2024.09.04
BtoBマーケティング手法15選。実際に使える具体策も3つ紹介
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自社のBtoB商材における売上や受注数を伸ばすために、新たなマーケティング施策に取り組もうと考えている人もいるでしょう。マーケティング施策にはさまざまなものがあり、継続的に成果を出すためには自社に合うものを選ぶことが大切です。
本記事では、BtoBマーケティングの特徴を解説した上で、リードジェネレーション・リードナーチャリングに有効な15個の手法を紹介します。具体的な施策の進め方についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
BtoBマーケティングの特徴
BtoBマーケティングは、BtoCマーケティングに比べて以下の表のような特徴があります。
このように、販売対象が企業か個人かによって、単価・購入目的・検討期間などが異なります。
BtoBマーケティングはBtoCに比べ、費用が高額な上に導入決定者と導入後の利用者が異なる場合が多いため、即断ではなく検討に長い期間がかかる傾向にあります。また、体験や所有ではなく課題解決を目的としているため、ブランド力や機能面などをシビアにチェックするケースが大半です。
だからこそ、BtoBマーケティングは複数の手法でマルチ的にアプローチしていく必要があるのです。
BtoBマーケティングの手法の種類
BtoBマーケティングは、基本的には以下のプロセスで進めていきます。
このように、「BtoBマーケティングの施策」のなかには、リード獲得のための施策とリード育成のための施策の2種類が存在します。成果に繋げるためには、2種類があることを認識した上で正しく使い分ける必要があるのです。
ここからは、リードジェネレーション・リードナーチャリングについて詳しく解説します。
リードジェネレーション
リードジェネレーションとは、将来的に顧客となる見込みのある「リード」を獲得するための試みのことを指します。この段階で質の高いリードをたくさん獲得しておくことで、購買意欲を刺激する施策を行いやすくなります。
リードナーチャリングの際には、リードの見込み度合いを数値化する「スコアリング」という工程を踏む必要がありますが、十分な数のリードがいないとスコアリングの精度が下がってしまいます。また、数が多くても確度の低いリードばかりでは成果に繋がらないため、質も重要です。
リードナーチャリング
リードナーチャリングとは、獲得したリードの購買意欲を刺激し、受注(購入)に至らせるための取り組みのことです。
従来は架電やメールによる施策が主流でしたが、インターネットが普及した昨今ではリターゲティング広告・ウェビナーといった手法を用いる企業が増えています。自社商材を販売したいターゲットの特徴を理解した上で、効率的に成果が見込める施策を選択し実施することが大切です。
リードジェネレーション手法10選
リードジェネレーションに有効な手法として、以下の10個が挙げられます。
- SEO
- Web広告
- SNS運用
- 比較サイト
- 記事広告・寄稿
- プレスリリース
- フォームDM
- セミナー・ウェビナー
- 展示会
- 書籍出版
それぞれの手法の特徴やメリットについて詳しく解説します。
SEO
SEOとは、「検索エンジン最適化」のことを指します。顧客がGoogleなどの検索エンジンを用いて自社商材に関連するキーワードで検索した際に、自社サイトを上位に表示させる試みです。多くのアクセスを集めることで認知拡大を促せると共に、資料請求などの行動を起こした顧客の情報を収集できます。
収集した情報を用いてメルマガ配信や架電といったリードナーチャリング手法を実践することもできます。上位表示に成功すれば効率的にアクセスを集められるというメリットがある反面、専門的な知識・スキルが必要な上に成果を上げるまでに長い期間を要することも珍しくありません。
Web広告
Web上に広告を出稿する手法です。広告にはさまざまな種類がありますが、特に効果を期待しやすいのは以下の3つです。
- リスティング広告:顧客がGoogleなどの検索エンジンを使った際に検索結果の一部として表示される広告
- ディスプレイ広告:Webサイトやアプリ上にテキスト・画像・動画などの形式で表示される広告
- SNS広告:Facebook・Instagram・X・TikTokなどに表示される広告
上記のうち、複数の広告を組み合わせて出稿し、成果を見ながら運用していくのも手段のひとつです。
SNS運用
以下のようなSNSに企業アカウントや代表・社員の個人アカウントを作成して運用する手法です。
- X(旧Twitter)
- TikTok
これらのSNSは無料で使えるため、費用を抑えながら効果を期待できるのが嬉しいポイントです。ただし、拡散されやすいという特徴があるため炎上などのリスクがあることを理解し、慎重に運用する必要があります。なお、BtoBの場合は、個人アカウントの方が効果が出やすいとされています。
比較サイト
自社商材を含むさまざまなBtoBサービスを比較するサイトを用意する手法です。各サービスの特徴・メリット・デメリット・価格などを分かりやすくまとめることで、ユーザーのニーズを満たせます。また、自社商材への資料請求や問い合わせを促せる点も魅力です。
すでにニーズのあるユーザーがアクセスすることになるため、効率的にアプローチできるでしょう。ただし、記事内で紹介した競合の商材を購入する顧客も現れる点は理解しておきましょう。
記事広告・寄稿
自社商材に親和性のあるWebサイト内で記事広告を出してもらったり、自社商品に関する記事を寄稿したりする手法です。知名度のあるWebサイト上に広告や寄稿をさせてもらえれば、顧客からの信頼を集められます。
なお、成果報酬ではなく記事広告や寄稿の依頼に応じて報酬を支払うケースが多いため、費用対効果が低くなってしまうリスクもあります。
プレスリリース
プレスリリースとは、メディア関係者に向けてこれまでに公表していない自社商材に関する情報を資料にまとめ、送付することを指します。メディア関係者の目に留まれば、Webサイトや雑誌などの媒体で取り上げられ、認知拡大につながる場合があります。ただし、メディアに露出できる可能性は決して高くはないため、注意が必要です。
フォームDM
企業の公式サイト上に設置されている「お問い合わせフォーム」上に文章を入力・送信し、接触を図る手法です。決裁者の目に留まりやすいというメリットがある反面、クレームに繋がるリスクもあることを理解しておきましょう。また、手動ではメール配信のように一括で送ることはできないため、効率化を図りたい場合はツールを活用するのも手段のひとつです。
セミナー・ウェビナー
「〇〇のノウハウ」「〇〇の手法」「これからの〜〜となる〇〇について」などの顧客が興味を抱くであろうテーマでセミナーやウェビナーを開催し、顧客との接触を図る手法です。なお、ウェビナーとはオンライン上で実施するセミナーのことを指します。密なコミュニケーションを取れることから、顧客との関係性を強化したい人におすすめです。一方で、一度に数多くの顧客にアプローチすることは困難です。
展示会
オンラインまたは対面で展示会を実施する手法です。オンラインには遠方の顧客にもアプローチしやすいというメリットが、対面には顧客の反応や感触を察知しやすいというメリットがあります。運営準備や人員の手配などの準備に手間がかかるものの、大きい規模の展示会を実施すれば数多くのリードを獲得できます。
書籍出版
顧客の悩み解決に役立つ書籍を出版する手法です。書籍内に自社商材に関する情報を盛り込むことで、認知拡大やリード獲得が期待できます。また、「書籍を出版しているなら信頼できそうだ」といった具合に、ブランド力向上効果も見込めるのが嬉しいポイントです。
多くのリードを獲得するためには、特典をダウンロードできるURLを掲載し、メールアドレスなどの情報を入力してもらうと良いでしょう。
リードナーチャリング手法5選
リードナーチャリングに効果的な手法は、主に以下の5つです。
- メルマガ配信
- ステップメール
- リターゲティング広告
- 相談会セミナー・ウェビナー
- 架電
それぞれのメリットやデメリットを詳しく解説するので、自社に合うものを選択し実施しましょう。
メルマガ配信
リードに対してメールマガジンを配信する手法です。クーポンや特典などを添付することで、開封率向上を促せる上に売上アップも期待できます。ただし、迷惑メールフォルダに振り分けられてしまったり、件名を読まずに削除してしまったりする顧客も少なくありません。一度に多くのリードへアプローチできますが、反応率を高めるためにはさまざまな工夫が必要です。
ステップメール
リードが起こした行動に合わせて、自動でメールを配信する手法です。リードの検討段階に合わせて効果的な内容のメールを配信できるため、効率良くリード育成ができる点が魅力です。1通目のメールが特に重要だと言われており、心を掴むような内容にする必要があります。また、成果をあげるためにはメールを送る頻度や時間帯にも気を配ることが大切です。
リターゲティング広告
過去に自社サイトを訪れたことのあるリードに対し、他のWebサイト上に自社商材に関連する広告を表示させる手法です。1度は離脱してしまったリードを呼び戻す効果が期待でき、検討期間が長い傾向にあるBtoBに適している手法だと言えます。ただし、サードパーティークッキーの廃止が予定されているため、これまでのようにリターゲティング広告を出稿できなくなる恐れがあります。
相談会セミナー・ウェビナー
リードジェネレーションだけでなく、リードナーチャリングでも相談会セミナーやウェビナーといった手法が効果的です。自社サービスの使い方や自社サービスを活用するための相談会などを実施することで、顧客の購買意欲の向上を促せます。また、セミナーやウェビナーの最中に商材を購入できる体制にすることで、購買意欲が高まった状態での受注が期待できます。
架電
見込み顧客に架電して、現在の検討状況や興味度合いなどのヒアリングし、商談に引き上げる手法です。1度の架電で商談の設置を打診するのではなく、接触回数を増やして少しずつ信頼関係を築くのがおすすめです。架電する時間帯やトーク内容を工夫することで、反応率を高められます。
【実践編】実際に使えるBtoBマーケティング手法3選
ここまで、15個のマーケティング手法を紹介してきましたが、実際に実践するイメージを掴みにくいと感じている人もいるでしょう。ここでは、BtoBマーケティングを実践する際の進め方について、以下の3つに分けて紹介します。
- リスティング広告×LP改善
- Facebook広告×ホワイトペーパー
- フォームDM×BtoBセールスインテリジェンス
具体的なイメージを掴んでおくことで、スムーズに実施しやすくなるでしょう。
リスティング広告×LP改善
顕在層(購入可能性の高い顧客)の顧客に向けて一番最初に行うのがおすすめな、インバウンドの施策です。自社サービスページをリスティング広告用に改善した上で、リスティング広告を出稿します。初めてサービスページを訪れたユーザーに向けて、抱えている課題に寄り添い、自社商材を購入すれば解決できることを説得できるようなページを作成しましょう。
最初のうちは、すでにリスティング広告を出稿している競合サービスのサービスページ構成を真似して問題ありません。顕在層を獲得できるであろうKWを選んでリスティング広告を出稿しましょう。例えば、営業支援ツールを提供している場合、「営業支援とは?」などのKWよりも「営業 ツール」といった、すでに解決策を探しているKWを選ぶ方が問い合わせなどに繋がりやすいです。
Facebook広告×ホワイトペーパー
潜在層(現状購入可能性はあまり高くない顧客)向けのインバウンド施策です。顧客へのお役立ち資料であるホワイトペーパーを作成し、Facebook広告に出稿します。他のSNSではなくFacebookを選ぶ理由は、Facebookは日本国内においてビジネスSNSとして機能しているためです。
比較的低コストで広い範囲のリーチが可能な上に、Facebook広告のノウハウがなくてもある程度のコンバージョンが期待できます。ホワイトペーパーのダウンロードが発生した後は、MAツールにリード情報を蓄積し、リードナーチャリングを実施していきましょう。
フォームDM×BtoBセールスインテリジェンス
顕在層(購入可能性の高い顧客)に効果的なアウトバウンド施策です。見込み顧客の興味関心度合いがデータでわかる「BtoBセールスインテリジェンス」というツールを用いることで、効率的にフォーム営業を実施できます。
例えば、弊社が提供している『Sales Marker』では、事前に設定したKWを検索した顧客を察知し通知を得られる機能が備わっています。
興味関心度合いの高い顧客に限定してフォーム営業を行うことで、効率的に商談を獲得できます。
『Sales Marker』では、フォーム営業の文面をAIが作成する機能や最適なタイミングで送付する機能も備わっており、手間や時間を抑えつつ高い効果が期待できるのも魅力です。
まとめ
BtoBマーケティングは、BtoCよりも単価が高く、検討期間が長いといった特徴があります。そのため、複数の手法でマルチ的にアプローチしていくことが求められます。
リードジェネレーション・リードナーチャリングに分けて適切な手法を選択し実施することで、より多くの顧客に購入を促せるでしょう。ぜひ、本記事を参考にして自社に合うBtoBマーケティングを実行してみてください。