体系化されたノウハウで営業成果を生む「インテントセールス」。成功のカギは「USP」の策定と活用に。
- ・BDR未経験のメンバーが多く、効率よくアプローチできていなかった
- ・USPが言語化されていなかった
- ・セールスシグナル®
- ・インテントコール
- ・インテントフォーム
- ・USPの明確化により、アプローチ先やメッセージングが最適化された
- ・BDRの幅が拡大し、戦略的にアプローチできるようになった
この記事は約 0 分で読めます。
W2株式会社は、常にアップデートし続ける最先端ECソリューションと、大規模ECの複雑な課題を解決する圧倒的な総合支援力で、EC事業の成功を支えるシステム企業です。
OMO/オムニチャネル対応型総合ECプラットフォーム「W2 Unified」や、サブスク/定期通販特化型ECプラットフォーム「W2 Repeat」の提供を通じて、業界標準を塗り替える挑戦を続けるともに、急速な市場変化にも柔軟に対応し、幅広い業界のEC事業を次のステージへと押し上げています。
そのような成長が著しいEC市場において、事業の成長をさらに加速させることを目的として目を付けたのが「インテントセールス」でした。導入当初は「顧客インテント」を活用した新規開拓営業のイメージを持っていましたが、活用を進める中で営業「組織」への影響力に気づきがあったというお話を伺いました。
ー導入前はどのような課題を抱えていたのでしょうか?
EC業界はここ数年で急速に市場が拡大しており、日本国内の市場規模は前年比約3兆円、そして成長率は9.23%と、右肩上がりの成長を見せています。当社も市場拡大に比例し成長を続けてきました。しかし、市場全体が成長する一方で、競合他社も増え、競争が激化し、新規顧客の獲得に課題を抱えていました。
自社を成長させるにはリードが足りないという状況が続く中で、準顕在層と顕在層の新規顧客獲得を強化すべくアウトバウンドでBDR(新規顧客獲得)組織を立ち上げました。
ーSales Marker導入の決め手は何ですか?
BDRに注力するにあたり、重要視していたことは「豊富な企業リスト」と「情報量」、そして「結果につながる根拠があること」です。
「豊富な企業リスト」と「情報量」という点において、520万社以上の法人データ、そして豊富な部署・人物情報を含有するSales Markerのデータベースはとても魅力的でしたし、活用することで、アウトバウンドの可能性が広がると感じました。
また、ターゲットリストの作成だけでなく、アプローチまで一貫してワンプラットフォーム上で行えることが魅力でした。リストごとのアプローチと実行の結果データが正確に得られるため、成果に繋がる要因の仮説検証がしやすく、より戦略的に営業活動ができる点も魅力でした。
Salesforceと連携できる点もよいと思いました。当社は、顧客管理をSalesforceで行っていますが、Sales Marker と Salesforceを連携することで、新規開拓営業だけでなく、ハウスリストにもインテントをはじめとしたデータ起点の戦略的なアプローチが可能となることが期待できたからです。
ターゲティング精度を向上させるデータベースが強みのサービスは他にも存在しますが、ハウスリストとの連携機能とインテントを起点としたアプローチ機能が合わせて提供されている仕組みに大きな可能性を感じ、導入に至りました。
ーSales Markerの活用状況について教えてください
セールスシグナル®をもとに、BDRチームがアウトバウンドコールを行っています。
特に、自社商材と近いキーワードを設定することで、自社のターゲットにマッチした顧客が何を必要としているのか興味関心を可視化できるため、より粒度の高いターゲティングとアプローチを実現しています。
また、「リード創出」「リードのナーチャリングからトスアップ」「フィールドセールスによる商談」という3つのステップのうち、当社では、マーケティングによる「リードの創出」とインサイドセールスによる「ナーチャリング」にもセールスシグナル®を活用しています。
マーケティング組織が、インテントフォームの活用など新たなリード創出に注力し、セールス組織でセールスシグナル®の上がった企業へのアプローチを行なっています。セールス組織の狙っているターゲット層は同じですが、ハウスリストに情報がない完全新規のリードはBDRチーム、既存のハウスリスト内のアプローチはSDRチームが掘り起こし、と対象を棲み分けて取り組んでいます。
運用して気付いたインテントセールスにおける「USP」の重要性
ーBDR組織を立ち上げたタイミングで、インテントセールスを開始されたとのことでしたがいかがでしたか?
インテントセールスを開始したなかで、特に大きな気づきだったのはUSP(Unique Selling Proposition:競合にはない自社独自の強み)を軸にした運用の重要性です。USPを明確にしたうえで、キーワード設定やアプローチの最適化を行うことが成果に繋がるカギだと感じています。この点は、「営業現場」だけでは気付きを得ることが難しかったと思います。
というのも、実はSales Marker導入後しばらくは成果が出ていなかったんです。その理由の一つが、BDR未経験のメンバーが多かったこともあり、Sales Markerを活用するイメージが湧いていなかったことが要因だと考えています。
その点で、ISC(インテントセールスコンサルタント)には、かなり助けていただきましたね。
まずはUSP*を明確にすること、そしてUSPを軸にキーワード設定やターゲティング条件を決めること、そしてUSPにあわせてセールストークを最適化していくというステップを、Sales Marker の運用と同時に始めており、これからの効果に期待しています。
USPを言語化し、ターゲティングや施策に反映するという行動は、マーケティング領域や営業戦略を企画する立場の人間にとっては当たり前に行うことだと思いますが、BDRチームの営業メンバーにはあまりなじみがないことだったと思います。ターゲットリストを作成するにしても、何をどこから始めればいいのか、抽出条件はどのように決めたらよいのか、セールストークはどう作ればいいのか、などがわからないと せっかく Sales Marker を導入しても効果的には活用できません。顧客のインテントを起点とするインテントセールスのやり方を ISC におしえてもらうと同時に、個々の営業メンバーが戦略的に営業を行うプロセスを学び得たというのは、商談数などの数値的な成果とは別に、Sales Marker の導入により得られた価値だと感じています。
*USP:Unique Selling Proposition。その商品やサービスだけが持つ、顧客に提供できる価値や独自の強みのこと
ーISCと密にコミュニケーションをとられていますが、サポート体制はいかがでしたか?
ISCご担当者のフォローがとても細かく、手厚くご支援いただいています。
導入当初、なかなかインテントセールスについて取り組む時間が取れない状況下でしたが、常にその時々で必要な打ち手を提案していただきました。特に、USPの策定時は、当社サービスについて我々以上に調べていただき、まるで社内メンバーかのように、成果創出に向けて考えてくれました。
メールやチャットボットで対応されている企業もありますが、Sales Markerのサポートは現場に寄り添って痒いところに手が届くような対応をしていただけるので、とてもありがたい存在です。
ーインテントセールスの成果はいかがでしょうか?
Sales Markerを活用することで、BDRのアプローチを拡大することができ、戦略の幅が広がりました。
当社がもともと抱えていたリストに対して、セールスシグナル®を軸に細かなターゲティングや、課題軸でのアプローチ先選定ができることで、アプローチすべき企業の優先順位付けにも役立っています。実際に、セールスシグナル®をもとにインテントコールを行うことで商談獲得にも繋がっていますね。
組織連携でインテントセールスの成果最大化へ
ー今後、成果創出に向けて構想されていることがあれば、教えてください。
USPのブラッシュアップは引き続き実施し、インテントセールスの効果を上げていきたいと考えています。
成長期を迎えているEC業界では、競合他社もサービスのアップデートを加速している中で、自社も同様に変化に対応する必要があります。そのため、USPを常に見直すことで、その時々に適したターゲティングやセールシグナル®︎を最適化し、柔軟な戦略を構築できればと思います。
また、BDRをこれから発展させていくのと同時に、今ある強みをインテントセールスでより一層強化していきたいですね。
セールスシグナル®の活用=検索キーワードを軸にしたターゲティングと考えがちですが、Sales Marker のビジターインテント分析が当社にかなりフィットすると感じているので、今後利用していきたいですね。当社は、コンテンツマーケティングやメールマーケティングで高い成果が出ているのですが、そういったマーケティングチームや SDR の取り組みにより「自社サイト訪問や、コンテンツの閲覧などに至った企業やリードを検知」し、アプローチすることがビジターインテント分析機能により可能になると考えています。興味喚起(マーケティング)とアプローチ(営業)の連携を強化する活用に発展させていければと考えています。
ーセールスだけでなく、マーケティング組織とも連携しながらの活用も想定されているそうですね。
インサイドセールス、フィールドセールス、マーケティングそれぞれが連携しながら、顧客インテントを起点にアプローチを最適化していく「インテントホイール」の流れは重要だと考えています。現在は、活用が軌道に乗り始めた段階ですが、インテントホイールを回せているかを常に見直しつつ、その時とるべきアクションを連携して取り組めればと思います。
そのためには、AI の活用も重要だと考えています。マーケティングやSDRが強いというのはメリットでもあると同時に、そこに配分するリソースが優先され、BDRチームとの連携に割けるリソースが限られてくるという課題が発生します。有限なリソースの中で、「できない」と割り切るのかというと、それは最適解ではありませんので、生成AIによる文面生成機能や、特定条件をトリガーとした業務フローの自動化機能、なども併せて検討し連携していきたいと考えています。
ー最後に、Sales Markerを検討中の方にメッセージをお願いいたします。
Sales Markerは、ただのターゲティングツールとして導入するだけで成果を出せるものではなく、インテントセールスを実践することで成果を出すという意識を持つ必要があると思います。USPや顧客ニーズの重要性を理解する必要があります。
サービスの強みやターゲット、競合、そして中長期的なビジョンが既に明確であれば、Sales Markerの持つインテントデータがかなり強力な武器となり、成果が上がりやすいと考えています。
そこまで明確化できていない場合でも、ISC担当者が丁寧に寄り添って伴奏してくれると思うので、しっかりとISC担当者と連携していくことで、良い結果に繋がると思います。