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- アウトバウンドセールスとは
- アウトバウンドセールスとインバウンドセールスの違い
- アウトバウンドセールスの重要性
- 新商品を認知してもらえる
- 競合参入前に自社商品を売れる
- 早期に効果が見込める
- アウトバウンドセールスにおける5つの課題
- 1.顧客ニーズの分析が難しい
- 2.アポイント獲得率が低い
- 3.受付ブロックされやすい
- 4.営業職の人材確保が難しい
- 5.営業代行サービスの内容が充実していない
- アウトバウンドセールスの課題の解決策
- インテントデータを活用する
- セールスファネルの段階別に営業手法を使い分ける
- マルチチャネルを活用する
- AIを活用して営業の自動化を実現する
- ツールを活用してニーズ分析・チャネル選定・アプローチをワンストップで行う
- アウトバウンドセールスの成功事例 株式会社識学~Sales Markerを活用した事例
アウトバウンドセールスは、インテントデータやAIの登場により大きく変わりつつあります。データやテクノロジーを上手く活用すれば、アポイント獲得率を10倍アップさせることも可能です。
この記事では、従来のセールス手法の課題を解決する新たなセールス手法について紹介していますので、営業力を上げたい方は参考にしてみてください。
はじめに
新規顧客開拓を行いたいけれど、訪問営業やテレアポでは受付ブロックされて決裁者に取り次いでもらえない…、営業先から断られることが多いため、営業メンバーのモチベーションを維持することが難しい…、新規顧客を獲得したいけれど、しつこい営業は嫌がられるのではないか…と悩んでいませんか?
訪問営業やテレアポによるアポイントの獲得率は0.5%~10%と低いため、多くの企業がアウトバウンドセールスに関して似たような悩みを抱えています。
しかし、インテントデータやAIの登場によって、アウトバウンドセールスの悩みを解決できるようになりました。
この記事では、アポイントの獲得率を10倍アップさせる新たなアウトバウンドセールスの方法をご紹介します。
アウトバウンドセールスとは
アウトバウンドセールスとは、自社で営業の対象となる顧客を選んでアプローチする営業手法です。営業リストを作成して、飛び込み営業やテレアポをはじめとした以下のような手法でアプローチします。
- 飛び込み営業
- テレアポ
- 広告
- フォーム営業
- Eメール
- ダイレクトメール
- SNS
企業側が営業先の対象を選ぶことができるため、ターゲット設定が上手くいけば新規顧客の獲得に大いに貢献します。しかし、新規開拓の場合は顧客ニーズの把握が難しく、少ない情報から立てた仮説に頼ってアプローチするため無駄打ち営業になってしまいがちです。
アウトバウンドセールスとインバウンドセールスの違い
アウトバウンドセールスとインバウンドセールスは「アプローチ手法」「営業対象」「成果までの期間」において、以下のような違いがあります。
アウトバウンドセールスの重要性
営業目標を達成していくためには、インバウンドのみに頼らず、アウトバウンドでアプローチして新規顧客を開拓していくことが重要です。なぜなら、アウトバウンドセールスに取り組まずにビジネスの成長スピードを上げることが難しいためです。
ここでは、グローススピードに貢献するアウトバウンドセールスの3つの魅力と重要性について解説します。
新商品を認知してもらえる
企業から顧客にアプローチすれば、新商品について知ってもらえます。リリースしたばかりの新商品は知名度が少ないため、顧客が商品名を検索することは滅多にありません。
その場合、広告を出して商品の知名度を上げていくのが一般的ですが、すぐに売上を見込むことは難しいでしょう。そのため、アウトバウンドセールスを行って開拓スピードを上げていく必要があります。
競合参入前に自社商品を売れる
近年、商品やサービスを開発しても競合他社が市場に参入してくるスピードが上がってきており、BtoBビジネスもプロダクトライフサイクルが短くなってきています。
ビジネスを成長させるためには、市場に商品やサービスを導入した直後の導入期、顧客に商品やサービスが認知されて急速に普及する成長期にアプローチして売上を伸ばしていかなければいけません。
インバウンドセールスでは商品・サービスが認知されるまで時間がかかってしまい、反響が得られた頃には競合他社が市場に参入していたという状況になりかねません。
このような状況を回避して、より多くの売上を見込むためにも、アウトバウンドセールスを行う必要があります。
早期に効果が見込める
顧客に対してアプローチを行えば、その場でニーズの有無を聞き出せます。ニーズがある顧客に巡り合えれば、その場で商談、契約に至る場合もあります。顧客からの反響を待つインバウンドセールスと比較して早期に効果が見込めることが大きな特徴です。
アウトバウンドセールスにおける5つの課題
しかし、そんなビジネスの成長に欠かせないアウトバウンドセールスには5つの課題があります。
1.顧客ニーズの分析が難しい
顧客が自社サービスに興味があるかどうかを把握した上で、アプローチしなければ無駄打ちになります。そのため、顧客ニーズの分析が必要です。しかし「社内にデータがない」「収集したデータの分析方法がわからない」といった課題が発生しがちです。
また、一般的な絞り込み条件である「業界」「売上」「従業員数」といった属性だけで作られたターゲットリストに対して、手当たり次第にアプローチする方法では、決して効率がよいとは言えません。
2.アポイント獲得率が低い
顧客ニーズの分析が行われない結果、ニーズのない顧客にばかりアプローチを行っているとアポイント獲得率が下がります。一般的に新規開拓のアポイント獲得率は0.5%~10%、営業初心者だと200件アプローチして1件アポイントが獲得できると言われています。
このようにアポイントの獲得率が低いと、新規開拓の営業担当者は成果につながらず自信を失ってしまい、仕事に対する意欲を失ってしまうことでしょう。
また、しつこい営業を行うと営業先に悪い印象を持たれてしまうこともあります。
3.受付ブロックされやすい
飛び込み営業やテレアポを行う際、受付ブロック(電話に出た受付担当者が決裁権を持つ人に取り次がないこと)されてしまうことがよくあります。
受付担当者は単なる営業だと判断すると「担当者は席を外しています」「担当者は外出中です」といったわかりやすい断り文句で、壁を作ってしまいます。
また、ほとんどすべての情報をインターネットを経由して得られる昨今では、商品・サービスに関して、わざわざ営業担当者に尋ねる必要がなくなりつつあります。そのため、情報提供をフックにしたセールストークだけでは、受付を突破することが難しくなってきています。
4.営業職の人材確保が難しい
新規開拓営業を実践するなかで、なかなか成功体験が得られず、逆に断られたり煙たがられたりといった苦い経験をすることで、ストレスを抱える営業職の方もいらっしゃるでしょう。ノルマを達成しなければ評価されない場合はなおさら、結果が出せない環境がストレスになり、離職につながってしまうケースもあるのではないでしょうか。
日本労働調査組合の調査『営業職の退職動機に関するアンケート調査』によると、営業職の離職検討率は80.8%と高水準です。エン・ジャパンの調査『2022年「企業の人材不足」実態調査』では、営業職の人材不足に最も悩んでいると回答した企業が28%にも及びます。この調査結果は、アウトバウンドセールスの組織においても同じことが言えるのではないでしょうか。
5.営業代行サービスの内容が充実していない
営業職の人材確保が難しいため、営業代行サービスを検討する企業も多く見受けられます。
しかし、多くの営業代行サービスは特定の手法、例えば「テレアポ代行」「フォーム営業」「訪問営業」に偏っています。そのため、顧客のニーズや状況にあわせて、あらゆる営業手法を取り入れようとした場合、生産性や費用対効果が悪くなってしまうことがあります。
アウトバウンドセールスの課題の解決策
アウトバウンドセールスの課題は、インテントデータやAIの登場で解決できるようになりました。営業手法を見直せば、アポ獲得率を10倍アップさせることも可能です。
ここでは、アウトバウンドセールスの課題を解決する方法をご紹介します。
インテントデータを活用する
顧客ニーズの把握に悩んだら、インテントデータを活用していきましょう。
インテントデータとはWeb上の行動データをいい、資料のダウンロードやコンテンツの閲覧、検索クエリなどが該当します。
これまでは、自社サイトに訪問したユーザーの行動履歴データ、つまり、ファーストパーティデータしか取得することができませんでした。しかし、近年は比較サイトやレビューサイト、検索エンジンなどからサードパーティデータが取得できるようになりました。
テックセールス先進国である米国ではインテントデータを活用して営業するのが主流です。日本ではインテントデータは普及し始めたばかりですので、上手く活用すれば競合優位性を確立することもできるでしょう。
セールスファネルの段階別に営業手法を使い分ける
インテントデータをうまく活用すれば、ニーズの有無だけではなく、検討段階を捉えることも可能です。
例えば、検索キーワードが「サービス名+とは」だった場合と、「サービス名+価格」だった場合では、興味関心の度合いや検討段階に違いがあることがわかるかと思います。そのため、インテントデータからは顧客ニーズだけではなく、その顧客がセールスファネルのどの段階に属するかも把握したうえで効果的なアプローチが可能になります。
ファネルごとに有効なアプローチ方法やコンテンツを選択することで、アウトバウンドの成果が最大化されます。
■セールスファネル別のアプローチ参考例
マルチチャネルを活用する
アウトバウンドセールスの手法は、飛び込み営業やテレアポの他にも、以下のようなものがあります。
- 飛び込み営業
- テレアポ
- 広告(オンライン広告、オフライン広告)
- フォーム営業
- Eメール
- ダイレクトメール
- SNS
会社の経営者や決裁者がSNSアカウントを運営する機会が増えたため、マルチチャネルを活用していけば、決裁者にダイレクトアプローチでき受付ブロックに悩まずに済むことでしょう。
AIを活用して営業の自動化を実現する
営業職の人材不足により、営業チーム体制を構築することが難しくなってきたため、AIを活用して営業の自動化・効率化を目指しましょう。
例えば、ChatGPTを活用すればEメールの文章を自動で作成できるようになります。メール送信まで自動化すれば、反応した顧客に対してアプローチすれば良いだけの状況を作れます。このような工夫をして、営業メンバーの役割を初回面談から成約までのプロセスに絞り込むことで、仕事に対する意欲や生産性の向上が見込めるでしょう。
ツールを活用してニーズ分析・チャネル選定・アプローチをワンストップで行う
アウトバウンドセールスの成果を最大化させるための取り組みををご紹介しましたが、顧客ニーズの分析や営業手法の選定、アプローチまでワンストップで行えるデジタルツールを導入して、さらに営業生産性を向上させましょう。
国内ではじめて、インテントデータとマルチチャネルをかけ合わせたアプローチができる「Sales Marker」であれば、「ニーズの分析」「チャネル選定」「アプローチ」がワンストップで行えます。また、AIによるサポート機能も充実しているため、ChatGPTによるメール文面の生成や自動送信など、営業の自動化も実現できます。
アウトバウンドセールスの成功事例
株式会社識学~Sales Markerを活用した事例
株式会社識学は3,000社以上の経営課題を解決してきた経営コンサルティング会社です。組織運営を行うためのマネジメント理論「識学」の研修やコンサルティングサービスを提供しています。
同社は新しくエンタープライズセールスを立ち上げた当初、50万円投下したWeb広告から2件しかアポが取れず、顧客獲得単価25万円という現状を抱えていました。
広告の成果を高めるため、営業対象である企業の役員やエグゼクティブがどんなことを調べているのかといった動向を理解することで、ターゲティングの糸口が見つかるのではないかという思いから、インテントデータを搭載したセールスインテリジェンス「Sales Marker」を導入。役員やエグゼクティブの検索動向を把握できるようになったことで、ターゲットが興味・関心を寄せそうな広告を打ち出せたり、どのような資料を求めているかを理解したうえで作成したりできるようになり、商談数を10倍に増やすことに成功しました。
詳しくは以下のリンクからもお読みいただけます。
アポイント獲得率を10倍に上げていくために
アウトバウンドセールスとは、アプローチ対象となる顧客を選んで、テレアポや広告など様々な方法を用いてアプローチする営業手法です。多くの企業が取り組むなか、成果をだすためには膨大なリソースがかかるアウトバウンドセールスですが、インテントデータやAIなどの登場で、セールス体験が変わりつつあります。
データやテクノロジーによって進化したこの新しい営業手法を採用すれば、アウトバウンドセールスにおけるアポイント獲得率を10倍に上げていくことも可能です。
この記事を読み、インテントデータやAIを活用したアウトバウンドセールスに興味を持った方は、国内ではじめて、インテントデータを搭載したセールスインテリジェンス「Sales Marker」を導入してみてください。
この記事を書いた人
この記事を書いた人
荻原 慎太郎
CrossBorder株式会社 取締役 COO。
キーエンスに入社後、法人営業として輸送や電子部品、食品業界などの企業向けに産業機器の販売に従事した後、Voicyに転職。入社直後、法人営業の立ち上げに事業開発として携わり、在籍中は法人営業を中心に、新規営業、営業企画、アライアンス、カスタマーサクセスなどの事業拡大を図る幅広い業務を担当。 その後、CrossBorder株式会社を共同創業。大企業とスタートアップ2社での経験を活かし、BtoBセールスインテリジェンスサービス「SalesMarker」を立ち上げる。