの効果を詳しく分析できます。
配信停止率
メルマガは読者サイドでいつでも配信停止できます。メルマガ配信を行い配信停止された割合が配信停止率です。
配信停止率を測定すると、異常に配信停止率が高い配信が出てくる場合があります。そうした配信があった場合、どうして配信停止に繋がってしまったのかを分析し、次回はそのような配信を行わないよう注意するといった活用方法があります。
BtoBメルマガで効果を上げるには?
せっかくメルマガを配信するならしっかり効果を上げたいですよね。メルマガで効果を上げるにはどうしたらよいのでしょうか?
数字を計測して見る
メルマガで効果を上げるには、データを計測し改善できる点がないかを常に見るのが効果的。取るべき数値としては、先述した開封率やクリック数、問い合わせ数、成約数など。
これらを計測すると、メルマガの効果がどの程度あるのかが見える化され、現状の改善点やそのための施策も見えてきます。
例えば開封率が低い場合、メルマガのタイトルを改善する必要がありますし、開封率は高いものの問い合わせ数が少ないのであれば、問い合わせを促す文言を考え直してみるなどの施策が考えられます。
目的を持って配信する
メルマガは1通1通目的を持って配信するようにしましょう。例えばこのメルマガは自社製品の事例を紹介し、顧客に製品の魅力を知ってもらうために送る、このメルマガは顧客からの問い合わせをゴールとして送る、などです。
目的なくメルマガを配信してしまうと、受け取った顧客はどうしてメールが送られてきたのだろうと感じる原因に。また数字を取っている意味も薄れてしまうので、改善点を見出しづらくなってしまいます。
常に目的を持って配信し、配信後は予想通りの結果が得られているのか数字を見て確認し、次回の配信に活かすといったサイクルを作ると、より洗練されたメルマガを配信できます。
タイトルに最も力を入れる
顧客に商品を購入してもらうためには「3つのnot」を超えなければなりません。その3つとは、「not read」「not believe」「not act」。
つまり顧客はそもそもコンテンツを読まないし、読んでも信じないし、信じても行動しません。
この3つの中で最初に立ちはだかる壁が「not read」。この壁を越えるのに重要なのがメルマガのタイトルです。
せっかくメルマガでいい内容を書いていても、メールを開かれないと読んでもらえません。思わず読みたくなるような気を引くタイトルをつけるよう意識しましょう。
読まれやすい構成を意識
メルマガは基本的に文字が多くなります。活字がズラっと並んでいると拒絶反応を起こして離脱する読者も一定数います。
最後までメルマガを読んでもらえるよう、メルマガの構成を意識しましょう。
例えば文字はある程度大きくする、改行を適宜入れる、適度に画象を挟む、色分けするなどが挙げられます。
曜日・時間帯・頻度を意識
メルマガは配信する曜日や時間帯によって開封率が変わります。例えばサラリーマンを対象に平日お昼13時にメールを送ったとします。
ターゲットとしている人はその時間は仕事中なのですぐにメールを開けません。しかしそのターゲットには13時以降もメールが複数届き、仕事が終わった時にはこちらから送ったメールがメールボックスの下の方に埋もれてしまいます。
メルマガはターゲットがメールを見られる時間帯に送るのがベストです。いくつか配信する時間や曜日を変えてみて、どの時間帯がよいか探っていきましょう。
また頻度も多すぎると顧客から疎まれてしまい、登録解除率が上がる可能性もあるので、頻度にも注意しながら送りましょう。
URLクリックを促す文言を意識
メルマガ内のURLをクリックしてリンク先を見てもらいたい場合、URLクリックを促す文言も意識しましょう。
ポイントとしては、リンク先に何が記載されているのかを明確にすること、曖昧にではなくしっかりと「クリックしてください」と行動を促すことの2点です。
セグメント配信を活用
セグメント配信とは、特定の属性の顧客にのみメルマガを配信するというもの。例えば40代の女性にのみメールを配信する、といった機能です。
セグメント配信を活用すると、ターゲットに応じて言葉遣いを変えてメルマガの配信が可能。
その結果、読者には「自分に語りかけている」と感じてもらえ、問い合わせ数や成約数の増加に繋がります。
LTVも意識して高める
LTVとは、Life Time Valueの略で、顧客が一生涯で自社にどの程度利益を得られるかを表す指標です。LTVを高めるためには、既存顧客からのリピートが必須。
メルマガ配信により新規顧客の獲得もできますが、既存顧客からのリピートを促すこともできます。既存顧客のリピートを目的とした配信も作成してみましょう。
BtoBメルマガで成功した事例
BtoBメルマガで成功した企業の事例を紹介します。
キーエンス
(引用: 株式会社キーエンスHP)
キーエンスは測定器具などを提供している企業です。キーエンスはオウンドメディアの集客が強く、ホワイトペーパーの量と質が高いのが特徴。
メルマガでは業界の最新情報や有益な知識を提供しており、専門性や信憑性の高さが評価されています。
信頼されていて最新の専門知識をつけられるメルマガなので開封率が高く成功した事例の1つ。
ビックビート
(引用: 株式会社ビックビートHP)
ビックビートは広告代理業やイベント制作を行う会社。
ビックビートのメルマガの特徴は、顧客をセグメントして配信を行っている点。業種だけでなく購買履歴や役職などのデータも活用してセグメントを行っています。
さらにABテストを実施することで、最適なタイトルやコンテンツ、配信時間を見出し、パフォーマンスを最大化。
データをうまく活用して効率的にメルマガ配信を行い成功した事例です。
JBサービス株式会社
(引用: JBサービス株式会社)
JBサービスはセキュリティやIT運用の支援を行っている企業。
こちらの企業には、獲得した7000名分もの名刺の情報が使われずに放置されているという課題がありました。
そこでこの名刺にタグづけを行い、セグメント化してメルマガを配信。その後開封やクリックなどのアクションがあった人に対して、さらにメール配信を実施。
その施策の結果、獲得して放置していた名刺のリストから、申し込みや資料請求などのコンバージョン獲得に繋がりました。
活用しきれていないリストを活用して売り上げを伸ばした成功事例です。
購買意欲の高い顧客にアプローチするには「Sales Maker」
メルマガは顧客リストの獲得からスタートします。リストを獲得できないとメルマガを作成しても配信する顧客がいないという状態になってしまいます。
特に自社製品・サービスへの興味関心が高い顧客リストを獲得できると、メルマガの効果も高まります。
そこで活用したいのが「Sales Maker」。Sales Makerは自社製品・サービスを欲している顧客・企業にアプローチできるツールです。
Sales Makerを活用すると、初めから自社サービスに興味のある見込みの高い顧客リストを効率的に獲得できます。興味のある方はこちらから詳しくご覧ください。
BtoBメルマガで売り上げアップを狙おう!
この記事では、BtoBメルマガで売り上げを上げるための施策や成功事例について解説しました。
メルマガは価値提供を基本スタンスとして自社製品のPRなどを適宜挟み込み、開封率や成約率などの数字を取りながら内容をブラッシュアップすると、より高いパフォーマンスを発揮できます。
メルマガを活用して売り上げアップにも繋がりますし、顧客ニーズの調査やアンケートなど顧客とコミュニケーションも取れます。
この記事を読み返してぜひメルマガで売り上げアップを狙ってください。
この記事を書いた人
この記事を書いた人
荻原 慎太郎
CrossBorder株式会社 取締役 COO。
キーエンスに入社後、法人営業として輸送や電子部品、食品業界などの企業向けに産業機器の販売に従事した後、Voicyに転職。入社直後、法人営業の立ち上げに事業開発として携わり、在籍中は法人営業を中心に、新規営業、営業企画、アライアンス、カスタマーサクセスなどの事業拡大を図る幅広い業務を担当。 その後、CrossBorder株式会社を共同創業。大企業とスタートアップ2社での経験を活かし、BtoBセールスインテリジェンスサービス「SalesMarker」を立ち上げる。