
- マーケティングのDMとは何か?
- ダイレクトメール(DM)の意味と特徴
- ダイレクトマーケティング(DM)の意味と特徴
- DMマーケティングのメリット
- コストを削減できる
- お客さんからの反応が数値として得られる
- WEB広告では届かない層にコンタクトできる
- DMマーケティングのデメリット
- お客さんごとにDMの内容を変える必要がある
- お客さんのデータを更新し続けないとならない
- DMマーケティングをする手順
- 商品について詳しくなる
- 具体的ターゲットの選定
- 実際にDMを送付していく
- レスポンスして購入を促す
- リピートを促す
- DMの種類
- はがき
- レター
- FAX
- 電子メール
- SNS
- DMを成功に導くためのポイント
- 誰をターゲットにしていてどのタイミングで送るのか明確にする
- 適当な内容ではなく、質が高い考えられた特典や内容にする
- しっかりと効果測定をおこなうこと
- DMの成功事例
- ディノスセシールの成功事例
- 生活総合サービスの成功事例
- まとめ
「DM」という言葉は以前から使用されているワードです。日本にマーケティングのという概念が広がり始めた時から、いつの日からか「ダイレクトマーケティング」という名称として使われること、時には「ダイレクトメール」の名称として使われてきました。
マーケティング営業がさまざまある中で、ダイレクトメールは使用される頻度が非常に高い印象です。直近ではSNS(フェイスブックやツイッター、インスタグラムなど)が広く使われることが多くなり、「ダイレクトメッセージ」をDMと表現するように変わってきたため、DMが持つ意味が少し難解になっています。
そこで今回は「ダイレクトメール」としてのDMに関して、正しい意味で理解できるよう解説していきます。
加えて、ダイレクトメールとしてのDMのメリットとデメリットを明らかにした上で、効果的に実施するためのポイントに関してもふれていきます。
マーケティングのDMとは何か?
DMをただ単にSNSなどで直接連絡手段だと思っている方が大半かと思います。
そこでそもそもマーケティングとしてのDMとはなにかについて意味と特徴を解説していきます。
ダイレクトメール(DM)の意味と特徴
そもそもDMには2つの意味で使われることがあります。まずはDM=ダイレクトメール(direct mail)について説明していきます。
ダイレクトメールの意味
ダイレクトメールとは、企業やお店などから個人や職場に直接来てもらう営業や広告宣伝を目的とした商品やサービス、キャンペーンなどに関する広告のことを指します。これはマスメディア(テレビや新聞など)などを使用しないダイレクトマーケティングの手法です。
ダイレクトメールの特徴
現代でも通用するDMの特徴としては以下の内容が挙げられます。
- 表現の選択肢が広い
- 体験できる
下記で詳しく解説していきます。
写真や画像、おしゃれな形式など表現の選択肢が広い
はがきなどの印刷した書類は写真や画像、おしゃれに見せることなどの表現が自由にできることです。メルマガなどのデジタルメディアを利用すると書体は限られるため、仮に派手な色を使ったりすることで購読者からの印象を悪くする可能性もあります。
一方で高級な商品を販売する時にキラキラと高級感をつけて販売することで親近感を生み出すことも可能です。
実際に体験してもらうことが可能である
DMは表現が広く、実際に送付することができるので、顧客に直接サンプル商品などの実体験を届けられる点がとても大きい特徴のひとつです。
例をあげると、ネットなどのメディア媒体では化粧品のきめ細やかな画像を提供することは可能ですが、その触り心地であったり、質感や匂いを感じさせるとは不可能です。
しかしDMでは化粧品サンプルを届けることで顧客に実体験してもらい、口コミにはない貴重な実体験を提供することができるため、顧客側も効果を実感しやすいです。
ECサイトで服を買わず、あえて実店舗で服を購入するようなイメージに近いです。
顧客との関係をしっかりと築くことができる
DMを何度も送ることで顧客のリピート率を向上させ、製品やサービスへの親近感を持たせることができる点も特徴のひとつです。
例えば、顧客情報を分析して、そのニーズや趣味趣向を把握します。そして高級ブランドを好むターゲット層に高級感のある招待状で商品の展示会などの参加を促し、四季に合わせた手書きで書いたようなハガキや封筒を送る手法があります。
また、お年寄りの方へはサプリのリピートを促すといった手段は現在では主流となっています。
ダイレクトマーケティング(DM)の意味と特徴
ここからはDM=ダイレクトマーケティング(direct marketing)についてご説明していきます。
ダイレクトマーケティングの意味
ダイレクトマーケティングとは、企業が直接顧客にアプローチしていくマーケティング方法のことを指します。
これまでの企業は、情報発信をおこなうために主にテレビ、ラジオ、新聞といったマスメディアを通じて顧客にアプローチしていくマスマーケティングが主流でした。
例えば、一番分かりやすい例がCM(コマーシャル)です。CMでは、企業側が発信したい情報を一方的に届けたい人に向けて、あらゆる人に向かって流すことが可能になっています。
マスマーケティングは、一方的あらゆる人に伝えられるというふたつの特性があります。その反対に位置しているダイレクトマーケティングは「双方に」「細かく設定したターゲット」という点が特性です。
ここ最近は、ネットやTwitterやInstagramなどのSNSなどの情報伝達をおこなう手段がたくさんあり、企業は自社が求めている層に直接アプローチすることが可能となっています。
これを背景に企業は、マスマーケティングに比べてかなりきめ細かい顧客のターゲット選定をおこない、伝えたいターゲットだけに情報発信をおこなえるようになりました。発信に対して、ターゲットのレスポンスを確認しながら、ニーズや趣味趣向を確認でき、その分析結果にあわせてマーケティングを組み立てられます。
このようにすることで顧客一人一人に合わせたコミュニケーションが可能です。これがダイレクトマーケティングと呼ばれています。
ダイレクトマーケティングの特徴
ダイレクトマーケティングは、1981年にアメリカのDMAという企業によって「ひとつまたは複数の広告メディアを使うことで、測定することができ、反応もしくは取引をどのような場所でも達成することのできる双方向のマーケティングシステム」だと定義づけされています。
この定義からあげられる特徴は、以下の4つです。
- ひとつもしくは複数のメディアを使うことができること
- どのような場所でも実施ができる
- 双方向でのやりとりができる
- 顧客のアクションを分析することができる
これら4つの特徴から「費用対効果が高い」といわれているため、安定した収入につなげることができるなど多くのメリットがあげられます。現代ではダイレクトマーケティングを使用することが多くなってきています。
DMマーケティングのメリット
ここからはダイレクトマーケティングを導入したらどのような恩恵を得られるか説明していきます。
コストを削減できる
DMマーケティングは通常のはがきや封書などとは違い、電子メールなどで送るため、原価費用を削減することが可能です。必要な経費は基本的に人件費のみとなります。
お客さんからの反応が数値として得られる
DMは複数回おこなうことで、送ったメールの種類、回数などで反応が良かった、悪かったなどを測定して分析し、マーケティングに活かすことができます。
むしろ結果分析をおこなうからこそ集めたデータを活かすことでき、DMを使ったマーケティングをおこなう場合には必ず必須な施策ともいえます。
WEB広告では届かない層にコンタクトできる
Webを利用しないような顧客に対してもアプローチが可能です。
ネットやSNSが利用されている近年では、Webマーケティングが広く利用されているという事実があります。しかし、Webマーケティングでアプローチできる対象は、当たり前ですがスマホやタブレットを所有している方に限られます。DMの場合、オフラインを活用したダイレクトメールはWeb広告を利用しない人にも確実に届けることが可能です。
DMマーケティングのデメリット
ここまでダイレクトマーケティングの良い点についてばかり紹介してきましたが、もちろん面倒な点なども存在します。
お客さんごとにDMの内容を変える必要がある
お客様ひとりひとりで求めている内容が違います。そのため、同じような内容を全員に送るのではなく、ひとりひとりに合わせた内容に設計する必要があります。
これは時間と手間がかかるのでデメリットのひとつです。
お客さんのデータを更新し続けないとならない
お客さんのデータを更新し続ける必要があるため、無駄な工数がかかります。また、お客さんのステータスを社内で共有しながら連携を取る必要があるので常に更新が必要な点もデメリットです。
例えば、それらの手間を解決するためにSalesMarkerといったサービスを利用すると良いでしょう。
SalesMarkerを使用することで最新のお客様情報を30秒で取得できるといったことも可能になります。欲しいと思ったデータをすぐに取得することができるため、このようなサービスを利用することでデメリットを緩和させることも可能です。
DMマーケティングをする手順
商品について詳しくなる
まずはどのような商品で、どのターゲット(年齢、性別、住んでる地域、収入、職業、性格など)にささるのかなど商品について詳しくなりましょう。そうすることで次のアクションでおこなうターゲット選定に生かすことができます。
具体的ターゲットの選定
CRM(顧客情報管理)を使用して効率的に選定していきましょう。CRMを使用することで顧客がどのようなニーズがあり、どのような懸念があるか、などを記録しておくことができます。その細かな情報を元に具体的なターゲット選定をおこなっていきます。
また、インテントデータを使用して購買率の高いユーザーを集めることでDMの効果をより高めることができます。
実際にDMを送付していく
上記が完了したら実際に顧客へDMをしていきましょう。企業のお問い合わせフォームの場合であれば、SalesMarkerなどのようなツールを使うことで一括送信ができるので効率化する方法はいくらでもあります。ツールを有効活用してダイレクトマーケティングをしていきましょう。
レスポンスして購入を促す
お客さんから返信がきたら即時に返信しましょう。そうすることでお客様の購買行動に早くアプローチすることができます。早いタイミングでMTGを組むなど購買に繋がるように誘導していきましょう。
リピートを促す
一度購入いただいたら、その商品がどうだったかなどをヒアリングし、リピートや商品の使用アドバイスをして親密度を高くしていきます。
またキャンペーンなどがある際には、積極的に情報を送付しましょう。
DMの種類
ダイレクトメールは、SNSだけだと思われがちですが、オフラインのものもダイレクトメールに該当します。具体的にどのようなものがあり、どのような特徴があるのか説明していきます。
はがき
皆さんがよく思い浮かべることが多いのは、はがきだと思います。はがきは宛名を特定して送られてくる郵送用や宛名なしで広範囲に配布されるものも多く存在します。
大手企業から個人の店舗に至るまで、比較的簡単に導入することができ、かつ多様な用途に利用できるのがこのはがきタイプです。
レター
封筒を使うレタータイプになっているDMもあります。
レタータイプの中にはチラシであったり、挨拶文などさまざまな内容を入れることが可能で、同封できる情報量が多いのが特徴になっています。
ただし、郵送費が多くかかるため、コストが高くなってしまいがちなことや開封されずに捨てられてしまうケースも多いので注意が必要です。
例えば、既存顧客に向けた案内、ニーズが高いことを理解しているユーザーに向けた告知であれば、開封率が見込めるため有効なDMだといえます。
FAX
電話番号情報がわかれば、FAXも手段のひとつです。
費用が発生するはがき、レターなどに比べてコストがあまりなく、手間が省けるという点がメリットです。
一方で送付するデータはほとんどの場合モノクロになってしまっており、デザイン性はこだわることができず、読まずに捨てられてしまう可能性も高いです。また、最近ではFAXをおいていない家庭も多く存在しているため、一般顧客向けに実施するにはターゲットの精査と選定が必須になります。
BtoBに対してのモノクロで十分情報が伝達できる内容なら費用対効果の面では優れていると考えられます。
電子メール
今では電子メールがDMの主流となっています。
特に電子メールでのDMが普及しているのは、「量が多いこと」「即効性」「低コスト」という3つのメリットがあります。
ということは、連絡先さえ入手することができれば、コストを気にすることなく、多くのターゲットに向けてDMを送ることができ、送信すればすぐ手元に届きます。
タイムリーな情報提供ができること、費用がかからず、デザインをこだわったものが必要ないため低コストで実施できること、の3つが特徴です。
その反面、情報セキュリティーの面から迷惑メールと判断される可能性があることも考慮しておきたい部分になります。
SNS
今ではSNSを活用するのも有効な手段です。ここ最近ではインスタグラムやツイッターといった大衆が使っている手段が多く存在しているため、それらのサービスを使用することでアプローチしやすいといった特徴があります。
しかし、情報が多い中で見てもらえない、といったこともあり得るので注意が必要です。
DMを成功に導くためのポイント
誰をターゲットにしていてどのタイミングで送るのか明確にする
ターゲットを明確にして送るタイミングを検討することがとても重要です。なぜなら、誰にでも響くようなDMはないため、不明確にすればするほどDMの効果がなくなります。
また、タイミングを間違えると開封率が下がったりする可能性があるので適切なタイミングを考えてアクションしましょう。
適当な内容ではなく、質が高い考えられた特典や内容にする
DMには伝えることが可能な情報量が多いですが、その特徴を最大限に活かす方法として、デザインはもちろんのこと、コピーライティングや印刷技術などのクリエイティブの水準を高くしておくことは重要です。
それに合わせて割引や優待、ポイントなどの特典を用意して開封率と行動してもらうことを促すこともあわせて検討していきましょう。
特典の内容によって求められるクリエイティブの質も変わってきます。
しっかりと効果測定をおこなうこと
DMのアクションを起こした際にそのアクションの効果をしっかりと理解した状態で行うことが重要です。例えば、効果測定が行われていない場合、実際にそのアクションが正しいのか正しくないのかがわからなくなります。
そのため、しっかりと地道に効果測定をおこない、次回に生かせるようにPDCAを回して分析していきましょう。
DMの成功事例
ディノスセシールの成功事例
日本郵便が主催している「第33回全日本DM大賞」の金賞に選ばれたのがカタログ通販会社のディノス・セシールです。こちらの会社はファッションAIの「#CBK scnnr」を活用することにより、顧客の趣味趣向に合わせたパーソナライズされたDMを送ることができる仕組みを作り出しました。
AIといったデジタルな力を利用することにより、お客様が以前に購入した商品とよく似たアイテムの写真をInstagramから抽出してDMの作成工程を自動化を実現し、Webサイトへのレスポンスが約10%アップした事例があります。
生活総合サービスの成功事例
通販商品であるコラーゲンサプリは買い替えも多く他社比較も多い商品ですが、継続購入が難しかったり、クロスセルできない、顧客のポストに入らず届かない、などのDMの課題がありました。
そこでさまざまな検討を経て、生まれたのが「全国の郵便ポストのサイズ調査」と「150回以上の発送テスト」でした。これをおこなうことでDMを成功させました。
単純に継続購入の低下やクロスセルの向上だけではなく、顧客先のポストへしっかりと入るようにテストを繰り返したこと、ミリ単位での設計で、99.5%の到着率という成果が上がりました。顧客からの定期継続率が上がり、年間の残存率も5%向上するという成功したDMを実現させました。
まとめ
DMマーケティングについて詳しくご紹介してきました。自社にあったDM方法は違うと思いますので、しっかりと方法を検討した上で顧客にアプローチしていきましょう。そうすることでDMマーケティングの効果を最大限引き出すことに繋がります。
手間も時間もかかるので無駄ができるだけ出ないように意識して取り組んでみてください。
またDMマーケティングは、営業のコツを理解しておくことでさらに効率性が増します。