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急成長を見せるセールステック「セールスインテリジェンス」とは

セールスインテリジェンスとは

セールスインテリジェンスという言葉を聞いたことがありますか?

まだ日本ではそれほど知られていない概念ですが、インテリジェンスとは、単なる知識ではなく、「意思決定のために情報を分析して得られる知見」を指します。

セールスインテリジェンスとは、AI(人工知能)などの最新テクノロジーを活用してデータを解析することで、営業にまつわるさまざまな問題を解決するソリューションを指します。

セールスインテリジェンスは、顧客情報や企業を取り巻く環境、Web上の行動履歴データなどの膨大なデータから、見込み客のニーズを分析します。自社の商品やサービスに対してニーズを持つターゲット顧客を特定し、顧客のニーズに即した最適なアプローチをするために活用されるテクノロジーなのです。

現代の顧客情報や意思決定プロセスは複雑化しています。そのため、リアルタイムでデータを取得し、そのデータを活用して顧客のニーズやタイミングに最も適したアプローチを行う必要があります。つまり、セールスインテリジェンスは、営業活動の効率化や成果向上、企業の競争力を高めるために有効なツールと言えるでしょう。

セールスインテリジェンス市場は急成長している分野であり、今後さらなる成長が見込まれています。

RNPLによる調査では、2023年の世界市場規模は約35億ドルに達し、2035年には約85億ドルになると予想されています。

セールスインテリジェンス5つの特徴

セールスインテリジェンスと一括りにいっても、実際はツールによって機能はさまざまです。

これからご紹介する5つの特徴は、効果的なセールスインテリジェンスが備えているとされる機能になりますので、セールスインテリジェンスを選ぶ際の参考にして下さい。

顧客情報の自動更新

顧客情報が常に最新の状態に保たれることで、企業はターゲット顧客の動向やニーズをリアルタイムで把握することができます。

顧客情報の自動更新は、業務効率化の大きな要素の一つです。例えば、手動で顧客情報を更新するには時間と労力がかかりますが、自動更新機能により、これらの負担が軽減されます。また、組織内で情報が一元管理されることで、異なる部署間でも情報共有がスムーズになり、業務の効率化が実現します。

ツール選定の際には、企業内の部署や人物に関する情報を搭載しているツールを選ぶとよいでしょう。営業担当者がターゲットとなる企業の意思決定者や関係者とコミュニケーションを図ることは、商談を進めるうえでとても重要です。常に最新に保たれたキーマン情報があれば、効果的なアプローチができるようになります。

インテントデータを搭載

インテントデータ、特にサードパーティのインテントデータを搭載しているかどうかを確認しましょう。インテントデータは、顧客のWeb上の行動から興味関心を分析し、購買意欲や検討フェーズを予測することができるデータです。

インテントデータを活用することで、営業担当者はターゲットとなる顧客が何に興味を持っているか、どのような製品やサービスを求めているかを把握することができます。これにより、顧客ニーズに即した提案が可能となり、効果的な営業活動を展開できます。

また、インテントデータは、顧客とのコミュニケーションを円滑に進めるための重要な手がかりとなります。例えば、ある企業が自社製品と競合他社の製品を頻繁に検索していたとします。このことから、この企業はこれら2つの製品について興味が高まっており、さらに意思決定に際して類似点や違いを明確化したいのだと仮説だてることができます。

そこで、2製品の機能やメリットを具体的に比較した情報を提供することで、顧客の意思決定プロセスに貢献することができ、信頼関係を築くことができるでしょう。

オポチュニティデータを取得

ここで言うオポチュニティデータとは、例えば、役員の着任情報や新製品の発表といった企業におけるさまざまなニュース、つまり、新たな商談を創出する「機会」を示すデータのことです。

具体例として、ある企業で資金調達が行われた場合、その資金で事業を発展させるための雇用や設備投資が予定されている可能性があります。

また、パートナーシップや提携が発表された場合は、市場拡大や新たな商品開発が計画されてるかもしれません。

これらのオポチュニティデータから顧客のニーズを捉え、戦略的にアプローチすることで、新たなビジネスチャンスを生み出すことができます。

シグナルでお知らせ

営業活動において、最適なタイミングを知ることは極めて重要です。なぜなら、タイミングが良ければ、顧客との関係構築やクロージングがスムーズに進み、結果的に売上向上につながるからです。

では、その最適なタイミングとはいつでしょうか。

  • 顧客のニーズや興味関心が高まったとき
  • 顧客が競合他社の製品やサービスに不満を抱いているとき
  • 顧客が新たなビジネスチャンスを探しているとき

上記のような、顧客にとっての「営業を受けたいタイミング」がわかれば、営業活動の生産性が向上することは言うまでもありません。

セールスインテリジェンスは、さまざまなデータをAIが解析し、顧客の動向やニーズの変化からインサイトを導き出します。そして、購買意欲の高まりなど、営業アプローチに有効なタイミングをシグナルで知らせます。

顧客データの収集と統合

統合的な顧客データ管理は、ビジネスの成功に不可欠な要素となっています。

セールスインテリジェンスは、異なるソース(ウェブサイト、ソーシャルメディア、CRMシステム、外部データベースなど)からのデータを収集・統合して、単一のデータベースやダッシュボードにアウトプットします。

顧客情報が一元化されることで、組織は顧客ベースの全体像を把握しやすくなります。これにより、特定の顧客セグメントや市場トレンドに関するインサイトを容易に得られるようになり、戦略立案や意思決定の精度が向上します

また、顧客ごとに最適化された提案が可能になり、営業プロセスの効率化、顧客満足度の向上、ロイヤルティの構築に役立ちます。

こうしたテクノロジーを使って、これまで手動でおこなっていた作業を自動化することで、労力やコストの削減にもつながります。

セールスインテリジェンスの代表例

セールスインテリジェンスは、最新テクノロジーとデータを活用し、営業の課題を解決するソリューションの総称です。

より広い範囲を対象とするキーワードとして、セールステックという言葉がありますが、セールスインテリジェンスはセールステックの一つのジャンルといえます。

代表的なセールスインテリジェンスとしては、以下のソリューションが挙げられます。

ZoomInfo

ZoomInfoは、米国のZoomInfo Technologies Inc.が開発・提供しているセールスインテリジェンスです。

13億以上の企業情報データベースと6億人以上のキーマンデータベース、1億3500万件以上の電話番号データベースを所有していることが強みで、営業及びマーケティングに欠かせないリサーチ及びデータの収集業務を可視化し、それらの業務を自動化します。

ZoomInfoは現在、3万社以上で導入されており、米国トップのセールスインテリジェンスといえます。 

UpLead

UpLeadは、米国のUpLead LLCが開発・提供しているセールスインテリジェンスです。1600万件以上の企業情報データベースと1億3500万件以上のメールアドレスを所有し、95%の精度で見込み客のリストを作成できます。

精度の高さを売りに、ZoomInfoを猛追しているサービスです。

海外セールステックのトレンド

最近は、フィンテックやリーガルテックなど、○○テックという言葉をよく聞きますが、セールステックもその1つで、ITを活用して営業活動を効率的に行うという考え方です。

セールステックは幅広い概念ですが、主に次の6つの分野に分類できます。

こうしたセールステックの中でも、米国を中心に急成長を遂げているのが、インテリジェンス・解析分野のツール、いわゆるセールスインテリジェンスです。

セールスインテリジェンスは、セールステックの中でも比較的新しい分野であり、インテントデータを扱うインテントデータソリューションがセールスインテリジェンスの代表的なソリューションです。

米国をはじめとする海外では、インテントデータソリューションの利用によって、営業成績を大きく向上させることに成功した企業が急増しています。 

国内セールスインテリジェンスの代表例

セールスインテリジェンスは、営業成績向上に向けた重要なツールの1つです。その中でも、特に注目を浴びているのがインテントデータソリューションです。

インテントデータソリューションを用いた先進的なセールスアプローチを「インテントセールス」と呼び、国内企業でも急速に採用が広まっています。この新しいアプローチを取り入れることで、企業は顧客の購買意向や関心をより精緻に把握し、顕著な成果を上げています。

セールスインテリジェンスは、セールステック先進国である米国で開発されたものが多いのですが、東京に本社を構えるCrossBorder株式会社が開発・提供している「Sales Marker(セールスマーカー)」は、日本の実情にあったインテントセールスを実現します。先行している海外のセールスインテリジェンスソリューションと比べて、より高機能で使い勝手が優れていることが魅力です。

Sales Markerを利用することで、企業データベース500万法人、人物データ333万人、部署データ30万社と外部ツール連携によって取得した膨大なデータの中から、“今”自社のサービスや製品を求めている企業/部署を特定・リスト化することができ、さらに広告配信やメール送信、フォーム送信といったAIによる自動営業サポート機能を利用すれば、手間をかけずにマルチチャネルアプローチを実現できます。

インテントセールスの詳しい内容については、こちらの記事をご覧ください。

導入事例とその効果

セールスインテリジェンスの草分け的な存在であるZoomInfoは、米国を中心に3万社以上もの企業で導入されています。

例えば、人材紹介会社の7 Eagle Groupでは、ZoomInfoを導入することで、エンゲージメント率が2倍になり、商談機会の増加とリソース活用の迅速化につながりました。

ビジネス旅行向けのホテル予約ソリューションを提供しているHotel Engineでは、ZoomInfo導入後、営業の生産性が5倍に向上し、営業担当者が予約するデモの数も3倍に増えました。

国産セールスインテリジェンスソリューションの雄であるSales Markerは、提供開始からわずか1年6ヶ月で220社以上もの企業で導入されています。Sales Markerの導入対象は、エン・ジャパンなどの大手企業からスタートアップまで幅広いことも特徴です。

例えば、映像制作を行っている株式会社EPOCHでは、Sales Marker導入によって、キーマンへのダイレクトアプローチを実現し、「今ちょうど探していた」と歓迎されるタイミングでアプローチしたことにより、数週間という驚異的なリードタイムで大型案件の獲得に至りました。

また、組織コンサルティングを提供する株式会社識学では、検索履歴と部署・役職レベルから、アプローチ対象の絞り込みを行いました。興味関心を事前に把握した状態でアプローチしたことにより、獲得月間アポ数が10倍に増加するなど著しい成果が出ています。

加えて、サポートが充実していることもSales Markerの魅力です。

オンボーディングから最低でも3か月間、運用支援やセールス領域で実績・ノウハウを持つコンサルタントによる伴走支援を受けることができるため、インテントセールスやセールスインテリジェンスの運用について詳しい社員がいない場合でも、安心して導入することができます。

セールスインテリジェンスの導入は営業効率を上げるベストな選択

このように、国内外ですでに多くの企業がインテントデータやセールスインテリジェンスを活用し、営業成果を上げています。営業活動の効率化や成果向上、企業の競争力を高めるためのベストな選択とも言えるセールスインテリジェンスは、今後ますます注目され、日本国内における導入も加速的に広まると予測されています。

この記事を書いた人

この記事を書いた人

小笠原 羽恭

CrossBorder株式会社 代表取締役 CEO。
新卒で野村総合研究所に入社後、基幹システムの開発・PM・先端技術R&D・ブロックチェーン証券PFの構築・新規事業開発に従事した後、コンサルティングファームに転職し、経営コンサルタントとして、新規事業戦略の立案・営業戦略立案・AIを活用したDXなどのプロジェクトに従事。その後、グローバル規模での市場動向調査・営業戦略立案・事業戦略立案をデータとAIで効率化・高度化することを目指してCrossBorder株式会社を創業。代表を務める。国内初のインテントセールスを実現するSales Markerを提供。Forbes 30 Under 30 Asia Listノミネート。一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)の協議員。

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