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ABMを企業が導入すると成約率が30%増加!企業事例と手法も解説

#ABM|営業

近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)によって様々なものがデジタル化していっています。直接するイメージが強い営業もデジタル化が進んでいます。

その影響で再度注目されているのがABMです。ABMが開発されたのは、2000年代初頭。しかし最近になって、また注目され始めています。

  • なぜいま話題になっているのか
  • ABMを企業が導入するとどのような効果があるのか
  • どういった会社に向いているのか

実例を用いて紹介していきます。

ABMとは

ABMとは「アカウント・ベースド・マーケティング(Account Based Marketing)」の略称で、BtoBマーケティング方法の一つです。

自社の売り上げや利益に貢献してくれる優良な企業をターゲットにして戦略を立てていく方法になります。最初に顧客データを分析し、自社にとって優良な企業を選出。そして、選出した企業にあった戦略を立て、一番効果があるように最適化していきます。

法人営業のアカウント営業と同じ考え方ですが、アカウント営業をマーケティング部門と営業部門が連携して行うのがABMの特徴です。

ABMが向いている企業

ABMは、顧客を絞るマーケティングスタイルです。そのため向いている企業と向いていない企業があります。

ABMに向いている企業の特徴を3つ紹介します。

①営業とマーケティングの連携が取れている企業

ABMを活用していくにあたって営業部署とマーケティング部署の連携は必要不可欠です。せっかく、マーケティング部がターゲットアカウントを選定し設定しても、連携がうまくいっていなければ意味がありません。

逆でも同じことが言えます。営業がツールを使いこなせていても、ターゲットアカウントの選定ができていないと利益が出ません。

部署同士が連携することで最大限の効果が発揮されます。

②マーケティング部門にABMの実装能力がある企業

マーケティング部門がある企業は、宣伝広告に力を入れている企業が多いのではないでしょうか。宣伝広告をしている企業はターゲティングができていると感じますが、ABMは宣伝広告よりも更にターゲットを絞らないといけません。また、ターゲットを絞るマーケティング手法が分かっていてなおかつ、MAなどのソフトウェアやツールを使いこなさなければなりません。

自社で顧客データを作成・管理するのであれば、専門の知識がある人材も必要となります。

③アップセルやクロスセルの実施ができる企業

アップセルやクロスセルのマーケティング手法は、ターゲットを絞った際に有効となります。

アップセルはより高いものを購入してもらうマーケティング手法で、クロスセルは関連する商品を購入してもらうマーケティング手法になります。どちらの手法もターゲットを広げることなく、自社の利益を増やすマーケティング手法なので、ABMと相性が良いーケティング手法です。

ABMとこれらの手法を組み合わせることでより利益を生み出すことができます。

企業がABMを活用した事例

実際にABMを導入して成功した企業を紹介していきます。

ABMがどんな企業に向いているか、御社と比較しながら事例を確認してみてください。

企業事例①村田製作所

村田製作所はコンデンサや回路基板など半導体を用いた製品を製作している企業です。特に回路基板は、使われる製品に応じて形や性能を変えないといけないので、種類がたくさんあります。

ほかの製品ももちろんあるので、村田製作所の製品ラインナップは膨大なものになっています。それらを適切にプロモーションするためにABMが導入されました。

村田製作所の顧客はコアなのでABMでターゲットを絞るのはとても効果的です。

企業事例②株式会社LGI

株式会社LGIは機械部品の仕分けや検品、運搬などの倉庫内作業を行う会社です。ABMを導入することでリスト作成にかかる時間の削減に成功しました。

それにより、コスト削減や担当者の負担を減らすことができます。従来は、特定のホームページを閲覧したユーザーの中からリストを作成し、営業をしていました。ABMを導入により、リスト作成時間とコンタクトにかかっていた時間を約50%削減することに成功。

同じ時間、作業すると単純計算で2倍の作業を行うことができるので、2倍以上の効果が得られています。

更に詳しく企業事例をチェックしたい方は、こちらの記事を確認してみてください。ほかにも7社の企業事例を紹介しています。

ABMが注目を集めている理由

開発されてから10年以上経っているのに、なぜ今になって注目されているのでしょうか。

その背景には3つの理由が考えられます。

①意思決定方法の変化

意思の決定方法がトップダウンからボトムアップに変化しています。トップダウンは、経営者や役員が方針を決め、部下や現場がそれに基づいて行動します。対してボトムアップは、現場からの提案をもとに上層部が組織として意思決定をする方法です。

現場の問題を会社全体の問題と捉えるので、より現場を優先させた仕事や会社運営ができます。

②テクノロジーの進歩

マーケティング・オートメーション(MA)や顧客管理システムなどのテクノロジーの発達によって、顧客のアクセス解析や興味を持っているコンテンツを時間やコストをかけずに調べることができるようになりました。

これらのルールのおかげで企業にABMを導入するハードルが下がったと言えます。

③コロナ禍による営業方法の変化

コロナ禍によって営業の商談や打ち合わせがオンラインが多くなってきました。

その影響でオフラインで直接会う機会がほぼなくなりました。新規顧客営業や展示会も従来通り行うことができず、オンラインで行います。オンラインで行うことで、新規顧客の獲得に対するハードルが上がってきています。

そのため、売り上げを伸ばすには、新規顧客獲得よりも既存の顧客に向けた営業の方が重要視されるようになりました。

ほかのBtoBマーケティング手法比較

ABM以外のBtoBマーケティング手法を3つ紹介していきます。

①デマンド・ジェネレーション

デマンド・ジェネレーションとは、メルマガや配信、セミナーなど商品に興味を持ってくれた顧客になりそうなリード(見込み顧客)を営業に引き渡すまでの過程全般のことを言います。

購入意識が高い見込み顧客だけでなく、まだ購入意識が低い見込み顧客にも認知してもらうマーケティング手法です。新規顧客獲得に重きを置いています。

②コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングは、明確に定義された見込み顧客に対して、一貫性のあるコンテンツを作成、提供して利益につなげるマーケティング手法です。

情報を求めている人に対して適切なタイミングで適切なコンテンツを提供するという素直なアプローチです。

企業が伝えたいことと顧客が知りたいことのギャップを適切なコンテンツで埋めることで情報がスムーズに認識されます。

③ホワイトペーパーの公開

ホワイトペーパーとは、自社のノウハウや調査データなどを顧客に提供し、興味を持ってもらうマーケティング手法です。一般的には、企業ホームページから誰でもダウンロードができます。

ダウンロードする際に、見込み顧客のメールアドレスや電話番号などの情報を入力してもらいます。見込み顧客の情報を獲得できるメリットがあります。

ABMの具体的手法

ABMの具体的な手法を6段階に分けて紹介します。

①対象企業の選定

顧客リストを分析し優先順位を確定します。

優先順位を付ける際に重要視するのは、より長期的に利益に繋がるかどうかです。今後予想される取引額やリピート率などから分析すると良いかもしれません。

②キーパーソン調査

選定したターゲット企業での影響力が高い人物などの重要な人物がいるか調査します。重要度が高い企業から調査していくので、少ない労力でより高い効果が見込めます。

③コンタクト

キーパーソンがいた場合は、コンタクトを取る方法を考えます。

展示会などで名刺を貰ったり、メールや電話、オンライン会議でコミュニケーションをとるなどの方法があります。

④アプローチ方法の計画

コンタクトやアポが決まったら、営業の切り口を考えます。相手のニーズや自社のアピールポイントを明確にして伝えます。

重要なのは、できることを具体化し、問題解決の提案をすることです。

⑤キャンペーンの実施

Webや紙など活用する媒体を決め、分析することで適切なキャンペーンの実施方法を決めます。

SNSを利用する際には、運用方法があるので注意が必要です。

⑥効果確認・フィードバック

ABMで最も重要なのはこの工程です。実施したものの中から、効果があった施策だけを残しましょう。

事前に得た情報や予測があっても実際にやってみないと結果はわかりません。結果から対策や調整をすぐに行いましょう。

このサイクルをどれだけ速く回せるかがABM成功のカギとなります。

ABMのメリット・デメリット

ABMのメリットとデメリットについて紹介します。

メリット

①高いROI

ROIとは投資利益率のことです。アプローチするターゲットを絞ることで投資額を減らすことができます。

また、ABMを繰り返し、PDCAサイクルの時間や精度を上げることでより高いROIにすることができます。

②顧客との信頼性向上

全体の顧客数が少ないので、より質の高いアプローチをすることができます。アプローチの質を高めるとコストも減りますし、顧客との信頼関係を築くのも早くなります。

デメリット

①ターゲットが多い商品

ターゲットが多い商品やサービスには、あまり向いていません。ターゲットが多すぎると、絞ることができないので少数の顧客に注力できなくなります。

そうなってしまうと、メリットを生かすことができないからです。

②アップセルやクロスセルができない商品

アップセルやクロスセルができない商品やサービスでは、それ以上発展することができないため、利益を上げることができません。そういったものを扱う際には、デマンド・ジェネレーションの方が向いています。

代表的なABMのメリット・デメリットをご紹介しましたが、更に詳しく知りたい方は下記の記事に詳しく掲載されています。

まとめ

テクノロジーの進化や現在の習慣によって再度ABMが注目されています。ターゲット企業を絞ることで投資対効果を高めることができ、自社に利益をもたらすことができます。

ABMを適切に導入すると利益が上がるだけでなくコストも下げることができるので、興味があればぜひ導入してみてください。