この記事は約 9 分で読めます。
「自社に導入する営業DXツールをどのように選べばよいのかわからない」
「営業DXツールにどういった種類があるか知りたい」
企業の営業部門の責任者の方のなかには、このような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
営業DXが実現できるツールには「ナレッジ共有クラウド」「MA」「セールスインテリジェンス」などの種類があります。「案件数が少ない」「失注が多い」といった課題に応じて導入ツールを選ぶことで、自社の課題解決に近づきます。
本記事では「課題別の営業DXツールおすすめ9選」と「導入する手順」を中心に解説します。営業部門の課題をDXで解決したい方は、ぜひご覧ください。
そもそも営業DXとは?
営業DXとは、デジタル技術やデータを活用し「営業活動の最適化」を目指して取り組むことを指します。具体的には「営業プロセス」や「営業戦略」を再構築して「顧客の購買行動」と「自社の営業活動」の全体的な最適化を実現させます。
たとえば「システム化して得られた購買データをもとに、営業プロセスを再構築する」といった取り組みが営業DXに該当します。おもに営業活動の効率化・生産性向上を目的として行います。
営業DXを実践するためのツールとは
営業活動のDXには、ITツールを活用します。目的に応じて「どのようなDXを行うか」が異なるため、営業DXの目的が達成できるツールを選ぶ必要があります。
以下の目的別に、活用できるツールの種類を紹介します。
スキルの脱属人化のためのツール
営業スキルの脱属人化を目指したい場合は「スマート電話ツール」や「ナレッジ共有クラウド」といったツールの活用がおすすめです。
営業スキル・ノウハウをデータ化し、誰でも「質の高い営業活動」が行えるようになるツールです。チームのスキルが標準化できるため、営業スキルが高い人材に依存せずに成果を上げられる組織作りが可能です。
スマート電話ツールは「音声解析機能」を活用して、属人化しがちな営業トークの課題が解決できるツールです。トップ営業の話し方を分析して可視化するため「営業トークのノウハウ蓄積」や「社内教育への活用」に役立ちます。
ナレッジ共有クラウドは「営業資料」をはじめとしたナレッジが社内で共有できるツールです。社内に蓄積している営業資料・ノウハウが管理できるうえに、ナレッジを活用した学習も可能なため「営業力強化」や「社内教育」に役立ちます。
営業活動の管理・分析のためのツール
営業活動の管理・分析には「CRM / SFA」の活用がおすすめです。これまでブラックボックス化していた営業活動を「数値化」「データ化」して活かせるツールです。
営業活動を進めるにあたって必要な「目標管理」や「進捗管理」「顧客情報の管理」などが行えます。また、データを分析することで「課題の洗い出し」や「リスクの分析」も可能です。
営業活動の自動化・効率化のためのツール
営業活動の自動化・効率化には「MA」や「セールスインテリジェンス」の活用がおすすめです。営業活動そのものが自動化・効率化できるツールです。
MAは、マーケティング活動全般を自動化できるツールです。見込み顧客の興味・関心や行動のデータを分析し、1人ひとりに効果的なアプローチを効率的に行います。
セールスインテリジェンスは、最新テクノロジーや科学技術を活用して営業分野の課題を解決するツールです。顧客情報やWeb上の検索行動などのデータを分析し、営業活動が円滑に進められるように支援します
おすすめの営業DXツール(スキルの脱属人化)
ここからは、スキルの脱属人化につながる営業DXツールを紹介します。
スマート電話ツール
おすすめのスマート電話ツールは次の2つです。
MiiTel
引用:MiiTel
MiiTelは、IP電話や録音機能、文字起こし、音声解析が1つになったツールです。すべての通話が自動録音・文字起こしの対象のため、社内教育におけるフィードバックに役立ちます。
またAIを活用した音声解析により、成果が出やすいトークの特徴が把握できます。架電録音や文字起こしを活用すれば「成果につながるトークスクリプト」の作成にも役立つため、営業チームのトークスキルが底上げできます。
料金 | 初期費用:0円 月額:5,980円 / ID(年次契約の場合) |
デモ / フリープラン | デモ画面あり |
amptalk
引用:amptalk
amptalkは、IP電話・Web会議システムと連携可能なツールです。文字起こし・要約・解析データがSFAに自動入力されるため「営業メンバーのトーク・提案内容」がいつでも閲覧できます。
SFAに電話・商談内容が直接記録されるため、日々の活動記録作業の負担がなくなります。さらにトーク内容をAIが解析するため、売れているトークの特徴が発見できます。チーム全体のトーク改善・営業の型化が促進できるため、営業スキルの脱属人化につながります。
料金 | 月額:4,000円~ 初期費用:要問い合わせ |
デモ / フリープラン | 要問い合わせ |
ナレッジ共有クラウド
おすすめのナレッジ共有クラウドは、次のとおりです。
Knowledgework
引用:Knowledgework
Knowledgeworkは「営業力の強化」や「営業の生産性向上」が1つで実現できるツールです。営業活動に必要な資料や動画、過去提案書類などが管理できるため、社内のナレッジ共有・営業活動の効率化に役立ちます。
また営業パーソン用の学習プログラムが作成できるため、社内教育に活用できます。さらに、管理している営業資料をはじめとしたデータの「利用状況」や、学習プログラムの「受講状況」が把握できるため、データ分析を通じて営業力強化・ナレッジ共有のPDCAを回すことも可能です。
料金 | 月額費用:要問い合わせ 初期費用:0円 |
デモ / フリープラン | 無料デモあり ※従業員数1,000名以上の企業が対象 |
おすすめの営業DXツール(営業活動の管理・分析)
営業活動の管理・分析に役立つ営業DXツールを紹介します。
CRM / SFA
おすすめのCRM / SFAは次の2つです。
Salesforce
引用:Salesforce
Salesforceは、世界の15万社以上に使用されているツールです。営業活動における「案件管理」や「進捗管理」「顧客管理」などが可能なため、社内で連携しながら効率的に営業活動を進められます。
カスタマイズ性が高く、セールスやサービス、マーケティング、ITといった幅広い業務が効率化できます。多機能なため、自社に適した仕組みが構築しやすいツールです。
料金 | セールス
Starter Professional Enterprise Unlimited Unlimited+ |
デモ / フリープラン | 無料トライアル・デモ動画あり |
Mazrica
引用:Mazrica
Mazricaは「AIの力」と「入力自動化」を活用して、営業チームを成果に導く営業支援ツールです。顧客・案件・行動管理だけでなく、AIによる案件の「リスク分析」や「類似案件」に関するアドバイスが受けられます。
また「OCR機能」によって名刺や議事録がスキャンでき、自動で文字起こしされます。面倒な入力業務の負担が減るため、コア業務に注力できます。グループウェアやチャット、請求管理といった外部ツールとも連携できるため、さらなる営業効率化が実現できるでしょう。
料金 | Starter:月額27,500円~ Growth:月額110,000円~ Enterprise:月額330,000円~ |
デモ / フリープラン | 無料トライアルあり |
おすすめの営業DXツール(自動化・効率化)
営業活動の自動化・効率化に役立つ営業DXツールを紹介します。
MA
おすすめのMAは次の2つです。
HubSpot
引用:HubSpot
HubSpotは、利用社数19万4,000社を超えるカスタマープラットフォームです。マーケティング・営業・カスタマーサービス・コンテンツ管理・オペレーションの5つの製品があり、組み合わせることで、顧客に関わる業務を1つのプラットフォームに集約できます。
また「営業エンゲージメントツール」の活用により、相手の状況に即したコミュニケーションが可能となります。営業パーソンが「その日にやるべきこと」が整理しやすいため、商談化率を高めながら業務が効率化できます。
料金 | Marketing Hub ・Starter:月額2,160円 ・Starter CRM Suite:月額2,160円(※新規限定オファー) ・Professional:月額96,000円 ・Enterprise:月額432,000円 |
デモ / フリープラン | 無料ツール・製品デモあり |
Account Engagement
引用:Account Engagement(旧Pardot)
Account Engagement(旧Pardot)は、BtoBに特化したMAツールです。関連製品のCRM「Sales Cloud」とスムーズに連携できるため、見込み顧客との長期的な関係構築が可能です。
また見込み顧客の関心度が測定できる「スコアリング」では、優先度ランク付け機能の活用により、確度の高い見込み顧客が見極められます。商談につなげやすくなるため、営業活動の効率も高まるでしょう。
料金 | Growth:月額150,000円(税抜) Plus:月額330,000円(税抜) Advanced:月額528,000円(税抜) Premium:月額1,800,000 円(税抜) |
デモ / フリープラン | デモ動画あり |
セールスインテリジェンス
おすすめのセールスインテリジェンスは、次のとおりです。
Zoominfo
引用:Zoominfo
Zoominfoは、アメリカ発のセールスインテリジェンスです。企業のサイトやニュースから情報を取得して、常に最新の顧客情報を取得しています。
また、顧客情報の分析機能が優れており「優良な顧客を自動的に判断してスコアリングする」「顧客が求めている情報を想定して提供情報を変更する」といった機能もあります。
ただし、Zoominfoは海外のデータしか取得できないため、日本での活用は難しい点に注意しましょう。
料金 | 要問い合わせ |
デモ / フリープラン | 無料トライアルあり |
Sales Marker
引用:Sales Marker
Sales Markerは、自社サービスを今欲しい企業に絞ってアプローチできるセールスインテリジェンスです。「自社サービス」や「競合サービス」などのキーワードを事前に設定すると、検索されたタイミングで通知されるため「見込み顧客の購買意欲が高まっているタイミング」にアプローチできます。
また「インテントデータ(興味関心データ)」を活用した「見込み顧客のニーズに沿った提案」や「AIによるアプローチ手段の自動選出」も可能です。これまで属人化しがちだった領域が自動化・効率化できるため、営業活動の最適化に役立つ営業DXツールです。
料金 | ミニマムのご利用料金は月額40万円前後 ※ご利用内容によって変動 |
デモ / フリープラン | 無料デモあり |
営業DXツールを導入する手順
営業DXは以下の手順で導入しましょう。
- 自社の課題の特定
- 条件面で比較
自社の課題の特定
まず、自社の営業チームの課題を特定しましょう。複数の課題がある場合もありますが、優先度が高い課題に対応できるツールから導入します。なお多くの企業では「営業活動の管理・分析」に課題があるケースが多いです。
自社の課題ごとに、以下の営業DXツールを選びましょう。
たとえば「案件数が少ない」といった場合は「MA」か「セールスインテリジェンス」ツールの導入が適しています。人材育成に課題があるにもかかわらず「SFA」や「MA」を導入した場合は、課題の解決につながらないため注意しましょう。
条件面で比較
導入するツールの種類が決まったら、次は条件面でツールを比較しましょう。
たとえば「セールスインテリジェンス」を導入する場合は「Zoominfo」と「Sales Marker」の条件面を比べます。「Zoominfo」は海外のデータのみ取得できるため、日本国内で導入する場合は「Sales Marker」が適しているでしょう。
ほかにも「予算内で導入できるか」「既存システムとの親和性はあるか」「自社の企業規模に適しているか」などを考慮して比較したうえで、導入ツールを選びましょう。
まとめ
営業DXツールを導入すると「スキルの脱属人化」をはじめとしたさまざまな目的が達成できます。企業によって抱えている課題は異なるため、自社の課題を特定したうえで、解決につながる営業DXツールを導入しましょう。