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新規開拓を進めるうえで、営業メールを活用したいと考えている人もいるでしょう。営業メールは、新しい顧客を獲得するうえで有効な手段のひとつです。
本記事では、テレアポやDMといった代表的な新規開拓手法と営業メールを比較したうえで、メリット・デメリットを解説します。また、実際にメールを使って新規開拓を行う際の手順や、件名・本文の例文も紹介します。
営業メールによって効率的に新規開拓を行い、売上の向上につなげたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
新規開拓における営業メールとは
これまでに接触をしたことのない顧客に対してメールで商材の売り込みをする取り組みのことを、新規開拓における営業メールといいます。メールアドレスさえ分かれば場所を問わずさまざまな企業にアプローチできるため、実施している企業が多いです。
ここでは、以下について詳しく解説します。
- 新規開拓手法一覧
- 新規開拓における営業メールのメリット
- 新規開拓における営業メールのデメリット
まずは他の営業手法との違いや、メリット・デメリットについて理解を深めましょう。
新規開拓手法一覧
新規開拓をするにあたり、実践している企業が多い営業手法はとして、以下の6つが挙げられます。特徴・メリット・デメリットは、以下の表のとおりです。
このように、それぞれにメリット・デメリットがあるため、営業メールだけでなく複数の手法を組み合わせて実施するのも手段のひとつです。
なお、営業メール以外の手法については、以下の記事で詳しく解説しています。
新規開拓における営業メールのメリット
営業メールの最大のメリットは、1度に多くの顧客に送信できて効率的な点です。
飛び込み営業の場合、営業先までの移動や顧客と話す際に時間がかかるため、1日にアプローチできる数が限られます。また、テレアポをする際には1回ごとに電話番号を入力する手間が、フォーム営業をする際には顧客のWebサイトから「お問い合わせフォーム」を探す手間が発生します。
その点、一斉送信ができる営業メールは、時間や手間を抑えながら商材の売り込みができるのです。また、メールであれば場所を問わずに送信できるため、遠方の顧客に対するアプローチが可能な点もメリットだと言えるでしょう。
新規開拓における営業メールのデメリット
営業メールを送ったからといって、必ずしも顧客に読まれるとは限りません。先述したとおり、営業メールの反応率の平均は0.1〜1%程度とされており、開封されないまま削除されてしまうケースも多いです。
このように、テレアポや飛び込み営業とは違い、顧客から認識されない可能性がある点は、デメリットだと言えます。
ほかにも、誤字や脱字・添付ファイルに関するミスがあった場合、信頼を失ってしまう恐れがあります。一度送信したメールは取り消せないうえに顧客が削除しない限り長期的に残り続けるため、送信前には慎重に確認する必要があるでしょう。
新規開拓で初めて営業メールを使う際の手順
新規開拓で営業メールを行う際には、以下の手順に沿って進めましょう。
- ターゲットを選定する
- リストを用意する
- KPIを設定する
- 件名・本文を作成する
- 返信が来たら対応する
- KPIをチェックしてPDCAを回す
それぞれの工程について理解しておけば、スムーズに営業メールの送信に取り組めます。
1. ターゲットを選定する
まずは、営業メールを送るターゲット(想定顧客)を選びます。自社商材を購入する可能性の高い顧客に向けて営業メールを送れば、高い反応率や受注率が期待できます。
ターゲットを選定する際には、業種・従業員数・地域・想定できる課題などの情報を集め、潜在ニーズのありそうな顧客を選びましょう。
2. リストを用意する
ターゲットが決まったら、効率的にメールを送るためにリストを用意しましょう。
企業名・業種・メールアドレスなどの基本情報をリスト化することで、メールの送信にかかる時間を抑えられます。担当者の名前が分かる場合は、併せて記載しておくことでよりパーソナライズされたメールを送信できます。
なお、ターゲット選定やリスト作成をする際には、『Sales Marker』というBtoBセールスインテリジェンスツールの活用がおすすめです。後ほど詳しく解説します。
3. KPIを設定する
実際にメールを送信する前に、KPIを設定しましょう。KPIとは、企業やチームが目標達成をするにあたって定めるべき行動指標のことです。営業メールにおいては、最低でも以下のKPIを設定しておくとよいでしょう。
- 送信数:送信したメールの数
- 到達数:顧客の下へ届いたメールの数
- 開封数:開封されたメールの数
- クリック数:メール内のURLなどをクリックされた数
- CV数:返信やアンケート回答などのアクション数
メール営業で成果を上げるためには、やみくもに「たくさんの返信をもらおう!」と考えるのではなく、上記のように分解して考えることが大切です。開封数を高めるために魅力的な件名をつけたり、CV数を高めるために顧客の行動を促す文言を記載したりといった、具体的な対策ができるためです。
設定したKPIは、メール営業に携わる従業員に必ず共有しましょう。明確な目標数値があることで、モチベ―ションのアップやパフォーマンスの向上につながります。達成率を人事評価に反映させるのもおすすめです。
4. 件名・本文を作成する
続いて、メールの件名と本文を作成します。
件名を読んだうえで開封するか否かを判断する顧客が多いため、目に留まるような魅力的な件名をつける必要があります。具体的には、冒頭にメリットを記載することや、数字または実績を盛り込むことを意識しましょう。また、20文字以内に収めつつ、重要な文言を左側に持ってくることも大切です。
本文を作成する際には、忙しいなかでも目を通してもらい、かつアクションを促せるように簡潔で読みやすい文章にしましょう。長々とした文章では読まれない恐れがあるため、箇条書きなどを活用しながら最低限の文章量に調整することをおすすめします。
なお、件名の書き方については、以下の記事でも詳しく解説しています。
5. 返信が来たら対応する
送信したメールに対して顧客から返信が来たら、なるべく時間を空けずに対応しましょう。対応が遅れてしまうと、顧客の興味関心が薄れてしまい、商談に繋げられない恐れがあるためです。
どうしてもすぐに対応できない場合は、いつまでに対応できるかだけでも伝えておきましょう。迅速なレスポンスは、顧客から信頼を勝ち取るうえで重要なポイントです。
6. KPIをチェックしてPDCAを回す
営業メールの成果を高めるためには、「送って終わり」ではなくPDCAサイクルを回すことが大切です。PDCAサイクルとは、「計画→実行→評価→改善」のサイクルを繰り返すことを指します。
事前に設定したKPIをチェックして良かった点や課題を分析し、改善して行きましょう。例えば、開封数に課題があるのであればターゲットや件名を改めたり、クリック数が少ない場合は十分に訴求できる文章になっているかを見直したりするのが効果的です。
定期的にKPIの確認と改善を行うことで、売上や受注率の向上につながります。
新規開拓の営業メールの例文
初めてメール営業を行う場合、どのような文章を作成すればよいか分からず困ってしまう場合もあるでしょう。ここでは、以下の2つのケースにおける、営業メールの例文を紹介します。
- アポイント獲得のための営業メール例文
- セミナー動員のための営業メール例文
例文とともに、作成時のポイントについても解説するため、ぜひお役立てください。
アポイント獲得のための営業メール例文
アポイントの獲得を目的として営業メールを送る際の例文は、以下のとおりです。
【件名】
【導入実績〇〇社】コスト削減に効果的な採用管理システムのご案内
【本文】
株式会社△△
△△ △△様
突然のご連絡失礼いたします。
株式会社〇〇・〇〇部の〇〇と申します。
この度、貴社のホームページに求人を掲載されているのを拝見し、弊社サービスがお役に立てるのではないかと思い、ご連絡を差し上げました。
弊社では、採用コストの削減や業務効率化を目的とした、採用管理システム『〇〇〇〇』を提供しております。これまでに、〇〇件の導入実績があり、〇〇%のお客様にリピートしていただいております。
ぜひ一度、弊社サービスに関して直接ご説明させていただきたいのですが、オンラインで30分ほどお時間をいただくことは可能でしょうか。機能の詳細や導入事例、導入後のご活用イメージなどをお伝えできればと考えております。
ご興味ありましたら、以下メールアドレス先に「興味あり」とご連絡いただけると幸いです。
~~~~~~@xxxx.com
ご多忙の中恐縮ですが、ご検討いただければ幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
メール作成時のポイントとしては、まず件名に実績などの数字を盛り込むことを意識しましょう。【】などで括り強調させることで、顧客の目に留まりやすくなります。
また、連絡した理由を明確に伝えることで好印象を与えられ、返信を得られる可能性が高まります。「貴社ホームページを拝見し~~~」といった文章を記載しパーソナライズすることを意識しましょう。
顧客が反応しやすいように、アクション方法を明記することも大切です。この例文の場合、顧客は記載されているメールアドレス宛に「興味あり」と送信すればよいだけなので、忙しい中でもアクションを取りやすいです。
セミナー動員のための営業メール例文
セミナー動員に向けた営業メールの例文も紹介します。
【件名】
【〇〇人限定】〇月〇日開催 IT業界人事向け採用セミナー
【本文】
株式会社△△
△△ △△様
突然のご連絡失礼いたします。
株式会社〇〇・〇〇部の〇〇と申します。
この度、貴社のホームページで求人募集をされているのを拝見し、〇月〇日に弊社が開催するセミナーがお役に立てるのではないかと思い、ご連絡を差し上げました。
弊社では、IT業界の採用をサポートする事業を行っており、豊富なノウハウやデータがございます。セミナーでは、100社以上の企業様の採用活動に携わってきた経験をもとに、最新の市場や今後の動向についてご説明いたします。
◆IT業界人事向け採用セミナーの詳細
・日時:~~~
・会場:~~~
・住所:~~~(地図を添付しております)
・費用:無料
・お問い合わせ先:~~~ TEL:~~~
ご参加を希望される場合、下記項目をご入力の上、ご返信いただければと思います。
◆参加者入力フォーム
・お名前:
・ご住所:
・ご連絡先:
定員を設定している関係で、お席に限りがございます。
早めにお申し込みいただけると幸いです。
ご多忙の中恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。
件名にセミナーの日時を記載しておくことで、顧客にとって都合が良い場合開封されやすくなります。さらに、冒頭に「〇〇人限定」と載せることにより、「あとで検討しよう」と放置されることを防げます。
本文でセミナーの日時や場所などを案内する際には、箇条書きにすることで要点を伝えやすくなります。また、アポイント獲得のためのメールと同様、アクション方法を明記しましょう。
営業メールで返信率を上げるコツ
営業メールを送るからには、多くの返信を受け取りたいものです。以下の2つのコツを踏まえてメール営業に取り組むことで、返信率を高められます。
- 時間帯
- ターゲット
ぜひ実践して、営業メールによって多くの新規顧客を獲得してください。
時間帯
営業メールには、読まれやすい時間帯となかなか読まれない時間帯があります。
通勤中や出勤したての顧客がメールチェックをすることの多い、8時~9時の時間帯に送るのがおすすめです。業務に圧迫されていない可能性が高いため、メールに目を通してもらいやすいです。
また、12時~13時の昼休みの時間帯も狙い目です。反対に、夕方や退勤前の時間帯は忙しい場合が多いため、メールを削除されてしまう恐れがあります。作成したメールはすぐに送信するのではなく、適切な時間帯に送るようにしましょう。
ターゲット
営業メールを送る場合、件名や本文にのみ注力する人も少なくありません。しかし、実際にはターゲット選定が最も重要なポイントです。ニーズのない相手にどれだけ魅力的なメールを送っても、返信を得られることはないでしょう。
とはいえ、膨大な数の企業のなかから、ニーズのある顧客を見極めてターゲットリストを作るのには、時間や手間がかかります。また、仮説をもとにリストを作るほかないため、試行錯誤を重ねる必要があります。
そこでおすすめなのが、『Sales Marker』というBtoBセールスインテリジェンスツールです。
自社カテゴリのKWを検索した「購入検討層」をリストアップする機能が搭載されているため、見込みのある顧客を選定できます。高い成果を期待できるだけでなく、顧客リストの作成にかかる時間を削減できるのも嬉しいポイントです。
まとめ
営業メールは、新規開拓に効果的な営業手法のひとつです。開封されなかったり返信を貰えなかったりすることがあるものの、場所を問わず数多くの顧客にアプローチできるというメリットがあります。
返信率を高めるためには、件名や本文を工夫することはもちろん、時間帯やターゲットにこだわることも大切です。ニーズのあるターゲットに対して良いメールを送ることができれば、効率的に成果を上げられるでしょう。
ぜひ、本記事の内容を参考にして、営業メールによって多くの新規顧客を獲得し、売上の向上につなげてください。