2024.09.04
SFAとは?CRMとの違いや導入メリット・ツールの選び方まで解説
この記事は約 10 分で読めます。
営業担当者であれば一度は耳にしたことのあるSFA。
「具体的な用途」や「CRMとの違い」がわからないという方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、SFAの概要・導入メリット・選び方・料金体系など詳しく解説します。「営業活動の標準化を行いたい」「業務を効率化し売上を向上させたい」という方はぜひ最後までご覧ください。
SFAとは?
SFAとは、営業活動を可視化し営業業務を自動化・効率化する営業支援システムを指します。具体的には、営業活動における顧客情報や案件情報などのデータを全て一元管理、データ化・分析が可能になり、営業品質の向上が期待できます。
営業活動は業務の性質上、属人化しやすく営業活動で得たノウハウや経験は担当者だけものとなり各担当者の能力によって営業成績にバラつきが生じやすいのです。
これらの問題を解決する手段としてSFAが非常に有効です。
SFAとCRMの違い
SFAはCRMと混同されがちですが、明確な違いがあります。
ここからは、
- SFAとCRMの役割の違い
- SFAとCRMの機能の違い
についてそれぞれ解説していきます。
SFAとCRMの役割の違い
まずはSFAとCRM、MAの役割の違いは以下の図のように示すことができます。
SFAとCRM、MAの役割の違いとしては、リード獲得から受注後までの担うプロセスに違いがあります。
例えば、CRMは受注以降の「顧客とのコミュニケーション」がメインの役割に対し、SFAは営業活動において商談から受注までの「進捗管理や顧客管理など」営業活動を効率化・標準化をサポートする役割を担います。
また、MAはリード獲得・育成のために必要なマーケティングを支援・強化し自動化するツールです。SFAやCRMと連携して使用されることが多く、自社が取得した情報をもとにより効率化なマーケティングや営業活動が可能になります。
SFAとCRMの機能の違い
次にSFAとCRMの機能の違いについて見ていきましょう。まずは下記表をご覧ください。
SFAは、案件の進捗状況や受注した顧客情報を管理・データ化し分析する機能があります。 これにより営業担当者は営業活動における必要なアクションを分析したデータをもとに、顧客に対して最適な対応が可能になります。
CRMは、顧客データの管理や既存顧客へのサポートする機能があります。これらのデータは、顧客にとってより関心の高い情報の発信など良質なマーケティング施策を実行できます。
SFAとCRMの違いについて詳しく知りたい方は下記記事を合わせてご覧ください。
SFAの導入目的・メリット
SFAの導入目的・メリットは経営層・営業マネージャー・担当者それぞれあります。
主なメリットは以下3つです。
- 売上向上
- 営業プロセスの可視化
- 営業スキルの標準化
売上向上
SFA導入における売上向上は営業担当者に限らず、経営層にとっても大きなメリットです。
SFAを導入すれば、各担当者の営業活動における収集・分析したデータをもとに各担当者が効率よく営業活動を行うことができます。
例えば、受注につながった顧客のデータを分析し「コンサル業界」の受注が多いと分かれば、コンサル業界に絞った効率的な営業活動が可能になり、受注率の向上が期待できます。
営業プロセスの可視化
SFAを導入することで、各担当者の案件進捗や行動などを可視化できます。そのため、担当者ごとに顧客に対してどのようなアプローチを行なっているかなど把握できます。
また、営業プロセスの可視化は営業マネージャーとしても嬉しいことです。営業マネージャーが活動状況をリアルタイムで把握できれば、取りこぼしそうな案件の迅速なフォローが可能になり、失注につながった際には適切な改善点を伝えることができます。
属人化が起こりやすい営業業務の情報を各自で保管するのではなく、SFAで可視化すれば効率の良い営業活動が実現できるでしょう。
営業スキルの標準化
SFAを導入すれば、受注につながった商談プロセスや提案資料などを蓄積・分析でき、スムーズに共有が行えます。これにより各担当者は営業活動においてやるべきことが明確になり、営業スキルの標準化が実現するでしょう。
各担当者の受注獲得パターンを共有できれば、組織全体でスキルの底上げにつながります。失注につながった案件もチーム全員に共有・問題を究明すれば案件の取りこぼすこともないでしょう。
SFAの料金体系・費用相場
SFAの料金体系・費用相場は下記3つに分けられます。
初期費用
SFAの導入時に発生する費用です。初期費用が無料で提供されている企業も多いですが、初期設定費用やコンサルティング費用が含まれているケースも。
初期費用の相場は0円〜10万円ほどで導入時の1回限りの支払いですが、複数の企業から見積もりをとって確認しましょう。
月額費用
SFAを導入した後に、毎月発生する費用です。月額料金の課金形態は主に2つであり、
- 1ユーザーごとの月額料金
- 企業単位の月額料金
です。
また、使用できる機能数やストレージの容量によっても費用は変わります。
費用相場は1ユーザーごとであれば、数百円〜数千円程度です。一方で、企業単位であれば数万円〜数十万円となります。
毎月発生する金額でもあるため、必要な機能など社内で慎重に検討し費用対効果が高いものを選びましょう。
カスタマイズ費用
カスタマイズ費用は自社の使いやすいようにSFAをカスタマイズする際に発生する費用です。
費用はカスタマイズの規模や内容によって異なりますが、数万円〜数十万円が一般的です。SFAをカスタマイズすることで、どれくらい業務パフォーマンスが向上するのかなど検討する必要があります。
また、SFAは自社でカスタマイズできるツールも多く、大きな機能変更でなければカスタマイズ費用を抑えることも可能です。
SFAの選び方
SFAの選び方は大きく分けて下記2つとなります。
- プロダクト面
- ベンダー面
プロダクト面
プロダクト面とは、SFA製品の機能を使いやすさを比較する選び方です。具体的には、
- 営業担当者にとって使いやすいのか
- スマホに対応している
- 画面は見やすいか
- 他ツールとの連携は可能か
など考慮しましょう。
例えば、いくら多機能であっても使いづらいとなれば営業活動の効率化に繋がらず担当者のストレスにもなります。SFAの導入は業務を効率化して、成果を創出していくことが目的です。
そのため、導入する際には製品の質を十分に比較し必要であれば営業担当者に機能や使いやすさをチェックしてもらいましょう。
ベンダー面
ベンダー面とは、SFAを提供している会社を比較する選び方です。
SFAは多機能であるため、使いこなすのに十分な成果を創出できるまでにはある程度の時間はかかるものです。そのため、提供会社のサポート体制や信頼性も非常に重要です。具体的には、
- 無料デモやトライアルがあるか
- オンボーディングがあるか
- 成果を創出するためのノウハウ
などをチェックしておきましょう。
SFAツールの選び方についてさらに詳しく知りたいという方は下記記事をあわせてご覧ください。
おすすめのSFAツール一覧
数多くあるSFAの中で「どのSFAを選べばいいの?」と悩む方もいるのではないでしょうか。 ここからは、下記3つの条件でおすすめのSFAツールを紹介します。
- 無料で使えるSFA
- 中小企業向きのSFA
- おすすめのSFA
無料で使えるSFA
無料プランは、操作性や使い心地を実際に確かめ「導入に失敗したくない」「コストをかけたくない」という方におすすめです。
ここでは、以下3つのツールを紹介します。
- Zoho CRM
- HubSpot Sales Hub
- Musubu
Zoho CRM
引用:Zoho CRM
25年以上にわたり、様々な業界・業種の企業で活用され続けている「Zoho CRM」3ユーザーまで無料で使用可能、自社の用途に合わせて自由なカスタマイズも行えます。
有料プランでも無料トライアル期間が用意されており、まずはお試しで使用したいという方におすすめのツールです。
HubSpot Sales Hub
引用:HubSpot Sales Hub
15万社以上に導入されている「HubSpot Sales Hub」は、無料で使用可能。CRMを基盤としながら、商談の進捗管理や契約管理など営業改善に特化したプラットフォームです。
GmailやOutlookなどのツールとの連携も可能であり、機能面・使いやすさを重視している企業におすすめです。
Musubu
引用:Musubu
140万件以上の企業データベースから業務効率化と質の高い営業活動を実現す「Musubu」。無料プランでは、取得可能な企業情報に制限はあるものの営業管理機能の一部を使用可能です。
利用規模に応じて柔軟な料金設定ができ、費用をできる限り抑えたいという企業におすすめです。
「無料で使用できるSFAを更に知りたい」という方は下記記事も合わせてご覧ください。
中小企業向きのSFA
中小企業向けなSFAの条件としては、低コストかつ事業成長を促進するパフォーマンスが高いSFAがおすすめです。
ここでは、条件に合ったSFA以下3つを紹介します。
- Mazrica Sales
- GENIEE SFA/CRM
- Sales Force Assistant
Mazrica Sales
引用:Mazrica Sales
「Mazrica Sales」は営業組織で起こりがちな「属人化」を解消するための、使いやすい・見やすい画面と営業活動を効率化させる豊富な機能が特徴です。
小規模企業向けのプランも用意されており、低コストSFAを導入することができます。サポート体制も充実しているので初めて導入する方も安心です。
GENIEE SFA/CRM
引用:GENIEE SFA/CRM
「GENIEE SFA/CRM」は低コストで導入が可能、シンプルな管理画面でありながら、SlackやGmailなど外部ツールと連携できるため営業活動の効率化が実現。
定着率99%のノウハウで、導入から定着までサポートしてくれる体制も構築されています。
Sales Force Assistant
引用:Sales Force Assistant
「Sales Force Assistant」は14,000社以上の導入実績とノウハウで業種・業態別にSFAを提案。
月額料金は3500円〜と少し高めの設定ですが、営業担当者一人ひとりに対してAI秘書がつきます。そのため、蓄積したデータからAI秘書が各担当者ごとに最適な提案をしてくれるため、営業業務を大幅に効率化してくれます。
下記記事では「大手企業向けSFAとの違い」や「中小企業向けSFAツール」を詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
おすすめのSFA
最後におすすめのSFAツールを4つ紹介します。
- Salesforce Sales Cloud
- kintone
- eセールスマネージャー
- JUST.SFA
Salesforce Sales Cloud
引用:Salesforce Sales Cloud
「Salesforce Sales Cloud」は世界でもトップクラスの人気を誇る株式会社セールスフォース・ジャパンが提供するSFAです。
AIを活用した自動化機能など豊富な機能が搭載されていながら、低コストで導入が可能。定番のSFAを導入したいという企業におすすめです。
kintone
引用:kintone
「kintone」はプログラミング知識がなくてもノーコードでアプリの構築が実現。カスタマイズ性を重視したい企業におすすめのSFAです。
連携できるサービス・ツールは200種類以上、豊富なデータや情報を1つのアプリに一元管理が可能です。
eセールスマネージャー
引用:eセールスマネージャー
「eセールスマネージャー」は5,500社超・185業種以上の導入実績を誇るSFA。一度の情報入力で、様々なデータに自動反映されSFAを操作する工数を削減できるため、使いやすさを重視したい企業におすすめです。
ユーザーの93.8%が絶賛する充実したサポートがあるのも嬉しいポイントです。
JUST.SFA
引用:JUST.SFA
「JUST.SFA」はプログラミング知識が不要、ノーコードで自社オリジナルのSFAが作成できます。新規開拓やルートセールスなど様々な営業スタイルに合わせてSFAを構築できるのは嬉しいポイント。
検討フェーズからSFA定着まで充実したサポート体制も構築されています。
ここまでおすすめSFAを4つ紹介しましたが「もっとおすすめのツールを知りたい」という方は下記記事も合わせてご覧ください。
SFA導入・定着のポイント
SFAを導入後、スムーズに定着させるには下記2つのポイントを抑えましょう。
- SFA導入目的を共有・理解しているか?
- 入力工数を限りなく下げたか?
SFA導入目的を共有・理解しているか?
SFAを導入する前に、実際に利用する現場の営業担当者にも導入目的を共有・理解してもらいましょう。この共有・理解が必要な理由は、現場の営業マンにマイナスなイメージを持たれないようにするためです。
特に導入当初は操作に慣れていないため、営業担当者の負担になり本来の業務のパフォーマンス低下を招く恐れもあります。
実際に導入した際のシュミレーションを行い「1ヶ月の業務工数が〇〇時間削減する」と担当者が分かれば、積極的に使用してくれるでしょう。
営業チームの理解を得られれば、SFA導入の成功確率も上がります。
入力工数を限りなく下げたか?
SFA導入・定着で失敗する要因として、入力工数が多く現場の営業担当者の負担となり入力が面倒・煩わしいと感じ更新・運用が止まってしまうことです。
そのため、SFAをスムーズに導入・定着させるのであれば入力工数を限りなく下げる必要があります。
また、可能な限り入力工数を下げるのであれば自動入力を行えるSFAを選ぶのも1つの手段です。
入力工数が0になるわけではありませんが、データ連携が可能であればデータが自動的に反映され入力工数を限りなく下げることができます。
まとめ
SFAは営業活動を可視化し営業業務を効率化する営業支援システムです。SFAの導入を検討している企業は導入メリットを理解し、自社の予算や用途にあったSFAを選択しましょう。
本記事を参考に自社に最適なSFAを見つけ、導入をスムーズに行いましょう。