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2023.12.01

エンタープライズ営業とは?進め方3ステップとSMB向け営業との違い

エンタープライズ営業という営業手法が現在のビジネス環境で注目を集めています。エンタープライズ営業とは大企業をターゲットとしており、企業が成長し続けるために必要不可欠な営業手法です。

しかし、エンタープライズ営業という言葉自体は聞いたことがあるものの、具体的な内容や進め方がわからないという方もいるでしょう。

本記事ではエンタープライズ営業の概要やSMB営業との違い、進め方のステップについて分かりやすく解説します。

エンタープライズ営業とは

エンタープライズ営業とは、大企業に対し高い顧客価値を提供するために展開される戦略的な営業手法です。一般的にSMB(中小企業)とは異なり、取引規模が大きくなり、複雑な決裁プロセスや長期的な商談が特徴です。

エンタープライズ営業により、製品やサービスを導入できると企業内の複数の部署で導入される可能性があります。加えて、大企業では複数のプロジェクトが同時進行しているため、自社製品・サービスを複数導入してもらえるケースも想定できます。

エンタープライズ営業とは、大企業のさまざまな部署や関連グループなどでサービスを複数導入することで、LTV(顧客生涯価値)の拡大を図る営業手法といえるでしょう。とくに、ユーザーの数に応じて売上が決まるSaaS領域ではエンタープライズ営業による大きな売上が見込めるため、よく使われる考え方の1つです。

エンタープライズ営業が注目されている背景

中小企業を対象としたSMB営業に限界が見えてきたため、大企業を対象としたエンタープライズ営業が注目されるようになりました。また、大企業では高水準の収益性が期待できる点も注目されている背景の1つです。

ここでは、エンタープライズ営業が注目されている以下2つの背景について詳しくみていきましょう。

  • SMB営業に限界が見えてきたため
  • エンタープライズの収益性が高いため

SMB営業に限界が見えてきたため

SMBとはSmall to Medium Businessの略称で、「中堅・中小企業」を指します。つまり、SMB営業とは中堅・中小企業をターゲットとした営業手法です。独立行政法人 中小企業基盤整備機構の調査結果によると、中小企業の数は国内の企業数の約99.7%に及びます。(※1)大企業を対象とするエンタープライズ営業と比較すると、市場規模が大きいため、営業をかけるほど顧客を獲得できる可能性が高くなります。

多くの企業が成長の鍵を市場規模の大きいSMB市場に求めてきましたが、SMB営業の限界が次第に大きくなりつつあります。SMB市場では競争が自由、価格競争が主流になりやすいため、企業はエンタープライズ営業をその解決策として検討しています。

また、年間の平均解約率を比較すると、SMB営業は31~58%、エンタープライズ営業は6~10%程度と大きな差があり、チャーンレート(解約率)の高さがSMB営業のデメリットの1つです。大企業の場合、商品やサービスを一度導入すると膨大な時間と大人数による意思決定が関わるため、すぐに解約することは困難です。

一方、SMBの場合、意志決定がシンプルな企業が多く、商品やサービスを解約しやすい傾向があります。そのため、商品やサービスに魅力を感じなければすぐに解約されるリスクも想定できます。加えて、エンタープライズ企業と比較すると、SMBは単価が低いため、より多くの顧客を獲得しなければなりません。そのため、SMB営業は営業に費やした時間に対する利益が低下しやすい営業手法といえます。

SMB営業では市場規模が大きく、より多くの顧客を獲得できるものの、営業の効率性の低下が想定できるため、限界を感じている企業も少なくありません。一方、エンタープライズ営業の場合、顧客獲得の難易度は高いものの、一度契約できると長期的な継続契約を見込めます。そのため、エンタープライズ営業が注目を集めています。

※1)参照:独立行政法人 中小企業基盤整備機構「日本を支える中小企業」

エンタープライズの収益性が高いため

エンタープライズ市場は解約率が低い点に加え、1つのプロジェクトに対する予算は大きく設定されており、顧客単価も高くなるため収益性の高さが魅力的です。例えば、SaaSを提供しておりユーザー数に応じて課金するビジネススタイルの場合、ユーザー数が多い大企業は単価が大きくなります。

エンタープライズ企業を開拓することで、就業人数が多いため取引先が少なくても十分な収益を確保できるでしょう。加えて、エンタープライズ企業は不況時にもチャーンレートが低く、資本力があるため価格改定の際もマージンを確保しやすいといえます。

実際、米ベンチャーキャピタルBlossom Street Venturesの調査では、米国で上場しているSaaS企業のうち、95%の76社が「エンタープライズ企業をターゲットとしている」と回答しています。米国でもエンタープライズ営業が注目されていることが分かります。

エンタープライズ向けとSMB向けの営業の違い

エンタープライズ向けとSMB向けの営業の違いは次の通りです。

  • 提案により満たすべきニーズ
  • 営業スタイル

SMB向けの営業は一般的に製品やサービスのコスト効果や懸念などに焦点をあて、シンプルで効果的な提案が求められます。一方、エンタープライズ向けの提案は複雑であり、ビジネス向けの戦略的なニーズや業界特有の要件に対応する付加価値が重要です。企業の成長戦略や課題解決への貢献が期待されるでしょう。

また、営業スタイルも大きく異なります。SMBに対する営業は一般的にマーケティング部が獲得してきたリードに対し、架電するインバウンドという営業スタイルが特徴的です。

一方、エンタープライズ営業は、自社で設定したターゲットとなる接点のない大企業に対し、あらゆる手段を用いてアプローチしていくアウトバウンドと呼ばれる営業スタイルが特徴です。

エンタープライズ営業の進め方3ステップ

エンタープライズ営業は契約を獲得できれば大きな成果となるものの、契約獲得までにターゲットとなる企業を分析したり、キーマンと接点を持ったりするなど、多くの時間を費やす必要があるでしょう。では、実際にエンタープライズ営業に取り組むためにはどのように進めるべきなのでしょうか。

エンタープライズ営業を進めるための3つのステップは次の通りです。

  1. LTVの高い顧客セグメントの発掘・分析
  2. 組織構造とキーマン情報の取得
  3. ターゲットに合わせた1対1コミュニケーション

ここでは、3ステップについて解説します。

1.LTVの高い顧客セグメントの発掘・分析

自社の過去受注企業などを分析し、LTV(顧客生涯価値)の高い顧客セグメントを発見します。目標とする企業のニーズや傾向を洞察することで、効果的な戦略営業の基盤を築くことが可能です。

まず、自社の顧客情報や購買履歴を分析し、ターゲットとなり得る業界・部署の属性を発見します。属性に含まれる企業に絞り、企業情報や財務状況をチェックしましょう。分析する属性を広げすぎてしまうと、ターゲッティングが薄くなるリスクが想定されるため注意が必要です。

具体例を挙げると、過去受注企業の分析では次のような項目を比較するとよいでしょう。

  • 部門・部署
  • 継続期間
  • 顧客獲得単価

自社が獲得したい顧客セグメントを決定し、セグメントに合う企業をリストアップします。

2.組織構造とキーマン情報の取得

顧客セグメントに合う企業を実名で挙げ、企業の組織構造およびキーマン情報を取得しましょう。エンタープライズ市場では、決裁プロセスが複雑であり、複数の関係者が関与します。

企業によっては、商品やサービスを導入する部署の管理職や経理部、役員、プロジェクトの責任者などさまざまな人物が契約に関わってくるケースもあります。そのため、契約を獲得するためには、企業の組織構造や各担当者の役割および影響力を把握することが重要です。

また、契約獲得につながるキーマンは誰になっているのかを分析しましょう。「意思決定者がそのまま決定する」「社内インフルエンサーから意思決定者に伝達し決定する」など組織内の意思決定のフローを把握し、戦略的なアプローチを実現することが求められます。

例えば、決裁者ではなく顧客側の担当者に気に入ってもらうことで、決裁者に説得してくれる可能性もあります。こういった場合、キーマンは顧客側の担当者です。キーマンのニーズを満たし、契約獲得につなげましょう。

3.ターゲットに合わせた1対1コミュニケーション

顧客セグメントに合う企業を1社ずつ調査していきましょう。決算資料やIR資料をチェックし、次の項目に着目し、ターゲットがどのような課題を抱えているかを洞察します。

  • 戦略や組織の動き
  • 人材や広告への投資の仕方

課題を解決できるヒントになり得る情報やコンテンツをメール・手紙・DM・電話・SNS・フォームなどあらゆる形で提供していきます。エンタープライズ企業の場合、すでに契約が決まっており、営業は断られるケースも少なくありません。新規営業の場合、より難易度は高くなるでしょう。そのため、ターゲットに適しているアプローチ方法を模索し、1つずつアプローチ方法を試しつつ情報収集を行う必要があります。

このようにエンタープライズ営業では顧客の分析や組織構造の把握、顧客に合わせたコミュニケーションなどの煩雑な業務に時間がかかるため、主業務に取り組む時間を削減しなければならない可能性も想定できます。

 

そういった場合に活用したいのが「Sales Marker」です。Sales Markerでは、エンタープライズ営業に必要なLTVの高い顧客セグメントの発掘・分析からターゲットに合わせた1対1コミュニケーション全てに対応できるため、エンタープライズ営業に費やす時間を大幅に削減できるでしょう。Sales Markerでは、具体的に以下の対応が可能です。

  • ニーズがある大企業を即座にリストアップ
  • キーマン情報を取得(SNSなど)
  • 多数のアプローチまでSales Markerから実施可能

Sales Markerでは企業が設定したキーワードを検索すると、即座に営業リストとしてリストアップしてくれます。ニーズが発生しているタイミングに営業できるため、商談化率の向上を見込めます。

キーマンとなる人物や部署の情報が公開されているため、自身でキーマン情報を取得しなくても名前や役職を特定して直接アプローチが可能です。「代表電話を突破できない」「そもそも話を聞いてもらえない」などのハードルも突破できます。

また、アプローチはAI営業マンが最適な方法を選択し、自動的に対応可能です。具体的なアプローチ方法は広告配信機能やメール送信機能、X(旧Twitter)・FacebookなどからのDMなど多岐に渡ります。

Sales Markerではエンタープライズ営業を進める際に必要な分析からアプローチまで対応できます。煩雑な業務に充てる時間を削減し、業務の効率化を図ることができるため、生産性の向上にもつながるでしょう

まとめ

エンタープライズとSMB向けの営業には根本的な違いがあります。企業はこれらの違いを冷静に考え、柔軟にアプローチを変えることで、効果的な戦略を展開できるでしょう。市場に合わせた提案と付加価値が、成功の鍵となります。

エンタープライズ営業の進め方には、LTVの高額顧客の発掘・分析、組織構造とキーマン情報の取得、目標に合わせた1対1コミュニケーションといったステップがあります。各ステップを綿密に実践することで、企業はエンタープライズ市場での成功に向けて一歩踏み出すことができるでしょう。

エンタープライズ営業では多角的な視点から対象となる企業を分析しなければなりません。そのため、分析に大幅な時間を割いてしまう可能性も想定され、営業や主業務に費やせる時間が少なくなってしまうと悩んでいるケースもあるでしょう。そういった場合、Sales Markerの活用をおすすめします。Sales Markerではエンタープライズ営業において顧客分析からアプローチなどの煩雑な業務に対応可能です。生産性の向上および業務効率化を図れるでしょう。

エンタープライズ営業の導入を検討している場合、ぜひSales Markerの利用を検討してみてください。

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