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2024.07.31

セールスイネーブルメントとは?4つの実践方法と成功事例を紹介

営業組織で継続的に成果を創出するためには、組織全体の営業力の強化・標準化が重要です。 そのために営業研修や育成を行なっているが「効果が出ていない」「成果が見えづらい」と悩む企業も多いのではないでしょうか?

そこでおすすめする取り組みが「セールスイネーブルメント」と呼ばれるものです。 組織全体の営業力の強化・底上げの方法として注目を集めています。

本記事では、セールスイネーブルメントの概要・実践方法・成功事例など詳しく解説します。

セールスイネーブルメントとは?

セールスイネーブルメントとは、組織全体で営業力の強化・標準化を目指す取り組みのことです。
営業活動の数値化・データ化やトップセールスパーソンのスキル・ノウハウの共有といった取り組みを実践し、トップセールスパーソンに依存する、成果の属人化状態から脱却することで
営業組織全体で継続して成果を創出することができるようになります。

営業活動の成果に悩みや課題を抱えている組織において、各担当者の経験や知識に頼った営業が行われ、属人化した営業であることが少なくありません。
成果を創出できている一部のセールスパーソンに依存している組織では、組織全体で継続的に成果を創出することは難しくなります。

セールスイネーブルメントに取り組み、営業活動の標準化・最適化を行うことで、営業担当全員の営業力が底上げされ、組織で成果を創出できるよう導くことが可能になります。

ここからはセールスイネーブルメントについて下記3点の視点から解説します。

  • セールスイネーブルメントの市場
  • セールスイネーブルメントが注目されている背景
  • セールスイネーブルメントと人材育成の違い

セールスイネーブルメントの市場

セールスイネーブルメントの市場規模は年々増加傾向にあります。

出典:国内のセールス・イネーブルメント・ツール市場規模推移および予測(株式会社アイ・ティ・アール)

グラフを見てわかる通り、2016年には13億円だった市場が2022年には31億円と倍以上の市場規模となっています。

セールスイネーブルメントの市場規模が増加傾向にある理由としては、少子高齢化による労働人口の減少、目まぐるしい市場の変化による顧客ニーズの複雑化・細分化によって、全体的な営業力が必要と考える企業が増えているからです。

セールスイネーブルメントが注目されている背景

セールスイネーブルメントが注目を集めている背景には、以下のの4点が理由として挙げられます。

  1. SFA/MA/CARなどのツールが普及しており、営業活動だけで得られる顧客情報には限りがあるため
  2. 自社の商品やサービスを継続的に利用してもらうためには、関係性を構築し全社横断的に対応できる必要があるため
  3. ネットで比較検討を行う人が増えているが、専門家に商品やサービスの知識を聞く人は存在しているため、営業担当者の提案力を強化し「専門家」になる必要があるため
  4. 人材の確保が難しくなっているが、企業の売上目標は上昇していることから既存の担当者でカバーする必要があるため

市場の変化や競合他社との競争激化により従来の営業活動では、企業の売上を伸ばし成長し続けていくことは非常に難しいのです。

そのため、従来の営業活動での課題を解決するにはセールスイネーブルメントの取り組みが非常に有効だと言えます。

セールスイネーブルメントと人材育成の違い

セールスイネーブルメントと人材育成は混同されることが多いですが明確な違いがあります。

まずは人材育成は、研修やOJTなどがありますが各担当者「個人」を対象にした取り組みです。 そのため、営業スキルや能力の向上は、各営業担当者の経験や能力に委ねられるため、成果にバラつきが生じてしまいます。

また、研修などの人材育成は、その行う主体が営業部や人事部など異なるケースもあり、その効果を計測しづらい、という課題もあります。

一方、セールスイネーブルメントは専門的に実施する部門・担当が営業担当者全員を対象に営業力の標準化・最適化を行い、全体的な営業力の底上げを図ることができます。

セールスイネーブルメントの4つの実践方法

セールスイネーブルメントには下記4つの実践方法があります。

  1. コンテンツ
  2. プロセス
  3. プログラム
  4. データ

1. コンテンツ

セールスイネーブルメントにおけるコンテンツは「顧客に提示する資料や提案書」と「社内向けの営業資料」の2つに分けられます。

顧客に提示する資料や提案書は各担当者が異なったモノを顧客に提示するのではなく、成果につながりやすい資料に組織全体で統一化することが重要です。 各担当者それぞれで作成した提案書や資料を提示すると内容にバラつきが発生するため、成果が創出されづらくなります。

組織全体で成果を創出するためには、成果を創出できている担当者の資料や提案書に統一化することで、各担当者の成果の差が生じにくくなります。

また、社内向けの営業資料も同様です。各担当者が異なった営業ノウハウに関する資料を使えば、そこから伝わるスキルや成果には差が生じます。担当者ごとにカスタマイズされていけば、成果により大きなバラつきが生じます。

セールスイネーブルメントを実現するためには、成果を出している担当者の資料や営業ノウハウを組織全体で統一化・共有することが重要です。

2. プロセス

営業活動における各プロセスを組織全体で統一することで、営業組織全体で成果を創出できます。

それぞれが経験や勘に頼った営業活動を行えば、成果に差が生じるのは当然です。しかし、成果を創出できている担当者が各プロセスごとに行なっている具体的なアクションを共有できれば、担当者全員が成果を創出できる仕組み化が実現します。

例えば「リード獲得後30分以内に架電を行う」「商談後はアンケートを送付する」などステップごとに、どのようなアクションを行うのか明確にし、浸透できれば担当者全員が営業活動でやるべきことが明確になります。

3. プログラム

セールスイネーブルメントにおける「プログラム」とは、営業ノウハウや資料などをまとめた学習プログラムを営業組織全体で共有していくことです。

担当者ごとに異なったプログラムで学習するのではなく、同じプロググラムを学習することで組織全体での能力・スキルの向上が実現します。

4. データ

営業担当者1人1人の成果や行動を数値化・データ化を行い担当者ごとに改善すべき点や必要なスキルを明確にすることが重要です。

各担当者ごとに補うべきスキルが分かればやるべきことが明確になります。先述した「コンテンツ」「プロセス」「プログラム」を統一し組織全体に共有できても、個人の経験・能力で得意・不得意としている営業プロセスは存在します。

そのため、各担当者が抱えている課題を明確にし対策を打つことで、やるべきことが明確化され営業組織全体の標準化が実現します。

セールスイネーブルメントに取り組むべき企業

ここからはどんな企業がセールスイネーブルメントに取り組むべきなのかを、下記3つのパターンで解説します。

  • 企業規模が大きい企業
  • 顧客数が多い企業
  • 高単価商材を扱う企業

企業規模が大きい企業

セールスイネーブルメントは営業の標準化、つまり「全員が売れる営業」を目指す取り組みです。そのため、企業規模が大きい企業ほど取り組むべきと言えます。

例えば、「100人全員が同じ成果を創出できる企業」と「10人全員が同じ成果を創出できる企業」では、売上の向上率が高いのは「100人全員が同じ成果を創出できる企業」です。100人それぞれの成果にバラつきがあれば、10人の成果を標準化するよりも売上の変動は大きいと言えます。

そのため、社内の営業パーソンのスキルの標準化ができれば、規模が大きい企業ほど売上の向上率は大きくなります。

顧客数が多い企業

顧客数が多い企業はその分取れるデータも多くなります。そのため科学できる(適切な根拠に基づいて明確な結果を導き出す行為)可能性が高いのです。

顧客数が多ければ、顧客の属性データ・行動データや受注した際の行動パターンなど、分析できる材料が多く営業活動における成功パターンを導きやすいと言えます。

仮に新規顧客を取得する際には、既存の顧客から導き出したデータを基に成功パターンを当てはめることで、受注率の確率を上げることができます。結果的に、組織全体の営業の標準化が実現できるのです。

高単価商材を扱う企業

売れづらい高単価商材を扱う企業ほど、売上を上げていくことはハードルが高いでしょう。

しかし、セールスイネーブルメントに取り組み、高単価商材の売上をあげている営業担当者に標準を合わせて担当者全員が成果を創出できるようになれば、低単価より高単価の方が企業の売上向上の額は大きいのです。

そのため、高単価商材を扱う企業ほど、営業の標準化を図るセールスイネーブルメントに取り組んだ際の影響は大きいと言えるでしょう。

セールスイネーブルメントの成功事例

セールスイネーブルメントを検討する企業の中で「他企業が成功しているのか気になる」という方も多いのではないでしょうか?そこで他企業の成功事例下記2社を紹介します。

  1. 東芝テック
  2. プレコーズ

1.東芝テック

東芝テック株式会社では、テレワークによる営業活動を実施しています。

しかし、オンライン営業を実施するとともに各担当者の経験や知識に頼った自己流の営業により、営業スキルにバラつきが生じる課題を抱えていました。

そこで営業スキルの標準化を目的に「セールスイネーブルメントツールの導入」「営業担当が商品を紹介し、ダウンロードできる動画の作成」の2点に取り組みました。

セールスイネーブルメントツールでデータやノウハウを蓄積し取り入れた動画を活用することで、営業トークや提案資料の均一化を図り、営業活動の標準化を達成しました。

2.プレコーズ

株式会社プレコーズは全国5つの営業所を有しており、各営業所で営業プロセスが異なっていました。また、現場では属人化が発生し、各担当者で営業成績にバラつきが生じていました。

そこでSFAツールを導入、営業手法を一元的に管理し営業プロセスを5つの営業所で均一化することで営業活動の標準化に成功しました。

これにより、新規顧客開拓数が前年の2.2倍を記録しました。

 

セールスイネーブルメント2社の成功事例を詳しく解説しましたが、成功事例をもっと確認したいという方は下記記事もあわせてご覧ください。

セールスイネーブルメントを実現するためのツール

セールスイネーブルメントを実現・効率化するにはツールを利用することも重要です。ここではおすすめのツール下記3つを紹介します。

Sales Marker

「Sales Marker」は企業の検索行動からわかるニーズに基づき、顧客起点で営業を行う、「インテントセールス」を世界で初めて提供しています。

従来の手当たり次第の営業ではなく、自社の商品・サービスに興味・関心が高い企業に絞ってアプローチすることが可能です。

そのため、受注に繋がる「いい商談」を誰でも生み出すことができ、セールスイネーブルメントの実現となります。確度の高い営業活動により、受注率の向上も期待できます。

ACES Meet

引用:ACES Meet

「ACES Meet」は商談の録画・議事録の書き起こしをAIが行います。また、商談中の重要な部分をAIが自動で判定し、後で簡単に見返すことが可能です。

要点整理やBANT情報、相手が興味を持った部分など要点を抑えた商談のまとめを作成できるため、商談でうまくいっている部分・いっていない部分が明確になります。

そのため、商談内容を営業メンバーに共有できれば、商談の標準化へとつながります。

Sales Doc

引用:Sales Doc

顧客に送った資料や動画の閲覧状況やタイミングがわかるため、顧客のニーズやタイミングにあわせたアプローチが可能になります。

最適なタイミングでアプローチができるため、資料・動画の送付後に無駄な架電や説明の簡略化により、アプローチの標準化が実現します。

ここまでセールスイネーブルメントを実現するためのツールを3つ紹介しました。 下記記事では上記では紹介していないおすすめのツールを更に紹介していますので、合わせてご覧ください。

まとめ

本記事では、セールスイネーブルメントの概要・実践方法・取り組むべき企業など詳しく解説しました。

セールスイネーブルメントに取り組むことで、営業活動の標準化を実現し担当者全員のスキル向上や強化につながります。

また、他社の成功事例やセールスイネーブルメントツールを利用することで、より効率的に取り組むことができます。

本記事を参考にセールスイネーブルメントに取り組んでみてはいかがでしょうか。

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