2024.09.04
SFAを導入し活用するためのコツ!失敗する原因と成功事例も紹介
この記事は約 9 分で読めます。
「SFAを導入したいけれど、うまく活用できるかわからない」
「SFAを活用して成功している事例を知って、マネしてみたい」
上記のように考えているのであれば、今回の記事を参考にしてみてください。
今回は、SFAの導入でつまづく原因、活用するためのコツ、成功事例について解説していきます。
SFAは、営業活動を効率化でき、非常に便利なツールですが、活用するためにはコツが必要です。 「せっかくSFAを導入したのにも関わらず、思ったような成果が得られない」という事態にならないように、ぜひ、今回の記事を読んで、SFA活用のコツ・成功事例を理解していただければと思います。
SFAとは
SFAとは、「Sales Force Automation」を省略したもので、営業活動を効率的に支援するツールを指します。
煩雑な事務処理を自動化することで作業時間の削減ができるだけでなく、営業活動を見える化することでメンバー・案件進捗管理も実現可能です。
また、情報の一元管理により「コミュニケーションコストの削減」「部門間連携による成約率アップ」「メンバーのスキルアップとしての資料」としても役立ちます。
SFAの導入につまづく原因
非常に便利なSFAですが、導入したのにも関わらず、つまづいてしまう事例が多く見受けられます。それでは、SFAの導入につまづく原因について紹介していきます。
- 入力項目が多すぎる
- データ入力がなかなか定着しない
- データが正しく入力されない
- 目的や解決したい課題が不明瞭である
- 新しい業務フローやシステムに馴染めない
- データを自分だけのものだと考えている
上記のように、SFAにつまづくポイントは多数あり、ただ単に導入しただけで効果が出るというツールではありません。 実際に、SFAによって効果を出していくためには、活用するためのコツを知る必要があります。
SFAを導入し活用するためのコツ
ここまで、SFAの導入につまづく原因について紹介してきました。 それでは、どのようにすれば成果を出していけるのか、SFAを導入して活用するためのコツについて、下記で解説していきます。
- 目的・効果をチームで共有する
- 入力工数を徹底的に下げる
- 評価制度に組み込む
目的・効果をチームで共有する
目的・効果をチームで共有することは、SFA活用において必要不可欠です。
まず、解決したい課題や達成したい目的を明確に設定します。
目的を達成するために、SFAを運用することは大前提かつ重要ですが、自分一人で実践しているだけでは効果が薄いです。 なぜなら、SFAをうまく活用できるユーザーが増えれば増えるほど、その効果・メリットは加速していくからです。
たとえば、SFAを導入することで、下記のように営業活動の効率化ができることを、きちんとチーム内のメンバーに共有しましょう。
- 属人化業務の削減
- 集計作業の自動化による工数削減
- チームの案件進捗管理の徹底
- 商談のアポイント獲得数アップ
- 成約率アップ
- 契約単価アップ
- 営業コストの削減
- チーム内での営業ノウハウの蓄積
- 部門間連携による相乗効果
- 残業時間の削減
- リアルタイムでの情報共有
そして、チームメンバーと一緒に連携し、SFAを運用して成果を出していくことを忘れてはいけません。 情報やノウハウを連携し、チーム全体の底上げを図り、営業活動の効率化・売上アップを目指していきます。
よって、目的達成・全体最適化のために、SFAをうまく活用していかなければならないという意義を、チームの総意として固める必要があります。
このように、SFAの導入前の段階で、営業メンバー全員にメリットを理解してもらうことで、SFAを有効活用するようにメンバーの行動を促すことが可能です。
入力工数を徹底的に下げる
SFAを活用していく中で、日々の営業活動の中で入手したデータを、システムに入力する作業に工数がかかってしまうという課題があります。 営業活動を行いながらデータ入力の作業を行うのは、手間であり、決して効率的とは言えません。
よって、現場の入力負担工数を最小限に抑えるシステムを導入し、入力工数を徹底的に下げるのがおすすめです。 また、そもそも入力工数を下げるよりも、入力自体をすべて自動化できるツールを選ぶことで、より効率的・効果的な営業活動を実現できます。
評価制度に組み込む
SFAをきちんと活用するために、評価制度に組み込むことが重要です。
まずは、「アポイント獲得数」や受注数などをKPIとして明確に設定します。 そして、設定したKPIを評価制度に落とし込むことで、各メンバーがより積極的にKPIを達成しようと行動するでしょう。
実際の評価の際にもKPIをSFAで測ることでより、正確な数値・評価制度につながります。
SFA活用の成功事例
ここまで、SFAを導入して活用するためのコツについて解説してきました。
それでは、実際に、SFAの活用のコツを徹底的にとらえて成功した事例について、下記で紹介していきます。
- NECネクサソリューションズ
- ベネフィット・ワン
- favy
NECネクサソリューションズ
「NECネクサソリューションズ」は、企業の情報システムの提案・構築・運用などを一括で手がけているITシステムインテグレーターです。
システム開発のほか、コンサルティングサービスやアウトソーシングサービスも展開しています。 下記で、課題、改善策、効果・メリットについて紹介していきます。
【課題】
NECグループ5社が統合してできた会社のため、マネジメントの尺度が統一されておらず、プロセスに応じた営業活動を行えていないことが、課題としてあげられていました。
【改善策】
当初、紙ベースの「コアプロセスマップ」を作り、何をするべきかをまとめていましたが、管理が煩雑になり、実践が難しい状況でした。 改善方法として、SFAを導入することで、営業プロセスの見える化を目指しました。
【効果・メリット】
SFAの導入の効果としては、「フォローアップの迅速化&効率化」と「ヒアリングの工数削減」があげられます。
■ フォローアップの迅速化&効率化
営業プロセスをマネジメントできるようになり、マーケティングとセールスの部門間での情報共有がスムーズとなりました。 結果的に、顧客に対するフォローアップが迅速化&効率化できています。
■ ヒアリングの工数削減
予算管理において、商談時のヒアリング項目である「BANTC(B:予算、A:決裁権、N:ニーズ、T:導入時期、C:競合)」を管理指標に設定することで、ヒアリングの工数削減も実現しました。これまで、予算のヒアリングに一日かかっていましたが、約1時間に短縮できたと言います。そして、客観的な指標に基づく情報のため、見込み管理の精度向上にも役立っています。
ベネフィット・ワン
「ベネフィット・ワン」は、従業員向けの福利厚生や人事サービス、個人向けサブスクリプションサービスを展開している企業で、インセンティブ事業、ヘルスケア事業、ペイメント事業、購買・精算代行事業など豊富な事業を展開しています。
法人顧客数は約5,000社、会員数は約650万人と非常に人気のサービスです。
下記で、課題、改善策、効果・メリットについて紹介していきます。
【課題】
課題として、日々の営業活動の見える化が第一にあげられていました。 急速に市場ニーズが高まり、企業が成長している中で、増員メンバーの多数は入社2年目以内の若手営業マンという構成のため、「目標達成」だけでなく、「育成」も同時並行が求められている状況でした。 また、部署間での連携によるクロスセルの促進なども推し進めていました。
【改善策】
改善策として、SFAを導入し、成績上位の営業マンの情報・ノウハウをタイムライン機能を用いて、リアルタイムにメンバーに共有するようにしました。 日々の日報の中で、受注に至るまでのポイントやコツ、失敗につながりやすいダメな事例などを逐一連携することで、メンバーの営業力の底上げを図りました。
【効果・メリット】
SFAを導入した効果として、「受注件数アップ」「残業時間の削減」「若手営業マンの育成」「他部署間連携」「エリア連携」があげられます。
■ 受注件数アップ
SFAでトップセールスのノウハウを共有したことで、若手の営業マンの成績が飛躍的に伸び、若手の育成&受注件数アップに貢献しました。実際に、営業成績上位者の4人中3人は、入社2年目以内の若手営業マンという並びでした。 具体的には、前年比360%の受注件数アップを達成しています。
■ 残業時間の削減
さらに、SFAの活用で、リアルタイムでの進捗報告が可能になったため、営業終わりに会社に戻り、残業して日報を書く工数が削減しました。 結果的に、残業時間30%削減に成功しています。
■ 若手営業マンの育成
OJTの時間を設けられず、短期間で育成と成果を求められている状況下において、SFAを活用することで、スピーディー&リアルタイムでスキルアップにつながる情報を共有できました。 よって、SFAの導入によって、研修や会議、OJTなどで工数をかけることなく、メンバーを育成可能だと言えます。
■ 他部署間連携
スマートフォンからSFAにアクセスし、訪問先企業とのアプローチ・商談履歴を把握でき、同一企業へ重複した営業を行うことがなくなりました。 二度手間をなくし、時間の有効活用や、短期間で何度も営業することによるクレームが発生するリスクを削減することに成功しています。 さらに、マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスなど他部署間で連携してクロスセリングを実践し、有効面談数・決済担当者に接触できる機会が大幅にアップしました。
■ エリア連携
拠点間で連携することで、「大阪支社」「東京支社」で顧客情報をリアルタイムで共有できます。 よって、たとえば大阪支社がアプローチした顧客の決済担当者が、東京にいる場合、即座に東京支社の営業マンへ情報を連携してアポイントを引き渡し、商談&提案が可能となっています。
favy
「favy」は、店舗DXをメインとしてSaaSのスタートアップ企業で、店舗で気軽にサブスクリプションビジネスを導入できる「favyサブスク」というプラットフォームを運営しています。
また、飲食店を紹介するグルメメディアも運営しており、「飲食店が簡単に潰れない世界を創っていく」「好きを仕事にする人を増やす」をモットーにしている企業です。
下記で、課題、改善策、効果・メリットについて紹介していきます。
【課題】
課題としては、営業活動における指標の見える化をすることでした。 アポイント獲得率や商談の成約率などの指標を明確化することで、高速でPDCAを回して、勝ちパターンを見つけたいという課題です。
【改善策】
SFAを導入することで、営業プロセスを見える化し、どの段階でつまづいているのか、どのような改善が必要なのかを、客観的なデータを根拠にもとづき解析していきました。
また、メンバーにSFAを積極的に活用してもらうために、会社のトップが「SFAを徹底的に使う!」と意思表示をしました。 会社のトップが新しいツールに対して不安な態度だと、メンバーが心配になり、ツールの活用が定着しないからです。
【効果・メリット】
効果としては、「コミュニケーションロスの削減&生産性の向上」「勝ちパターンの発見」があげられます。
■ コミュニケーションロスの削減&生産性の向上
SFAを導入することで、チャネルごとの指標を管理でき、一目見れば情報がわかるため、コミュニケーションロス(コミュニケーション不足により発生するミス)が減りました。 そして、結果として、実施したそれぞれの施策の生産性は向上しています。
■ 勝ちパターンの発見
SFAを導入し、営業活動が効率化されたことにより、何をやるべきか、何に比重をおくべきかが明確化され、勝ちパターンが確立されてきました。 高速でPDCAを回すことに関して、日常的に意識している成果だと言えます。 実際に、営業メンバー5人体制にも関わらず、月間約100社の受注を獲得しました。
出所:https://product-senses.mazrica.com/senseslab/customer-cases/favy
まとめ
今回は、SFAの導入でつまづく原因、活用するためのコツ、成功事例について解説してきました。 SFAは導入すればよいというものではなく、うまく使いこなせなければ、効果を発揮しません。
「目的・効果をチームで共有する」「入力工数を徹底的に下げる」「評価制度に組み込む」などを意識して、SFAを効果的に活用していくことが重要です。
今回紹介した成功事例や体系化したポイントを参考に、ぜひSFAを効果的に活用していただければと思います。