
- マーケティングにおけるファネルとは?
- ファネル分析とは?
- ファネル分析で用いるファネルの種類
- パーチェスファネル
- インフルエンスファネル
- ダブルファネル
- ファネル分析の具体的な活用例
- ファネル分析を行うメリット
- マーケティングの改善点が明確になる
- ペルソナの設定がしやすくなる
- コンバージョン率(CVR)を高められる
- ファネル分析を行うときの注意点
- 市場調査でニーズを掴む
- 分かりやすいプロセスを設定する
- BtoCの場合は柔軟に考えるようにする
- まとめ
ファネル分析についてこのようなお悩みはありませんか?
「ファネル分析について詳しく知りたい」
「ファネル分析の具体的な方法は?」
「ファネル分析のメリット・注意点は?」
本記事を読むことで、マーケティングに欠かせないファネル分析の基礎的な知識や具体的な方法、さらにはメリット・注意点を理解することができます。マーケティングにおいてコンバージョン率を高めて利益を最大化させたい方は最後まで読んでみてください。
マーケティングにおけるファネルとは?
マーケティングにおけるファネルとは、顧客が購買に至るプロセスにおいて離脱率に焦点を当てた考え方で、どのプロセスでの離脱率が高いのかを把握して分析・改善などをするマーケティング手法のことです。
そもそもファネル(funnel)は、小さい容器などに液体を流し込むために使用する「漏斗(ろうと)」という意味のある言葉で、漏斗との形と顧客が離脱していく様子が似ていることからマーケティングでも使用するようになりました。
ファネル分析とは?
ファネル分析とは、「認知」→「興味関心」→「情報収集」→「比較検討」→「購買」という購買高度の一連の流れにおいて、それぞれのプロセスにおけるコンバーション(成果)に繋がったポイントや反対にコンバーションに繋がらなかった原因などを、顧客の購買行動の中から分析する手法です。
ファネル分析を行うことによって、各プロセスの課題や改善点などを理解することができ、最終的な目標はコンバージョン率の向上になります。
ファネル分析で用いるファネルの種類
ファネル分析で用いられるファネルの種類は下記の3つです。
- パーチェスファネル
- インフルエンスファネル
- ダブルファネル
それぞれのファネルを理解して実践できるようになることで、より顧客の購買行動を深く理解できるようになりますので、かならず抑えておきましょう。
それでは、それぞれのファネルの種類について詳しくご紹介していきます。
パーチェスファネル
パーチェスファネルとは、顧客が商品・サービスを認知してから実際に購入するまでの購買に至るまでを表したもので、ファネルの中でももっとも一般的な考え方です。
「Attention(認知)」「Interest(興味・関心)」「Desire(欲求)」「Memory(記憶)」「Action(行動)」の5つに消費者の購買行動を分類し、さらにAttentionを「認知段階」、Interest・Desire・Memoryの3つのプロセスを「感情段階」、そしてActionを「行動段階」の3つに分類することで、より消費者の購買行動を理解できるように考えられます。
このパーチェスファネルは、アメリカで販売・広告を専門として扱っていたサミュエル・ローランド・ホール氏が提唱した、広告宣伝における消費心理のプロセスを表す「AIDMA(アイドマ)の法則」を発展させて誕生した考え方なのです。
インフルエンスファネル
インフルエンスファネルとは、上記で紹介したパーチェスファネルでゴールに設定した目標、つまりコンバージョンを達成した後の顧客の行動を表したものです。
パーチェスファネルでは「商品・サービスの購入」をゴールに設定しますので、インフルエンスファネルでは購買後の顧客行動を表します。
購買後の顧客行動は「リピート」→「紹介」→「情報発信」というプロセスになっており、インターネットやSNSの発達した現代のマーケティングにおいては非常に重要な要素です。
従来までのマーケティングであれば、インターネット広告やSNS広告などに広告を出稿することで大きなコンバージョンを獲得することができましたが、最近では若い世代を中心にインターネット広告やSNS広告などに嫌悪感を抱いている世代も多く、なかなか広告でコンバージョンを獲得することが難しくなっています。
そこで重要視されるようになったのが、実際に商品・サービスを購入した方のレビューや口コミ、評判などです。
インターネット環境さえあれば誰でも発信できるようになった現代において、消費者が広告と同様の効果を発揮することも多く、toCのビジネスでは特に大きな影響を与えます。
ダブルファネル
ダブルファネルとは、ここまでご紹介したパーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせた考え方です。
商品・サービスの「購買」をコンバージョンに設定するのではなく、SNSやレビューで商品情報を「発信する」ことをコンバージョンに設定することで、商品・サービスの購入では終わらず、さらに大きな利益を生み出すことに繋がります。
現代のマーケティングにおいて「購入」をコンバージョンに設定してしまうと売り上げが伸び悩んでしまうので、「発信」までを前提として考えるマーケティングが主流になっているのです。
ファネル分析の具体的な活用例
ファネルについてある程度理解していただいたところで、具体的なファネル分析の活用例についてご紹介していきます。
パーチェスファネルに顧客データを当てはめていくと下記のようになったと仮定しましょう。
- 認知:100人
- 興味関心:80人
- 情報収集:40人
- 比較検討:20人
- 購買:10人
パーチェスファネルでは「購買」がゴールになりますので、コンバージョン率(CVR)は下記のようになります。
顧客数 | コンバージョン率(CVR) | |
認知 | 100人 | – |
興味関心 | 80人 | 80% |
情報収集 | 20人 | 25% |
比較検討 | 10人 | 50% |
購買 | 5人 | 50% |
パーチェスファネルにおいてこのようなデータが出たとすると、ファネル分析をして問題となるプロセスは「興味関心」になります。「興味関心」から「情報収集」のプロセスへ移行しないということは、何かしら「興味関心」のプロセスにおいて改善点があると考えるのです。
改善点として、商品・サービスに興味関心を持っている顧客に対してのアプローチの強化などを挙げて、コンバージョン率をあげていきます。
このように、ファネル分析ではどのプロセスにおいて離脱率が多いのかを把握することで、よりコンバージョン率を高めて利益につなげることができるのです。
ファネル分析を行うメリット
マーケティングにおいて、ファネル分析を行うメリットは下記の3つです。
- マーケティングの改善点が明確になる
- ペルソナの設定がしやすくなる
- コンバージョン率(CVR)を高められる
それぞれのメリットについて詳しくご紹介していきます。
マーケティングの改善点が明確になる
ファネル分析では、顧客の購買行動を図式化して離脱率を把握していくので、マーケティングにおいてどのプロセスに問題があるのかを明確に理解することができます。
離脱率の高いポイントに絞った施策を打ち出すことで、より効果的にマーケティングの改善を行うことができるのです。
ペルソナの設定がしやすくなる
ファネル分析を行うことで顧客の心理や感情をより深く考えることができるので、よりリアリティのあるペルソナを設定することができます。
ペルソナとは、商品・サービスを販売するときに設定する想像の顧客のことで、「東京都在住で新宿区の企業に勤める40歳未婚男性」のようにターゲットよりもより詳細に想定した人物像のことです。
ペルソナを設定することはマーケティングにおいて必要不可欠ですが、あまりにも実際の顧客層とペルソナがかけ離れていると効果はありませんが、ファネル分析を用いてより効果的なペルソナを設定することに繋がります。
コンバージョン率(CVR)を高められる
先ほどもお伝えしたように、ファネル分析の最終的なゴールになるのはコンバージョン率の向上ですので、必然的にコンバージョン率は高められます。
また、ファネル分析を用いることで問題を明確にして最短でのコンバージョン率の向上が見込めるのです。
コンバージョン率が高められる方法は他にもあります。下記はインテントデータを使用しながらコンバージョン率を高められる方法なのでお試しください。
ファネル分析を行うときの注意点
ファネル分析を行うときの注意点は下記の3つです。
- 市場調査でニーズを掴む
- 分かりやすいプロセスを設定する
- BtoCの場合は柔軟に考えるようにする
それぞれの注意点について詳しくご紹介していきます。
市場調査でニーズを掴む
ファネル分析は市場にニーズがあることを前提として行われますので、ファネル分析を行う前準備として市場調査をすることは欠かせないのです。
比較対象となる商品・サービスであったり、そもそもニーズのない市場に対してファネル分析をしたとしてもコンバージョン率の向上は見込めません。
まずは市場調査を行って、販売したい商品・サービスに対してニーズがあるのかを確認しましょう。
分かりやすいプロセスを設定する
ファネル分析では、購買に至るまでにさまざまなプロセスを設定しますが、各プロセスは複雑なものではなく、まずは分かりやすいプロセスに設定することが大切になります。
というのも、初期段階から複雑なプロセスを用意することは簡単なことではありませんので、作業にとても時間がかかりファネル分析を開始するまでに時間がかかってしまうからです。
ですので、初期段階では本記事でご紹介しているような分かりやすいプロセスに設定して、後からプロセスの内容を調整するようにしましょう。
BtoCの場合は柔軟に考えるようにする
ファネル分析は、BtoBビジネスに活用するよりもBtoCビジネスに活用する方が難しい場合もあります。というのも、購買が決定してから実際に購買するまでの期間が短いBtoBビジネスに比べて、BtoCビジネスは常に流行や興味関心が移り変わっており、さらに比較検討する競合商品も多いからです。
例えば、BtoCビジネスにおいてノートパソコンを販売するときに、顧客は家電量販店やネット通販などから情報収集をしますが、この中で「やっぱりデスクトップPCの方が便利かも」と類似商品に興味関心が移ることがよくあります。また、ノートパソコンで行いたかった作業がスマホでできることを知って、高性能のスマホの購入を検討する場合もあるでしょう。
このように、BtoCビジネスにおいて顧客の心理や感情は非常に複雑なので、ファネルのプロセスなどをより柔軟に考えることが必要なのです。
まとめ
本記事では、マーケティングには欠かせないファネル分析について紹介していきました。
ファネル分析を行うことでコンバージョン率の向上が見込めるだけではなく、ペルソナの設定がしやすくなったりとマーケティング全体にメリットをもたらしてくれます。
本記事を参考にしてファネル分析を正しく行ってみてください。