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テクノロジーの進化によってセールスの在り方が大きく変化しています。なかでも、データや人工知能(AI)の活用が、リソース不足の解消や、営業活動の効率化、顧客満足度の向上に至るまで、営業組織における大きな役割を果たすことは疑いようもありません。
近年では、日々の営業・マーケティング活動で蓄積される膨大なデータを、AIが分析するソリューションが開発され、低コストかつ一定の品質で導入できるようになりつつあります。
本記事では、従来のセールス課題から、AIとの共存がBtoB営業にどのような変化をもたらすのかを、詳しく解説してまいります。
営業組織は時代に合わせた変化を求められている
現代の営業組織は、情報技術や消費者ニーズの変化に伴い、柔軟な対応が求められています。特に、デジタルテクノロジーの急速な進化により、従来の営業手法や戦略では競争力を維持することが困難になっています。これらの理由から、営業組織は時代に合わせた変革が求められています。
変化を求められる外的要因
まずは、外的要因から紐解いていきましょう。
第一に、消費者ニーズの多様化が挙げられます。個別の顧客に対してカスタマイズされたサービスや商品が求められるようになり、マーケット全体の競争が激化しています。
第二に、デジタルテクノロジーの発展で、営業活動の効率化やターゲティングの高度化が進みました。このデジタル時代の大きな潮流のなかで競合優位性を確立するうえでも、データやAIなどのデジタル技術を活用し、スピード感をもって市場を開拓していかなければなりません。
変化を求められる内的要因
内的要因としてまず考えられるのは、業務や組織の細分化です。組織の細分化により、部門間の情報共有や連携といったコラボレーションの強化が求められている企業も少なくありません。細分化された組織においては、個々の従業員の意識や能力の向上が重要になります。
また、データの活用や解析によって、より効果的な営業活動や戦略策定が可能になっていることも、変化が求められる要因の1つとして挙げられます。
さらに、チャネルの多様化もセールス手法の変化に影響を与えています。これまでオフラインが主流だった販売チャネルやコミュニケーションチャネルが、今ではオンラインとオフラインを融合させるオムニチャネルへとシフトしています。ウェビナーやオンライン商談が浸透してきていることに加え、顧客の購買行動におけるチャネルも多様化しているため、チャネルごとに得られた顧客情報の共有がなければ、せっかくの販売機会を逃してしまうことにもつながりかねません。
解決すべき従来のセールスの問題点
従来のセールスには解決すべき問題点がいくつか存在します。中でも、特に多くの企業が抱える問題として以下の3つが挙げられます。
- 顧客対応の偏りや個人差が大きい
- 営業効果を検証する手段が限られている
- リアルタイムでの顧客ニーズの把握や対応が難しい
営業活動が属人的で非効率的
従来のセールスでは属人的な要素が多く、営業活動の非効率さが課題となっている企業も多いのではないでしょうか。顧客対応や情報収集のスキルに個人差があり、経験や勘によるところも大きいため、成績に大きなバラつきが生じることがあります。
また、営業メンバー同士の情報共有の不足や、顧客対応の重複などによって、効果的なフォローアップができないケースも生まれます。
このような問題を解決するため、営業組織には情報共有や効率化を促す仕組み作りが求められています。
営業効果が把握できていない
営業活動に対する効果検証が十分でなく、営業効果を正確に把握できないままになってしまう背景として、いくつかの要因が考えられます。
- 営業メンバーの不足や採用難により、適切なスキルを持つ人材が確保できず、効果検証ができない
- 情報収集やターゲティングに時間と労力が割かれ、営業リソースが不足することで、効果検証が十分に行えない
- 営業メンバーの定着率が低い場合、情報共有やノウハウ蓄積が困難となり、効果検証のためのリソースが不足する
効果検証を正確に実施するためには、効率的な営業活動の推進や適切な採用・教育、働きやすい環境づくりが重要となります。
顧客ニーズがつかめない
営業活動における顧客ニーズの把握は、最も重要な要素であるといっても過言ではありません。そのため、以下のような課題を抱える企業も多いのではないでしょうか。
- 情報収集の難しさ:
企業のニーズや事業内容、経営状況などを正確に把握することが求められるが、情報が散逸していることで効率的な分析が難しい場合がある - 適切な訴求軸の作成:
アプローチする企業に合った価値提案を作成するうえで、企業独自の特徴や市場ニーズを理解し、それに適応できる提案が求められる - 競合他社との差別化:
類似の商品やサービスを提供する競合他社と比較して、アプローチ先企業に対して自社の強みをアピールする必要がある
これらの課題への対処には、深い市場理解やデータ解析能力、そして柔軟な発想が求められます。
AI時代だからこそできる、営業変革
AIやデータ活用によって、営業は劇的な変化を遂げることが期待されています。
AI技術の進化により、顧客データの分析やアプローチ先企業の選定、営業活動の効率化が実現し、人間には難しい高度な分析も可能となりました。また、AIを搭載したソリューションを導入し、一定の業務を自動化することで、営業が本来やるべき業務に集中することができ、営業成績の向上や顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
人手不足の解消と営業活動の効率化を一気に実現
AIやデータを活用することで、営業リソース不足が解消され、同時に営業活動が効率化するとしたらどうでしょうか。
具体的には、AIによる効率的な情報収集や顧客分析、営業の自動化(セールスオートメーション)が挙げられます。
これにより人手不足や情報過多の問題が解消され、営業メンバーがより効率的に活動できるようになります。また、営業活動の効率化によって、企業全体のパフォーマンスも向上することが期待されます。
人にしかできない仕事にフォーカス
AIやデータ活用を取り入れることで、自動化できる業務プロセスが増え、社内のリソースをもっと重要な業務に集約させることできます。
営業メンバーは情報収集や分析などの煩雑な業務から解放され、人にしかできないコミュニケーション能力を活かした営業活動に集中できるようになることでしょう。顧客との信頼関係構築やニーズのヒアリング、タイムリーなフォローアップなど、人間が持つ感性やコミュニケーション力が重要となる業務に専念することができるでしょう。
「AIにまかせる仕事」と「営業メンバーが対応する仕事」の適正なすみ分けよって、営業成績の向上や顧客満足度の向上が期待されます。また、人にしかできない付加価値を提供することで、競合他社と差別化されたサービスが提供できるようになるのではないでしょうか。
営業活動がデータドリブンに変わる
データドリブンな営業活動は、顧客満足度向上と売上拡大に繋がると言われています。データを活用して最適化された営業活動の主なメリットは以下のとおりです。
- 顧客のニーズやタイミングを正確に把握することで、適切な提案が可能になる
- 優先度の高い顧客に的確にアプローチすることで、営業活動が効率化する
ここでいう営業活動の効率化とは何でしょうか。
例えば、自社内に蓄積された過去の失注データや受注データ、既存顧客リストなどをAIで分析することで、「成約しやすい顧客」像やICP(Ideal Customer Profile)をもとに、優先度づけされた営業活動の展開が可能になります。
データに裏付けされたターゲティングで営業活動をおこなえば、営業の効率が向上するだけでなく、成約率の向上にもつながるでしょう。
AI技術の進化に伴い、効率性を高めた営業活動が必須になる
今後さらなるAI技術の進化に伴い、営業活動はより効率性を高めていくでしょう。ぜひ、あなたも次のアクションとして、AIを活用した営業活動に取り組んでみてください。
BtoB営業におけるインテントセールスの導入効果は非常に大きく、米国だけでなく、日本国内においても、その評価は日に日に高まっています。これまでの営業手法に手詰まり感やもどかしさを感じているのなら、ぜひSales Markerの導入を検討してみてください。あなたの会社の営業活動にも大きな変化が訪れることでしょう。
この記事を書いた人
この記事を書いた人
小笠原 羽恭
CrossBorder株式会社 代表取締役 CEO。 新卒で野村総合研究所に入社後、基幹システムの開発・PM・先端技術R&D・ブロックチェーン証券PFの構築・新規事業開発に従事した後、コンサルティングファームに転職し、経営コンサルタントとして、新規事業戦略の立案・営業戦略立案・AIを活用したDXなどのプロジェクトに従事。その後、グローバル規模での市場動向調査・営業戦略立案・事業戦略立案をデータとAIで効率化・高度化することを目指してCrossBorder株式会社を創業。代表を務める。国内初のインテントセールスを実現するSales Markerを提供。Forbes 30 Under 30 Asia Listノミネート。一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)の協議員。